第二部 44
三年D組卒業文集作成会議、参加者三名、ただいま討議中。
まんまるな雪がぽたぽた落ちてくる窓辺の景色をよそに、ひたすら貴史は古いノートをめくっていた。
三人が机を合わせたその真ん中に、お約束の分厚いクッキーがセットされている。
もうすでに、半分以上消化されている。ほとんど食べたのは貴史だ。しょうがない、食欲だ。
青潟大学附属中学の三学期は公立中学と比較して、かなりゆるいらしい。
「なんかさあ、付き合い悪くなっちゃうよねえ」
こずえが奈良岡彰子とふたりで、山のようなノートをめくりつつだべっている。
「私としたらさ、できるだけ小学時代の友達とも仲良くしたいわけよ。だから電話もするし誕生日にはプレゼントするし、いろいろ誘いをかけたりするんだけどね」
「うん、わかるわかる」
「みーんななしのつぶてなのよねえ。今、忙しいからの一言でがちゃん。小学校卒業してたった三年しか経ってないのにねえ。別に外でしゃべろうとまでは言わないけど、せめて家へ遊びに行くくらい許してくれたっていいじゃんねえ」
「こずえちゃんもたいへんなんだねえ」
相槌を打つ奈良岡は、しばらくこずえの愚痴に付き合っていた。丸っこい指をノートの端で留めて、じっくりこずえの顔を見つめて頷く。
「彰子ちゃんはどうなん? 小学校の友達いっぱいいて、今でも付き合い続いてるって言ってたけどさ」
「うん、今はみんな忙しいから連絡、こちらからはしないよ」
同感しつつ、続ける。
「うちのお父さん、学校の先生しているでしょう。だから、毎日遊びに来るの。相談したいことがあるようなんだけど、いつのまにか私も仲間に入って話をしてて、いつのまにか一件落着して帰っていくの」
ーーなんだ、全然共感してねえじゃねえか。
実は意味のかみ合わない会話だということを、古川こずえは気づいているのだろうか。
あと二ヶ月、まだ二ヶ月。
卒業までの時間はまだまだ長い。
「羽飛くん、美里ちゃんはこれから来るのかな」
いきなり貴史に話を振られた。奈良岡が自分の頬をつねりながら尋ねてきた。
「来ねえんじゃねえの? これから評議委員会のなんたらかんたらあるとか言ってたし」
「ああ、そうだよねえ。あっちはあっちで今、すっごく大変らしいしねえ」
ーー付き合い悪くなっちまったのはあいつらの方だろ。
貴史はぼんやりつぶやきそうになり、慌てて留めた。
「天羽が委員長就任してから、もうしっちゃかめっちゃかみたいだよねえ。羽飛、聞いてる?」
「評議委員会のことなんか俺に聞かれたってわかるわきゃねえだろが。古川の方こそ、美里から何にも聞いてねえのか?」
興味深そうに貴史とこずえを交互に見やる奈良岡。愛想よし。ノートを開いたまま、首を傾げている。
こずえは首を振り受け持ちのノートを閉じた。
「美里は美里であいつの子守しなくちゃなんないからねえ」
ーー子守、と来たかよ。
かなり失礼な言い草とは思うが事実だから仕方ない。
「立村くんの?」
さすがに遠慮がちな声で奈良岡が尋ねた。
「そうなのよー、もう聞いてよ彰子ちゃん! 評議委員会で委員長交代のごたごたがあったじゃん! 天羽が委員長で、副委員長が二年の新井林でしょ、本当だったらそれだけでいいんだけど、あまりにも元評議委員長の立村がいじましいんでしかたなく書記に置いたんだって! 顧問の先生たちもなんだそれはってあきれたらしいけど、天羽が長年の付き合いっていうか、立村の扱い方をよく知っていたこともあって押し通したんだって。ふつうないよね? ふつうだったら書記は二年から選ぶでしょうよ。慣らしておいて、次期につなげるとか考えるでしょうよ。もう、面倒ったらないよね」
「そうしないと、いけなかったのかな」
考え込むように奈良岡がつぶやいた。
「保健委員会でも、そう、二年のみんなに受け持ってもらったほうがいいと考えていたし。みんなそうだと思っていたよ」
「そうに決まってるじゃない! とにかく評議のみなさまは、元委員長の顔色伺いに徹して疲れ果てているとみたね。まあ立村はなーんも言わないしとりたてて文句をぶーたれるわけではないけど、なんてか、美里に言わせると存在そのものが圧力なわけよねえ。大変みたいよ」
