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第0話

 いつも平凡で過ごせる。

 いつも幸せな日常がある。

 そんな日々が当たり前でいた――。ほんの、さっきまで。



 海沿いに住んでいて、産まれてからずっとこの地で過ごしていた。

 結婚して、旦那が来てくれて、子供を三人産み、両親は孫が出来てとても喜んで。

 そして猫と一緒に暮らしていた。

 

 日曜日の朝。皆と集まって食事していた頃、突然、揺れが始まり、地震だと思い皆でテーブル下に逃げた。

 でもさすがに皆とテーブル下で地震が過ぎるまで凌ぐごとが出来ない。


「結衣、愛美、裕二はここに残ってて。あなたも、ここで一緒にお願い」


 あなた――旦那に子供達に任せて、私と両親は地震が落ち着くまで凌げる場所を探した。

 外がいいのか?

 いろいろ考えているうちに、揺れはどんどん強くなってくる。

 

「仕方ない。狭いけど、ここで耐えよう!」


 父親が叫んだ。

 六人でテーブル下に入るが、やはり窮屈。

 それでも父親の言うように、あれこれ考え行動できず怪我などしてしまうよりもいいだろう。

 そう思ってテーブル下で地震が落ち着くまで耐える。


 とは言うものの、地震は激しさをより増していき、このままテーブル下にいては危険なのでは? と思い始めた。

 

「危険だけど、外に出ない?」


 提案すると、直後に玄関側から声が聞こえてきた。


「今すぐ外に出て、地下に逃げてください!!!」


 お隣さんの声だった。

 地下と聞いて、私と旦那、そして両親はすぐに行動に移した。

 私達が住む家の直ぐ横に図書館がある。

 その図書館には階段を下りて地下へと行ける。

 そこのことか。


 皆で一斉に離れ離れにならないよう外に出た。

 地震はまだ続いてるけど、まだ天井が崩れる様子はない。

 

「皆、俺から離れるなよ!」


 旦那は娘ふたりを。私は息子ひとりと手を繋いで、両親は後ろから。

 旦那が先頭に立って家族を地下まで避難誘導してくれる。こんなに頼りになる人は、他にいない――。



「……んっ」


 何か、おかしい。

 手に、結衣と愛美の体温を感じない。

 感じるのは、ざらざらした地面のような無機質な物。

 風で髪がなびく――。


 ハッとして直ぐ起き上がると、目の前には信じられない光景がある。

 住宅街もない、高層建築物もない。ほとんどが更地になっているのに、空はただただ青い。

 海からは波音が聞こえて、地震なんてなかったかのように静かな時間が流れていた。

 ただ、私の体温と、脈が、普通でないことを訴えかけてくる。

 

 皆は……?


 ふと、上空を戦闘機が通り過ぎた。

 一機。続いて二機と。

 その戦闘機の先を見て、私は目を疑った。

 そこには超大型生物がいて、街を破壊しながら、次々と来る戦闘機を大きな尻尾や腕で振り払おうとしてる。

 

 どういうこと?


 私は何もわからず、状況が理解できず身動きも息もできなくなった。

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