表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バッドクラッカー  作者: 築目 意図
1/9

1話

僕は、学校の帰り道、

冷たい風を頬に感じながら家路に着いていた。

「貴方が薄荷はっかですね?」

家が見えてきた頃、僕の後方からその声は聞こえる。

唐突に話しかけられたことに驚き、振り替えると、冷酷で感情が少しも籠っていないような顔をした、しかしとても美しい女性がたっている。

その女性が発した名前なのかすら不明な言葉に、僕は聞き覚えがない。

「薄荷。私たちと一緒にきてください。」

「はっか?誰ですかそれ。僕は、」

「いいから来いと言っている。」

僕は迂闊にもしらない人に名乗ろうとしてしまったことに

気づいたが、自己紹介は新たな声でかき消される。

その声は、女性の更に後ろから聞こえる。男の声だ。

女性の声は感情が籠ってない声だったが、男の声はわざと低くして威圧しているような印象をうける。

カツンカツンと革靴のかかとをならし、暗闇から姿を表したのは、スーツがとても似合う、眼鏡をかけた若い男。

なんとなくだが、嫌な予感がする。

足早に逃げるとこを決意し、話を切り上げる。

「とにかく、はっか?でしたっけ。僕はそんな人知りません。見つかるといいですね。じゃあこれで。」

それが迂闊だった。

早く家に帰ろうと後ろを振り替えると、何かを首に刺され、

次に気がついた時には、四肢を拘束されて、ベッドに寝かされている。

いくらなんでも急展開過ぎるだろ、最近の漫画でももう少し段階を踏むぞ。

それに加え、目を開けることすら困難なほど強い光をあてられている。

目が覚めてからかれこれ三時間は経過しているだろうか。

誰の気配もしないし、眼は痛いし、いい加減退屈になってきた頃、

遠くから足音が近づいてくる。

ヒールを踏み鳴らす音が、僕の足元で歩みを止め、話しかけてくる。

フワッとした女性の声で、

「貴方が()()なの?ふぅん。

意外と地味な男なのね。

それに子供じゃない。

もっと強そうな人だと思ってた。」

「勝手に連れてきて何言ってるんですか。早く家に帰してくださいよ。」

あとできれば光を弱めてほしい。

「そんなこと言って…

こっちはわかってるのよ。貴方が薄荷じゃないって言うなら、これはどうなるのよ!」

そういってその女性は、僕の指を、切り落とした。

「があああああああああああああ!!!」

痛い、いたい、イタイ!!

まともに頭が回らないほどの激痛に、苦痛に耐えかねている中、

「うそ…なんで…」と女は困惑しているようだった。

困惑したいのは僕の方だが、何か言おうにもまとまる前に激痛によって書き消されてしまう。

痛みにのたうち回っている中で、女は仲間を呼びに走っていく。

痛みのせいで何時間にも感じた数分あと、女は仲間を呼びつれて、部屋に入ってきたが何かを言い争ったまま、

責め合い、怒鳴り合っている。

「早く…早くどうにかしてください」

僕は痛みに耐えながら、なんとか話しかける。

その声でグループの一人がこちらにかけより、こう言った。

「貴方には今から、不死身になってもらいます」

意味がわからなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