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ゆめみる少年と前を向く少女  作者: 遅めの果物
クラスメイトと夏休み!
31/36

前沢家+栞さん!?(2)

「あら、大輝。ごめんなさいね。これからは程々にしておくわ」

「ま、まぁ、それならいいけど……」


 これほど母さんがしおらしく謝る。……珍しい。程々にしておく、という所は母さんらしいが。そもそも怒っているわけではないので、とりあえずこのことは水に流す。


「にぃー?騒いでどうしたの……って、栞さんじゃん!来てたんだ!」


 と、ちょうど美咲が降りてくる。どうやら俺の声が二階にも聞こえたようだ。


「こんばんは、美咲ちゃん。今日は、ここでお世話になります」

「やったー!栞さんなら私は大歓迎だよっ!それに……」


 美咲が俺の方をチラリと見る。


「にぃも嬉しそうだし。ほら、ニマニマしてる」

「っ、してねーよ!」


 何を言いだすかと思えば、本当に人をからかうことしかしないな。コイツは。


「でも嬉しいでしょ?」

「ま、まぁ……そ、そうだな……」

「ほら、ニマニマしてる」

「だからしてねーって!」

「はーい、そろそろ三人とも座ってー。ご飯運ぶよー」


 俺が美咲にからかわれていると、母さんからそんな声がかかる。


「あ、私も手伝います」

「美咲も手伝うよー!」


 ……ようやくうるさいのがどこかへ行った。と、落ち着いて腰を下ろす。すると、父さんが俺に話しかけてきた。


「大輝、高校はどうだ?」

「楽しいよ、友達もできたし。この前もボウリングに行ってきたんだ」

「おお、それは良かった。実を言うとな、お父さん心配だったんだ。高校で上手くやれるのかなって」

「大丈夫、大丈夫。いじめられてもいないし、優しい友達に恵まれたからな」

「大輝が大丈夫そうで、お父さんは安心したよ。……それで…」


 突然父さんが声のトーンを落として話す。


「彼女はできたのか?ほら、お母さんには言わないからさ」

「できてねーよっ!」

「できてないのか……」


 逆になぜできていると思ったのだろうか。高校に入ってまだ3ヶ月ほどしか経っていない。しかもそれまでは友達すらいなかった俺に彼女が作れるはずもない。


「でも、今の間に好きな子にはアタックしとくべきだぞ?高校で付き合った子と結婚するのは少なくないからな。父さんもそうだぞ」

「へぇ、初耳だな。父さんが母さんにアタックか……あんまり想像できないな」

「うん、そうだろうな。だってアタックしてきたのはお母さんだからな」

「母さんからかよっ!」

「俺も最初は大輝みたいな性格だったんだがな。毎日のように好き好き言われたらそりゃあ変わった」

「そりゃそうだろうな。母さん、昔の写真見たら顔は良かったし」

「まあ、高校1年の頃に告白されて、結果付き合ったのは3年の始まりぐらいなんだがな」

「おっせえな。父さんヘタレかよっ!」

「ま、まぁ、あの時はそうだったのかもな…。でも大輝は俺の血を濃く注いでるから、大輝もかなりのヘタレだろ?」

「う…」


 否定はできない。恋愛方面でのヘタレは発揮したことないが、人間関係で俺はいつもヘタレている。


「まぁ、もし好きな人ができたら、後悔のないようにな」

「分かってるよ……」


 頭でわかっていても、いざとなると一歩が踏み出せないのが俺だ。もし好きな人ができたら、と、今考えるだけでも恐ろしい。


「はーい、出来たわよ。大輝と栞ちゃんが帰ってきたから奮発しちゃった♩」


 俺の目の前の卓上には、かなり豪華な料理が並んでいた。


「じゃあ、みんな手を合わせて」


 みんな、各々に手を合わせる。


「「「「「いただきます」」」」」


 とりあえずは、食事に集中しよう。と、目の前の誘惑に抗うことが出来ず、思考を放棄してしまった。




「「「「「ご馳走様でした」」」」」


 卓上に並んでいた沢山の料理は、全てなくなっていた。


「凄いわね、完食したわよ」

「美味かったからな」


 母さんの独り言らしき言葉に、一応答えておく。


「あ、そういえば栞さん、映画見に行ったの?」

「行きましたよ。オススメしてくれてありがとうございました。とても面白かったです」

「まぁ、私もにぃから紹介された映画なんだけどねー」


 と、美咲と栞が話す声が聞こえてくる。映画って、なんのことだ?


「にぃー、絶対見に行くって言ってたアオハルブタ野郎の映画見に行ったの?」

「ああ、見に行ったぞ。面白かった」


 返答しながら、ああ、あれのことか、と一人で納得していると、あることに気づいた。


(……あれ?じゃあ、神崎にアオハルブタ野郎を勧めたのは美咲ってことか?)


 もしそうだとしたら、なぜ「まだ友達」と言ったのだろうか。そこだけが疑問に残る。


(ま、言い間違えただけかな)


 と、俺は一番無難な考えを導き出し、もう一度腰を下ろしてゆっくりとするのだった。

えー、まさかの日付けが変わってしまうというハプニングがあり、毎日投稿が出来ませんでした。すいません。


今回の話は、映像を頭に浮かべながら読んでみてください。人数が多くて、誰と誰が話してるのかを書くのがむずかしく、文章として適切ではない表現などが含まれていますので、どうかよろしくお願いします。

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