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5.蹂躙

 


「青い、水、凍れる、固き意志。敵を、穿ち―――鮮血、茨を――咲か、せんっ!」


 茶髪の魔術師は目の前にスタッフを翳し、そのスタッフを通して宙に魔素を流し込む。宙に漏れ出た魔素は光の粒となりその場に留まり、茶髪の魔術師は杖先を走らせその光の粒で紋様を描く。


 彼女が描いているのは『魔法陣』、それはここアルガス大陸北東に位置するユーテル神聖国に端を発する『法陣魔術』であった。


『法陣魔術』において魔術の行使に至るまで、必要とする工程は2つある。

 まず、『魔法陣』の記述。魔素により円陣を整えて中に行使したい現象の要素を複雑な印と線により表す。

 そして『呪文』による解放。完成された魔法陣に宿る現象を呪文により解放、具現化させるのである。


 この魔術の利点は『魔素の消費量が少ない』ことがまず挙げられる。魔法陣を描くのに魔素を宙に垂れ流す必要はあるが、それでも他の行使方法―――ごく一般的に使われている『詠唱魔術』と比較して、同一の現象を行使するのに必要な魔素量は圧倒的に抑えられるのである。


 そして第2に、『描く魔法陣が正確であり、行使に堪え得る者が行使すれば同様の現象結果となる』という画一性だ。他の魔術が魔素量や魔素の変換効率により現象結果にブレが生じるのに対し、法陣魔術にはそれがない。


 ―――逆にその『画一性』は威力向上が見込めないというデメリットにもなり、さらに法陣を描くのに時間がかかるという欠点もあるのだが。


 この遭遇戦において彼女が第一に法陣魔術を選んだのは、相手が自分たちに注意を向けておらず何やら内輪でもめていることと、最初から魔素消費量の多い魔術は使わず、魔素の温存を図ったためだ―――彼女が魔法陣を描くのに口走っているのは、魔法陣暗記のために覚えた印と線の意味である。


「<氷柱>!」


 茶髪の魔術師が力ある言葉を唱え、魔法陣は意味のある印と線に基づき姿を変え、1本の氷の柱が空中に現れる。氷初級魔術である『氷柱』は意思を持ち、子供3人組の中から一人前に出た少年のもとへと空気を震わせつつ空を駆る。


「岩よ―――<岩盾>!」


 対する少年は一瞬で土初級魔術『岩盾』を完成させる。彼の眼前に一枚岩の盾が形成され、突っ込んできた氷の柱を受け止めそれを砕いた。


「なっ、早い……!」


 先ほどの啖呵で少年は魔術師であることを名乗っていたので防御魔術を使ってくることは予想できたが―――『詠唱魔術』により的確に、それも詠唱短縮を図り素早く魔術を行使してきたことに茶髪の魔術師は舌を巻く。


「ヒトの魔術とは、このように弱いものだったか? 俺を失望させないでくれ。もっと、もっと楽しませろ!」

「っ―――天翔ける風よ、其は無人の刃、其は無人の剣……その激しき怒りを轟かせよ―――<風斬刃>!」


 次に茶髪の魔術師が放ったのは空気の刃―――風下級の『風斬刃』である。本来であればそれは空気が凝縮され、白く濁った形をとり風切り音が鳴るのだが今回は追加詠唱により『透明効果』を付与させているため、不可視且つ無音の刃となっている。


 その不可視の刃が3枚、少年のもとへ真っ直ぐ、あるいは回り込んで向かう。それら認識不可の刃を避ける、あるいは防御魔術で撃ち落とすことは難しい。


 さらに今回、ダメ押しで『増大効果』も付与させた。これによりたとえ全身を防御魔法で覆われたりしても、防御魔術ごと魔術師を切り裂く―――到達階級が氷・風下級である彼女にとっての奥の手の一つであり、対人戦において最も効果を発揮する魔術だ。


 ―――最後の最後まで子供相手に『増大効果』まで付与させるか迷ったが、相手はヒトではない何かだ。殺してしまうかもしれないという甘い考えを押し殺し、殺してしまえという覚悟を持って呪文を唱えた。


「数多に、爆ぜよ―――<炎爆>!」


 それに対して少年は詠唱を短縮させた『炎爆』の魔術を、『多段効果』を付与させて行使する。彼を中心として広範囲に小爆発が起こり、爆風と爆炎が舞う。


 茶髪の魔術師がその爆風と爆炎に襲われることはなかった。それもそのはず、その魔術は彼女を対象としておらず、見えない『風斬刃』に放たれたのだ。


 『風斬刃』は爆風により軌道を逸らされ少年から離れた岩場に当たり、その岩を真っ二つに切り裂いた。唯一、1枚だけ軌道を逸らさずに少年に向かってきた『風斬刃』もあったが、爆炎によりその形状と向きがくっきりと浮かび上がった為、少年は難なくそれをかわした。