「天羽がそんなことでせせこましいことする奴じゃあねえだろ」
適当に言い返した。こずえだから遮っただけで、内容が間違っているわけではないから否定できない。
「だからさ、難波あたりが立村を押さえつける形で進めようとしているらしいんだけど、そこらへんでまたやばい風が吹いているらしいってこと。立村もさあもう十五才なんだからもう、一人前の男子としてやることはできるんだから、もっちっと大人になりなよって思うよねえ。羽飛、どう思う?」
ーーなんだその、「一人前の男子としてやることはできる」ってのは。
下ネタに反応してほしいんだろうが、貴史も三年目にしてこずえの会話対応術を心得ている。単純に無視すればよい。隣の奈良岡にはまず、根本的に伝わっていないから考えなくてよい。
「ま、あと二ヶ月だし、いいんじゃねえの?」
「もう二ヶ月しかないんだね」
奈良岡はノートのページをめくり、目を落とした。
「班ノートを書いていた頃って、卒業が永遠に来ないものだって思っていたんだけどな」
「どこ読んでるの?」
「一年の十月頃。みんな仲良く、友達でいられるものだと信じていたんだけど、あと二ヶ月なんだよね。ここにいられるの」
貴史は頷いた。奈良岡に対してだけだ。
「そうだな。ねーさん、あと二ヶ月だもんな」
奈良岡彰子がすでに外部高校の受験をすませ、明日の合格発表待ちということを貴史は聞いていた。
この笑顔を見る限り手応えありと判断していいのだろうか。
クラスの連中が曲がりなりにも持ち上がりで附属高校に進学を決めている中で、数少ない他高校進学者。
もっとも奈良岡だけではなく水口も同じ高校に進学予定というのが妙に受ける。
「けど、美里も言ってたけど、天羽と生徒会との間でいろいろ面倒なことが起こっているみたいだよ」
初めて聞く話だ。
「なんだそれ。天羽と藤沖がか?」
「違う違う、佐賀生徒会長とよ」
生徒会長といえば、佐賀はるみ。まだ貴史の脳内では佐賀はるみイコール凛としたお姫さまイメージしか思い浮かばない。
天羽と真面目にやりとりしているという姿が思い浮かばない。
それ以前に、佐賀はるみと接したことがまったくといってない貴史には判断できない。
「ほら、これも結局は立村がらみの問題よ。立村が杉本さんをかばってやらかした一連の問題、あれをどうしてもご破算にできないんだって」
「ご破算? なんだそりゃ。そろばんかよ」
「違うって。つまり、立村が評議委員長時代にへまやらかしたために、天羽の代に移ってからも生徒会に頭が上がらなくなってしまったってこと」
ーーへま、か?
首をひねりたいところだ。直接立村が貴史に話をしたところによれば、奴も今後の評議委員会の行く道を思い選んだはずだが。
「せっかく本条先輩からもらった絶対権力をなぜ手放す必要あるのよねえ。自分に自信がないならそりゃそれで個性だけどさ、周りの連中が迷惑するってこともっと考えられないのかねえ。結局天羽は、今になって生徒会側と交渉中。前期委員長が譲った部分をもうちっと返してほしいとお願いしているんだって」
「それで、生徒会側はどう言ってるんだ?」
「譲りたがったのは評議委員会側なのになんでまた元に戻せなんてわけわからないこと言うんですか?って即、お断り。当たり前だよね。冗談じゃあないよね」
「そりゃそうだ」
予想通りの展開と言えばそれまでだが、尻拭いする天羽の立場には密かに同情した。
ーーたなぼたの評議委員長殿、がんばれよ。
貴史は一枚クッキーを頬張った。腹持ちがいいのにまだ食いたくなる魔性の味だ。
こういう話を本当は立村本人から聞きたかったというのが正直なところだった。
ーーいくらでも聞いてやるからしゃべれよなあ。
せめて美里からでも。
一切当事者からはコメントがもらえず、ワンクッション置いてこずえから情報をもらうというのがどうも貴史には解せない。
「ねーさんはどうなんだよ、保健委員三年続けてきてやり残したことなんてねえの?」
ついつい奈良岡一人に話題を振りたくなってしまうのは、無意識からか。貴史が頭を片手で支えて頬杖をつくと、斜め前のこずえも鏡のようなポーズを取った。
「うーんと、委員会では、ないよ」
