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ゆめみる少年と前を向く少女  作者: 遅めの果物
クラスメイトと夏休み!
33/36

大輝くんのライバル出現!?

「へぇー、意外と部屋綺麗なんだねー」


 それが俺の部屋に入った時の、立花の第一声だった。


「意外とってな……」


 そこまで気にしているわけでもないが、一応拾っておく。ボケだとしたら、拾われないのが一番悲しいからね。


「えー、だってー、男の子の一人暮らしって部屋汚いイメージあるんだもーん。それでヒロインの私が一緒に綺麗にしてあげて仲良くなるやつ!あわよくば躓いてラッキースケべも!?みたいなやつしたかったんだもん」

「いや、絶望的に部屋汚いやつなんてそうそういねぇし…… ってか、立花はヒロインじゃなくて良吾の彼女だろ!?」


 俺にテンプレを求めてはならない。そもそもなんで人様の彼女がテンプレラッキースケべを求めてるんですかね……


「まぁいいやー。何かできることない?」

「図々しいかよ……ゲームならあるけど、する?」

「おおー、いいじゃん、ゲーム!」

「四人でやるのは初めてだねー」

「よっし、絶対勝つぞ!」


 三人とも異論はないようだ。……ってか、お二人さんいたんですね。いや、いたのは知ったたけど、あまりにも喋らなさすぎてただの尸と化しているのかと思ってたわ。


「じゃあ…マ◯カかス◯ブラどっちがいい?」

「私はどっちでもいいよー」

「俺も」

「僕もー」

「……じゃあ、最初マ◯カして後でス◯ブラするか」

「おっけー」


 という訳で、ゲームをすることになった。任◯堂様ありがたやありがたや。やっぱりみんなでワイワイするゲームは任◯堂に限るよね!




「かー、やっぱ勝てねー」


 と、俺の部屋に何度聞いたかわからないセリフが響く。良吾のものだ。


「まぁ、仕方ないよー」


 そこになだめるのは圭介だ。いつもの流れなのだが、今日は少し違う。


「ふふん。三人ともまだまだだねー?特に良吾はずっと4位で……ププッ……キラー取ったのに誰も抜かせないとか……ププッ」


 そう言って人を小馬鹿にするように笑っているのは立花だ。

 いつもなら俺が一位で、2人で2位を争っていたのだが、立花の想像以上の実力で、今回は俺が僅差で2位、そして最下位争いをしていたのは良吾と圭介だった。


「笑うな!俺だって一生懸命やったんだよ!ってか、なんでそんな速いんだ!?」


 彼女に醜態を晒したからか、顔を真っ赤にして恥ずかしがりながら良吾が叫ぶ。

 どうやったら速くなるのかを聞きたいらしいが、それに対する答えは簡単だ。


「だって、良吾はドリフトとか一回も使ってないじゃん?」

「アイテムをゲットしたらすぐ投げるから赤甲羅とかにすぐ当たるしな」


 ただただ技術が足りていないだけなのだ。圭介は技自体は知っているが、それを使いこなせていないだけで、良吾ほどではない。


「そ……そうだったのか……」


 と、ごく普通のテクニックを教えただけでものすごく驚いていた。いや、そんな驚くことじゃねえから。


「そんな驚くことじゃないでしょ……」


 立花も同じように思っていたらしく、呆れたような声を上げていた。


「そろそろス◯ブラしようよー」


 良吾が縮こまっている中、圭介がそんな言葉をかけてくる。ふと良吾の方を見ると、うるうるとした瞳で「ありがとう……」とでも言い出しそうな顔をしていた。

 いや、別にいじめてた訳じゃないんだよ?ただただ彼女に呆れられてメンタルがへし折られそうになっていただけだろうから。


「ス◯ブラやろっか!」


 立花もやる気らしいのでマ◯カのカセットを抜いてス◯ブラのカセットを入れる。


「なんのキャラ使おうかなー♪」

「俺は絶対ガ◯ンドロフって決めてるから」

「僕はソ◯ックかなー」


 三人ともウキウキとしている。圭介も良吾もあんまりゲームとかしないんだろうか?


「よし!絶対勝つ!」


 と、また何度聞いたかもわからないような良吾のセリフを聞きながら、ゲーム画面を開いた。




「うわー、負けちゃったー!」


 立花が悔しそうな声をあげた。ス◯ブラを10戦程度やったが、こちらは俺の勝率の方が高かった。我の尊厳は保たれたり!……ギリギリ。

 ちなみに、今回は良吾の悔しそうな声は聞こえてこない。スマブラでは、良吾は圭介に勝てるからだ。それどころか、少し嬉しそうにしている。3位なのに。

 まあ、無駄なことを言って良吾を虐めたみたいになっても嫌なので、そっとしておく。


「大輝はなんでそんなに強いの?」


 からかうでもなく、ふざけるでもなく、純粋な声が立花からとんでくる。


「そのキャラは場面を使い分けて反転できたら強いよ」


 一応、普通にアドバイスをしておく。正直、今でもギリギリだったのだから、それをされたら勝てる気はしない。が、真面目に聞かれたら真面目に答えたくなってしまうのが癖なのだ。


「ほぇー。そうなんだ。ありがとね!」

「ど、どういたしまして……」


 グイグイ来られたりからかわれたりすることが多かったので、感謝の言葉になんと返せば良いのか少し困る。とりあえず無難な言葉を返しておいた。


「じゃ、そらそろいい時間だし、帰ろっかな♪」

「おお、エントランスまで送るわ」


 そういって俺が立つと、それに釣られるように3人とも立ち上がる。どうやらみんな帰るようだ。

 俺は立ち上がり、荷物を整えるのを待ってから、玄関の方向へ歩を進めた。




「いやー、今日は楽しかったよ!ありがとう、また来るね!」

「次来るときは先に連絡くれよな」


 エントランスで、そんな会話を交わしていた。


「それじゃ、ばいばい!私からグイグイ行って、そんなに反応してくれたのは大輝が初めてだよ。本当に楽しかった。またね!」

「お、おう……」

「またな、大輝」

「ばいばい、大輝くん」


 そんな言葉を残して、3人は帰っていった。




 ……その後「俺、馴れ馴れしかったかな……」と、悩んだのはまた別のお話。

やっと投稿できました。やったぜ。ゆめみるを書くのが久々だからリハビリ含めて頑張っていきます。

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