「うむ、今のはなかなか面白い攻撃だったぞ! もっと、俺を楽しませろ!」

「くっ……」


 奥の手の一撃を放ったにも関わらず、少年はいともたやすくそれを無効化してきた。そこに命の危険を感じている気配はなく、戦いを楽しんでいる――― 一方、茶髪の魔術師はただでさえ魔素消費量の多い『詠唱魔術』を、それも自分の限界である下級、さらに2つの付与効果付きという魔術を行使した為に体内魔素の消耗が激しい……残りの魔素量は半分より少しはあるといったところか。余裕はない。


 そして恐ろしいことに、相手は行使した2つの魔術をともに短縮詠唱で行使している。詠唱を省略するには『どうしてその詠唱を省略していいか』の魔術学的・物理学的な理解を求められる。これはただ知識を取り込めば良いというわけではなく、何十・何百と同一の魔術を行使しその魔術を真に理解した熟練の魔術師でないと出来ない芸当だった。


 彼我の余力と経験の差を悟り、悲観に震えそうになる歯を無理矢理噛み締めた。


「どうした、来ないのなら今度はこちらから行くぞ。そうだな……風魔術は苦手だが、こういう趣向はどうだ? ―――天翔ける風よ、其は無人の刃、其は無人の剣、轟け―――<風斬刃>!」

「なっ! ―――風よ逆巻け、過ぎたる力を妨げ、きゃぁっ!!」


 少年が唱えたのは、彼女が先ほど放ったものと全く同じ付与を与えた『風斬刃』の詠唱―――それを短縮したものだった。咄嗟に彼女は風下級の防御魔術を行使しようと詠唱するが間に合わず、『風斬刃』の第一陣が彼女の肩を切り裂く。


「くぅっ…我が身を護れ―――<防風壁>!」


 少年の唱えた不可視の『風斬刃』、それが一体何枚放ったものなのか彼女には分からない。しかし、肩を切り裂いたこの一枚だけというわけがない―――そう考えた彼女は苦痛に顔を歪めながら詠唱を続け、『防風壁』を発動させる。


 彼女を包むように、風の障壁が生まれる。しかし―――


「ぐっ、きゃっ、きゃあああぁぁあっ!!」


 彼女を襲った『風斬刃』は最初の一枚を除きさらに4枚。最初の1枚で彼女が纏っていた『防風壁』は相殺され、残りの不可視の刃が彼女の足を、腕を、背を切り裂く。


 ソーライがわざと直撃を避けるよう『風斬刃』を放ったために致命傷となる傷はなかったが、全身に傷を負い彼女はその場に崩れ落ちた。


「いやぁっ、お姉ちゃんっ!」


 今まで少し離れて魔術戦の行く末を案じていた茶髪の神術師が不自由な視界の中、荒い呼吸音を頼りに姉のもとに駆け寄る。


「お姉ちゃん―――聖なる者よ、祈りを捧げます、どうか癒しの奇跡を―――治癒…っ!」


 彼女は錫杖を目の前に掲げ、祈りを捧げ癒しの御業を執行する。すると茶髪の魔術師の身体を薄い光が包み込み、切り裂かれた全身の傷が少しずつ回復していく。


「ふむ―――神術か。しかしその光、脆弱だな。それに魔術師の方も歯ごたえの無い……もう終わりにするか、中級魔術を使ってしまったら殺してしまいかねないしな」


 様子を見ていた少年は何事かを呟き、詠唱を始める。


「音よ集まれ―――<収音>! ……()()()()!」

「ぎゃっ―――!」


 少年が唱えた位相初級魔術『収音』によって、彼の唐突の叫び声は一極に、茶髪の神術師の耳に集中した。彼女に聞こえたのは、耳元で炸裂した超巨大な爆音―――その音は姉の治療に集中していた無防備な彼女の鼓膜を突き破り、脳を揺らして物理的に気絶へと追い込んだのである。


「はぁ、はぁ……どうしたの、ねぇ?! 何があったの?!」


 そしてその爆音が聞こえていない茶髪の魔術師は痛む身体に鞭打ち、唐突に悲鳴を上げ倒れた妹を血だらけの腕で抱き上げる。腕の中でぐったりしている妹―――その表情は苦悶を浮かべており、耳のあたりから薄く血が流れ出ていた。


「これで終わりか、やれやれ本当にあっけない。ふむ、それにしても―――」


 少年は一連の攻防をさしたる苦労とも思っていない。ただ倒れる二人の茶髪のメス―――彼女らから流れ出る血の匂いに空腹感とほんのちょっとの(はかりごと)を思いつき、思わず舌なめずりをしてしまうのだった。












