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ゆめみる少年と前を向く少女  作者: 遅めの果物
クラスメイトと夏休み!
28/36

美咲ちゃんとデート!?

「にぃー!着替え終わったよー!」


 その声が聞こえると同時に、部屋のドアが勢いよく開く。その先にいたのは今時の流行りの服に身を包んだ美咲が立っていた。


(こうやってれば可愛いのにな……学校でもモテてるらしいし)


「にぃー?どうしたのー?」

「いや、なんでもない。早く行くぞ」

「もしかして美咲に見とれちゃった!?もー、にぃってば、兄弟なんだからね?」

「ちげーよ、行きたくないのか?」

「行く行く!早く行こー!」

「っていう訳で、母さん。行ってきます」

「行ってらっしゃい。デートは男の子がリードしてあげるのよ?」


 実妹とのデートでどうリードするというのか。何を言い返そうかと悩んでいると、美咲が声をあげた。


「だいじょーぶだよ!にぃは美咲がリードしてあげるから!」


 ……こいつもこいつでどうリードするというのか。


「で、どこに行くんだ?」

「えーっと、服とか水着とかのお買い物に行きたいんだけどー……その前に用事済ませたいから、先にそっちに行こう!」

「用事ってなんなんだ?」

「んー、それはねー…秘密って事で!」

「なんでだよ」

「行けば分かるから、とりあえず行こっ!」

「わかったわかった。それじゃ、案内よろしくな」

「任せてよ!大船に乗ったつもりでさ!」

「タイタニックに乗ったつもりでいるわ」

「沈まないからね!?」

「はいはい、早く行くぞ」


 俺達は、やっと玄関のドアを開けて外に出た。……




「美咲さん、好きです!付き合ってください!」


 ……どうしてこうなったのか。俺は小声で美咲に話しかけた。


「お前、用事ってこれかよ」

「だいじょぶだいじょぶ。すぐ断るから」


 美咲はこう言っているが……俺の目の前にいる男の子は結構イケメンだ。なんとなくだが性格も良さそうな気がする。……そうこう考えている内に、美咲が口を開いた。


「ごめんなさい。見ての通り、わたしには彼氏がいるの」


 …と、美咲は俺の方に目をやりながら言った。


(俺が彼氏役かよ!)


 なんで兄が妹の彼氏役をやらなくてはならないのだろうか。……そもそも、俺みたいな奴と美咲みたいな美少女が付き合ってたらおかしいだろうが!ほら、イケメン君も(こんな奴が!?)って感じで目を見開いて驚いてるし!


「あぁ…そ、そうなんだ……」

「うん、ごめんね。行こっか、大輝くんっ♩」

「あ、あぁ……そうだな」


 こいつ、無駄に演技うめえし。役者にでもなれるんじゃねーのか、ほんと。

 ……そこから歩く事数分。イケメン君に聞かれないよう念には念を入れて離れた所で、美咲を問いただすことにした。


「おい、美咲。あれはどういうことだ」

「?…どうもこうも、告白されただけだよ?」

「……なんで俺に彼氏役をさせたんだ」

「あ、もしかしてにぃ照れちゃった?もー。でも、今なら本当に美咲が彼女さんになってあげちゃうぞー!」

「そういうことじゃなくてだな…」

「まあ、あの場だったらああするのが一番早いと思ったんだー。勝手にしてごめんね?」

「それだったらいいんだが……本当に、断って良かったのか?美咲、まだ彼氏いないんだろ?」

「いないけどー……好きじゃないからね。見た目で好きになられて、すぐに告白されても、こっちは見た目で好きなれてないから」

「け、結構ばっさりと行くんだな」


(同じ男として胸が痛むよ…)


 なんて考えていると、美咲が言葉を継ぎ足す。


「それに……付き合うんだったら、同じ高校に行ける人がいいでしょ?美咲と同じ高校に行く人なんて、絶対いないもん」

「あ、あぁ…そうだな」


(言っていることはわかるが、何故同じ高校に行けないんだ?イケメン君は頭が悪いのか?)


 と、そこまで考えて思い出す。


(…あ、美咲って、めちゃめちゃ頭いいんだった)


 美咲は天才だ。だが、努力もしている。容姿や学力など、努力した天才というものの凄さを感じられる。だが、美咲は努力している姿というものを他人に見せない。…それゆえか、周りの人に天才だと妬まれる事が多々あった。


(ま、それも美咲のいい所なんだけどな)


 兄だからこそ、美咲の努力がわかる。兄だからこそ、美咲の苦悩がわかる。それを表に出さないということは難しいはずだ。


「にぃー!早く行こー!歩くの遅いよー!」

「お前が速いんだよ。…はぁ、しゃーねえか」


 だからこそ俺は、こんな美咲が好きだ。


「ふっふーん、こんな美少女を隣に歩けるなんて光栄でしょ?好きになっちゃうでしょ?」

「……あぁ、そうだな。好きだぞ、美咲」

「…っ!?どどど、どうしたの、にぃ!ま、まさか、本当に美咲のこと、す、好きになっちゃったの!?」

「バカ、そんな意味じゃねーよ」


 突然、美咲がさらに歩くペースを上げる。


「おい、待てよ!」

「…………」

「おい、待てってば!」


 俺は美咲を追いかけながら…


(こいつとまた、一緒に暮らせたらいいな)


 今の生活に不満はない。だが、何故か不思議とそんなことを考えていた。

俺達の冒険(デート)はここからだ。的なエンドになっちゃいましたが、ちゃんとデート編も書きます。あぁ…美咲ちゃんかわゆす……


どうか皆さま、ブックマーク、ポイント評価、感想、レビューなど、してやってください!作者のモチベーションが上がります。あと、活動報告にも書いたのですが、作者がツイッターを始めたので、どうかフォローなどよろしくお願いします。URLはユーザー詳細のプロフィールに貼られてあります。小説に関する報告は、これからは恐らくツイッターでさせていただきます。

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