「じゃあ青大附中卒業を前に、何か、ああこれやっときゃあなあとかそういうのはねえの?」
考え込み、またノートに目を落としていた。指で何度か○を書いた。
「あれ、彰子ちゃん、何か後悔したことあるの? 気になるなあ、何、それ」
「後悔はしてないんだけどね。ただ、そうだね、あるかも」
少し口ごもりつつ、それでもやわらかく、
「卒業式までに、しておきたいことは確かにあるな。羽飛くんは?」
見事に隣のこずえを無視して返球してきている。お見事、お見事。貴史も答えざるを得ない。
「ま、めんどくせえことは卒業前に片付けておきてえよな。たとえばこの班ノートとかだ」
ざっと十冊ほど。山積みになるかと思ったがそうでもなかった。菱本先生の許可を得て借りてきた一年時の班ノートだが、書き込み分量が多いわりには冊数が少なかった。先生もその後いろいろ思うところあったのか、二年以降生徒たちに書き込みを強制しなくなった。たぶん、奈良岡が物好きなことを思いつかねばお蔵入り状態だったろう。それがよかったのか悪かったのか、貴史にはわからない。
「ねーさんが言ってた通り、白黒はっきりつけるってことで文集に班ノートのネタを載せるのも、ま、ひとつの方法だろな」
「そうだよね。ずっと隠し事してきてもいつかははっきりばれてしまうんだから、卒業前にすっきりさせたいよね」
「そりゃそうだけど、でも人によっちゃあ、んなことしたくねえぜってこともあるぞ」
ーーあ、そうだ、本日の俺的お題はこれじゃねえか。
すっかり忘れていた。あえて今、文集係として奈良岡を呼び出したのには訳がある。
不思議そうに、ほっこり笑顔で見つめ返してくるまんまるお姫さまに貴史は姿勢を正した。
「文集に載せると言う前提で一通り読み返したんだけどな。載せていいとことまずいとこがあると正直思ったんだ」
「どこ?」
「単刀直入に言っちまうと、特に十月から十一月のとこ。ああ、ねーさんの手元のノート。それだ」
奈良岡が返事をする前に、ひったくったのは隣のこずえだった。
「あ、これねえ。美里が書いた猫のイラストつき。エグザンブルとか書いてるよ」
「古川は黙ってろ。ま、それなんだよな、ねーさん」
奈良岡には話してもらいたかったが、黙ってほしい奴がしゃべり出した。
「え、ああ、そういうことかあ。羽飛、立村と加奈子ちゃんとのドンパチについて言ってる?」
「だから、お前がしゃべんなって言ってるだろが!」
察しのよすぎる女子はだから面倒だ。しかたなくクッキーを求めて手を伸ばすがすでに空だった。
「つまり、羽飛としては立村の立場があまりにも悲惨なこの状況において、傷に塩をもみ込むようなことはやめた方がいいんでないのってこと、言いたいわけ?」
あっさり一文にまとめられてしまうと言葉も空気を噛むようでうまく出てこない。
「ま、結論としたらそういうことなんだ。ねーさん、この前話していた通り、確かに俺も、卒業前に本音をぶちまけてすっきりしたほうがいいんでないかってのは賛成なんだよなあ。正直、ストレスたまくってるしなあ。だから俺の文章を暴露してもらうのはおおいに結構。なんだけどな」
ここで言葉を切った。ちらと立村の机に目をやった。
「ただ、どうしても班ノートを書いていた一年の秋から冬ってのは、一部の人間にとっては地獄だったのも事実かなと」
「ああそうだよね。立村と加奈子ちゃんにとってはね」
奈良岡は黙っていた。頷かず神妙に聞き入っていた。
「どっちにしてもまずは、文集にのっける許可をもらわねえとまずいだろ」
「そうだけど」
困った風に奈良岡が答える。貴史は畳み掛けた。
「けど、中には思い出したくねえ奴もいる。古川が言う通り、杉浦と立村あたりは、あと」
「美里も、思い出したくないだろうねえ」
今度は貴史が口ごもった。そうなのだ。言わないでよいと判断したから飛ばした。なのにこずえが余計なことをしやがった。
「羽飛、つまりこういうこと? 立村が今のところ存在感ゼロ状態でふらふらしているところにいきなり過去の話を引っ張り出されてパニックになったら、ろくなことにならないよって言いたいわけ?」
ーーだから、お前にんなこと言われてくねーんだよ!