「……ダメだ、まったく刃が通らん!」

「くそっ、こんな強いのは反則でしょっ!」


 一方、黒狼と対峙していた戦士と剣士の二人はお手上げ状態であった。


 この黒狼、毛が固く刃を叩きつけてもこちらの手が痺れ逆に刃が欠けそうになる。鼻や目など毛が生えていない部分を狙おうにも異常なまでの俊敏性を見せ、空振りに終わる。そしてその機動性を活かして爪や牙による攻撃を仕掛けられてその対処で精一杯。二人には攻撃手段がなく、防戦一方となっていたのであった。


「くそ、何とか凌いで魔術で……」

「ダメだ、あっちも相手の魔術師と戦っている、こっちは僕たちで何とかするしかないよ」


 二人の背後では、茶髪の魔術師と少年が魔術戦を繰り広げている。黒狼と正対している今、現状を確認できないが先ほど視界に入った時の様子では、決して有利に事を進めているようには見えなかった。


「なんだー、怖いんだったら怖いって、言ってくれればいいのにー!」


 と、突然少女の大声が洞窟内に響き渡る。何事かと視線を向けると少女が二人、戦闘から完全に目を逸らし和気藹々と話し合っているのが見えた。その片割れ、背の高い少女の方が場違いな笑顔を浮かべていた。


 見るからに隙だらけに見える、その様子に戦士は考える。


(―――目の前の狼を倒すには、攻撃を通す手段がない。だが、防戦に徹すれば自分だけでも何とか抑えられる。先に倒せそうな奴らからやるか? どうする?)


 逡巡の後、剣士と瞬時に視線をかわし―――意思決定を為す。


「やれっ!」

「あいよっ!」


 戦士は黒狼の前に仁王立ち、剣士は身を翻し少女二人のもとへ駆ける。瞬間、黒狼が剣士を追おうと地を駆るがそこへ戦士が戦斧を横に薙ぎ、飛び退いたところへ盾を打ち付ける。


「ここは行かせんっ! 悪いがお前の相手はこの、俺だぁっ!」


 下級スキル『咆哮』を再び発動して大声を上げ、黒狼の注意を引き付ける。黒狼は低く唸り声をあげ、しかしその場に足を止めた。


 好機だ、そう戦士は思った。だが―――


「なら安心できるように、()()()()()()()()()()()()!」


 少女の無邪気に明るい声が聞こえてくる。どういう意味かと気になるが、後ろを振り返るわけにはいかない。そんなことをすれば目の前の黒狼は隙をつき、戦士の横をすり抜け少女たちのもとへ駆けつけようとするだろう。


 ―――そうなれば剣士は黒狼に背中を取られた状態で戦う羽目になり、防御力が心もとない彼では対処しきれないだろう。


 ここは剣士を信じ、戦士は背中を預けることにした。


「なっ、嘘だろっ?! いや、待て、ぐっ、ぎゃああぁあああっ!!」


 しかしその想いも空しく、少女のもとに向かわせた剣士より叫び声が上がった。何事かと、とうとう振り返ってしまった戦士が見たものは驚くべき光景だった。


「なんだ、これは……」


 愕然として、思わず力が抜け獲物を取り落としてしまいそうになる。すぐ傍に脅威たる黒狼がいるのだから武器を落とさずに済んだことは僥倖であるが、それでもこれ以上立ち向かう気概が生まれない。


「こんな、敵うわけがない……っ」


 目の前に広がる光景―――松明が照らす範囲を埋め尽くす程の黒狼の群れを見て、彼の心は絶望に染められていったのである。









「どうやら終わったみたいだね」


 そう口にするのは今までの戦闘に参加していなかった少年―――カネルであった。暗闇の中から松明の照らす位置まで顔を出し、『何か』を放り投げる。


 ドサッ―――


「うっ……」


 重い音とともに地面に投げ捨てられたのは赤毛のヒト―――明かりから離れ、隠密行動を取っていた者だ。


 今回の成人の儀の獲物が戦闘に慣れたヒト―――それも5~6人の構成であると予想していた彼は、戦闘に入る前にこちらの気配を察し伏兵や伝令兵を用意する可能性を考えていた。


 目指している最上の結果は『ヒト全員の捕縛』であり、戦闘に参加していない者をみすみす逃すことは片手落ちになってしまう。その為に、リカに依頼して眷属である蝙蝠を召喚してもらい、人数の事前確認を行ったのだ。


 結果、影に潜んでいる赤毛のヒトを見逃さず、暗闇の中気配を殺し、虚を突いて気絶させることが出来たのだ。シーフの不意をつく―――この中でそのような芸当ができるのも、街の外で大人たちが太鼓判を押すほどに狩りの名手となった彼くらいしかいないだろう。


