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ものさし  作者: 久吉 勝
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〜日常〜

もう3年生にもなるとみんな進路について真剣に考えている。例えば、先生を目指す人は厳しい授業を乗り切り教員免許の勉強や模擬授業などを多くこなすのを友人から聞いていた。


自分も趣味がバスケだからと言って、スポーツ系の企業でインターンを行ったりしたが結局自分のゴールは見つかっていなかった。

美咲は、アナウンサーを目指しているそうだ。アナウンサーの学校の様なものにも通い、バイトに授業と多忙な人間だ。


つまり、夢を追う希望に満ち溢れる人に対して自分は全くの真逆の人間なのだ。


他愛もない話をするのは得意なので、学校には特技を駆使して程なく着いた。


大学にあるコンビニでおにぎりとガムを買って、美咲と一緒に授業のある教室に向かった。


講義型の授業ともあり、お昼休みにはもう後ろの席はパンパンであった。


どうしても将来の話をしたくない自分は美咲に気を遣わせない様に必死に考えながらペースを保ちつつ話した。


授業開始5分前にもなると教室は人でごった返す。そしてこの授業は美咲以外にも他の同じゼミ生も受けており、そいつらも集まり出した。


「おはよー、美咲と亮二は相変わらず早えんだな。」

グロッキーな顔つきで入ってきたのは、透だった。


「また昨日いっぱい飲んだんでしょ〜、顔やばいよ?」

笑いながら美咲は言った。


透は俺の席の隣に座り、すぐに机に突っ伏した。


「今日来ただけでも褒めて欲しいわ、昨日も練習終わりに後輩と3時まで飲んじゃって記憶飛ばして起きたら後輩の家で上裸だったわ。」


透はダンスサークルに所属しており、ダンスは日本でも屈指らしく大学生のダンサーからすると知らない人はいないくらいらしい。しかも、みんなを常に明るくする性格でタメだけでなく、先輩や後輩からも好かれていた。


「それはもう安定じゃん、むしろ服脱いでなかったら心配になるわ。」

俺は鼻で笑いながら言った。


「勘弁しろよ〜、お前もサークルに顔出してくれよ、そしたら飲み会も帰りにお前の家に行けるじゃんか」

「ふざけんなよ、可愛い女の子なら良いけどお前のお守りは時給発生するわ。」


かく言う自分も同じダンスサークルに所属していた。



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