そうなのだ。
こずえの言う通り、奈良岡に伝えたいことはその一文ですべて完了するのだ。
単純明快、これが一番、それもわかる。
理解できても、止まってしまうのはなぜなのか。
「羽飛くん、すごいな」
蛍光灯がしっかりと教室を照らしている。隅から隅まで、掃除し忘れた綿ぼこりまで浮き上がらせる。
全く予想外の言葉にがっちり見返すと、奈良岡はやんわりとした笑みを浮かべて貴史に頷いていた。
「立村くんのことを心配しているんだね」
「んなわけじゃあねえけどな、余計なごたごたに巻き込まれてくねえし」
「そんなことないよ。羽飛くんは友達想いなんだよね」
奈良岡のいきなり褒め褒め攻撃には慣れているつもりだったが、やはり不意を突かれるとぎょっとする。
「私も、できればみんな仲良く卒業したいと思ってるんだ。こずえちゃんも、羽飛くんもみんなそう思っているでしょう?」
「人間関係が崩壊したままってのはそりゃ避けたいよね」
こずえも素直に答えている。奈良岡は次に首を振った。
「でもね、このままだと今度は美里ちゃんが大変なことになると思うんだ」
「美里が?」
貴史とこずえの声が露骨に重なった。ずらしたい。言葉を畳み掛けた。
「なんでだよ。美里は別に」
「二年の半ばくらいから今までずっと、美里ちゃん、なんとなく孤立しちゃっているように見えるんだ」
「美里のどこがだよ」
しらばっくれつつ貴史は問い続けた。こずえが黙って首をひねっている。
「美里ちゃんは真面目で一生懸命だし、男子たちとは仲良くしていられるからいいけど、どうも誤解されてしまっているみたいなんだよね」
「うーん、いきなり美里のことでちょっと私も頭混乱してるんだけど、どういうこと?」
「うまく言えないんだけど」
奈良岡は貴史に向かい、微笑みをひっこめて呼びかけた。
「羽飛くんは立村くんよりも美里ちゃんがこれからどうなってしまうかを考えた方がいいと思うんだ。このまま何もしないでいると、美里ちゃんだけが全部背負い込むことになっちゃいそうなんだよね。それがすごく気になる」
「あのさねーさん、それと班ノートの件とどうつながるんだ?」
「わかりづらくってごめんね。説明下手なんだ。私、美里ちゃんがどうしても、自分らしくいられなくなっちゃってるんじゃないかなって、そればかり気になっちゃうんだよね」
ーー自分らしく? あいついつも通りぎゃあぎゃあやってるじゃあねえか。
「特に、修学旅行終わってから、美里ちゃんすべてのことを飲み込んでがまんしているように見えるな。立村くんとのお付き合いのことだけじゃなくって、いろいろなこと。評議委員会のこととか、クラスのこととか。一生懸命伝えようとしてくれてるんだけど、空回りしているような感じ」
「空回りってのは、鋭いね」
こずえが褒めた。
「美里はそういうとこあるよね。ひとりでいつも突っ走って結局怒られてるんだよなあ」
「そう、いつも損ばっかりしているように、私には見える。こずえちゃんもそう思ってた?」
ーー損したいんだからしゃあねえだろ、あいつの選択だ。
「でも、みんなが誤解していたことを少しでも解くことができれば、きっと仲良く卒業式を迎えることができるって私は信じてる。そのきっかけを作りたいんだけど、そうなるとどうしても立村くんとのことに触れなくちゃいけないなって」
「たとえば?」
「美里ちゃんと加奈子ちゃんが仲悪くなってしまった理由と、できたら仲直り。できたらいいな」
さすがにこればかりはこずえと目を合わさざるを得なかった。
「ん、ん? つまり彰子ちゃんは美里と加奈子ちゃんを前みたいに仲良くさせたいってこと? それは無理だよいくらなんでも」
「俺もそう思う」
どこが班ノートの件とつながるのかわけがわからなかったが、まずは共通の意見を奈良岡に伝えるしかない。
「そうかなあ? 少なくとも加奈子ちゃんは美里ちゃんと元の友達に戻りたがっているよ。きっと美里ちゃんは立村くんをかばっていざこざが起きちゃったんだろうけど、もう本当のことがはっきりしてしまったら無理に意地を張る必要もないと思うんだ。今、女子のみんなが美里ちゃんから距離を取っている理由は加奈子ちゃんとの大喧嘩がきっかけだと思う。加奈子ちゃんといい関係に戻ることができれば、きっと、大丈夫」
またふくよかな笑みを浮かべる奈良岡彰子に、貴史は返す言葉を失った。
ーー事実関係、知らねえんだよな。クラスの連中はみな立村が杉浦に横恋慕して振られて逆恨みしただけだと思ってるだろうし、美里が見るに見かねて付き合いかけたって思い込んでいるだろうしな。そう思わせることでうまくやってきたってのもまあ事実だしな。けど、んなこと今更ばれたらどうすんだ?
「ねーさん、そのこと、まさかと思うが菱本先生には言ってないよなあ」
もし伝わっていたらアウトだ。祈るのみ。奈良岡彰子は首を振った。
「これから羽飛くんと一緒に話にいこうと思っていたとこ!」
ーーやばかった。首はつながった。
まずは奈良岡がどこまで事実関係を知っているかを確認してから、話を進めた方がよさそうだ。
幸か不幸かそばには美里の数少ない友人のこずえもいる。
美里に直接話をする時間を稼ぐことにした。
貴史はひとつ、提案した。
「ねーさん、俺もよくわからねえんだけどさ、女子は美里のことをどんな奴だと思ってるんだろな。あいつの性格からして絶対にやりたくないことはしねえよ。もしあいつが杉浦と仲直りなんぞしたくねえって言うんだったら俺は放っておくけど」
「美里ちゃんは絶対に自分からは言わないと思うよ。だから、そのきっかけを文集で作りたいの」
堂々巡り。まだ続きそうだ。どうしよう。