「……降参だ」


 赤毛のシーフが無力化された今、召喚者である少女を奇襲で暗殺し黒狼を無理やり帰還させるという手段も取れなくなった。戦士は戦斧を投げ捨て、両手を上にあげた。


「話が通じる者達よ、お前たちが何者かは知らぬが命だけは助けてくれないか? 金や装備―――俺自身がどうなっても構わん。ただ、他のやつらを見逃してやってくれないだろうか?」

「はんっ、先に攻撃をしかけてきておいて、とんだ戯言だ! 笑わせてくれる」

「……最初に啖呵切って戦闘の意思を見せたのは君だよ、ソーライ」

「えっ、そ、そうだったか?」


 カネルより思わぬ突っ込みを受け、たじろぐソーライ。彼は記憶を手繰り寄せようと頭を働かすが―――果たして、どちらが先に手を出したかなどまあ些細な問題であったと結論付け、黒毛の戦士に向かって歩みを進める。


「―――まあ良い。それに、お前たちヒトの意思などどうで良い! さっさと洗脳し、街へ連れて帰ってやるわ!」


 そうして戦士の前まで行き、彼の瞳をじっと見つめる。


「見ろ!」


 接吻も適う程の超至近距離、そこにおける吸血鬼との視線の交わり。それは絶対服従の呪いの儀式―――吸血鬼特有の洗脳能力の行使であり、その瞳を間近で見てしまった戦士は―――


「……ん、な、なんだ?」

「あ、あれ? おかしいな、こうすれば洗脳されるはずじゃあ……」


 しかし戦士は明らかに何かされたにも関わらず何事もなかったことに狼狽え、ソーライも洗脳の効果を与えられなかったことに狼狽える。


「……あのさ、このヒトたちは元々家畜なんだから既に大人たちが強い洗脳をかけていると思うんだ。だから僕たち程度じゃ洗脳の上書きは出来ないよ」


「あっ、しまった! そうか。そうだったか」


 ソーライはすっかり忘れてしまっていたが、この冒険者達は成人の儀の為に集められた家畜であり、どこかの大人の所有物であるという洗脳が既に為されている。その洗脳を上書きするには元の洗脳よりも強力な洗脳が必要となってくる。


 さすがにまだ12歳であるソーライが長年飲血により魔素を貯め込んできた大人たちに敵うわけもなく、またもし敵ったとしても他の者の所有物を奪うことになる―――それは泥棒行為である。


 そんな己の名誉に傷をつけるようなことをソーライはするわけもなく、魔術を使って戦士の身体を気絶させ捕縛し、無事に闘争の儀の役目を果たしたのである。













「さて、これで全員を無力化したわけだが―――」


 ソーライは辺りを見回し―――黒狼にもみくちゃにされて気絶している金髪、地面に倒れ気絶している赤毛、気絶させられた上に捕縛されている黒毛、そして最後に自分が倒し血を流している茶髪の二人を見て、言った。


「おいアリス、お前血が飲めると言ってたな。今ここでそこのメスの血を飲んでそれを証明してみせろ」

「なっ、お前っ―――ソーライ、その話は終わったはずじゃなかったかな?」

「いや、俺の中では終わっていない! こいつは戦闘の合間まるで役に立たなかったし何かをする素振りも見せなかった。それはやはり、飲血出来ずに魔素が不足し魔術もスキルも使えないからだ、あの噂通りに!」

「えっ、えっ…?」

「ソーライ、お前っ、いい加減にしろっ! アリスは飲めるって言ってんだよっ!」


 ソーライの言葉にリカは不安げな声を上げ、カネルはとうとうその口調を荒げソーライの襟首を掴んだ。


 ソーライは自身に振る舞われる暴力に足を震わせ始めたが頑なに意思を曲げずカネルの目を睨み返す。そのまま場は膠着するかに見えた。しかし―――


「別にいいわよ」


 アリスがそう言って茶髪の魔術師に向かって歩き出す。そこには何の気負いも感じられない……いや、むしろ血を飲めることに喜びを感じているようにも見えた。


 ―――父が聞いたというあの噂は、嘘だったのだろうか? いや、しかし彼女が能力を行使しなかったのはこの目で見た事実だ。どういうことなのか―――いや、この際は『どうなるのか』だ。彼女は血を飲めるのか、飲めないのか。ソーライはその挙動を見逃さないよう注意深く見張る。


 カネルすらも、そのアリスの様子を固唾をのんで見守っていた。彼もアリスから血が飲めるようになったと聞かされていたがその現場を見たことがない。


 リカは一体何の話をしているのか理解が追い付かず、あたふたと慌てていたが、少年二人がアリスのことをじっと見ているのでそれに倣ってアリスを見つめる。


 こうして三人が注目してアリスの様子を見守っている中――――その声は、唐突に上がった。






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