9.吸血
「……っ!」
『異端』宣告されたアリス―――彼女は血呑みの儀の会場より逃げ出す。会場を取り囲んだ大人たちの壁の薄い方へ駆け出し、群衆の波をかき分け外へと出ていった。彼女の向かった先には大きな洞穴―――闘争の儀において使った洞窟があり、その中へ彼女の姿は消えていった。
「………」
残された群衆は言葉を発しない。王も、去る娘の背中を見送りただ黙考する―――こうならない為に動いていたはずなのに。どうすればこうならなかったのか。娘には本当に申し訳ないことをした。詮無い後悔と懺悔が後から後へと浮かんでくる。
「陛下」
そんな彼に声をかけてくる者がいる。恭しく礼をするのはグーネル公爵、その隣には唇を真一文字に結び怒っているとも悲しんでいるとも言えない表情を浮かべているライドン男爵の姿があった。
「この度は姫に『異端』宣告をすることになってしまい、誠に遺憾でございます。しかし、彼の者は血を飲めぬ『異端』。どうか我ら同胞の為と思ったこの臣なる身に、慈悲ある裁定を―――」
「陛下、どうか裁定を―――」
「……もう良い」
こうなってしまったのは間違いなく彼らのせいである。しかし、それを責めるべき理由はない。彼らは吸血鬼として正しいことをしたまでだ。
もし自分の娘でない者が血が飲めなかった場合、アーデルセンもまたその者を『異端』と認めるだろうから。アーデルセンはそう自分を無理やりに納得させた。そうでなければ、己の行為を許すことが出来なかった。
「しかし、『異端』となったとはいえあのままにはしておけん……グーネル、頼めるか?」
「はっ、陛下。ただいま部下の者に連れて帰らせるよう致します―――その後は、どうなされるおつもりで?」
「……分からん。だが、もう外には出せまい。どこへとも幽居させるつもりだ」
「はっ、そうさせるのが良いかと。では、部下への指示がありますので、これにて失礼させて頂きます」
「うむ」
そうしてグーネル公爵は群衆の中に溶け込み、姿を消す。そして彼より命を受けた者であろう、複数の吸血鬼たちが洞穴の方へ駆けていきアリスの後を追っていった。
一方、後に残ったライドン男爵は未だに王の前にて頭を垂れていた。
「…どうしたのだライドン」
「陛下! この度は誠に申し訳なく、申し訳なく……っ!!」
そうして彼は再び地に頭を擦り付け、謝罪した。彼としてはここまで事が大きくなるとは思ってもみなかったのである。
たしかに、姫は血を飲めないという噂は聞いた。それを聞き、憤慨したのは事実である。そして血呑みの儀において息子のソーライと杯を共にするのに誤魔化しが入るやもしれないと思うと居ても立ってもいられず声を上げたのである。
無理矢理にでもソーライと同じ血を飲ませる。その為に彼はわざわざ同じヒトの血を入れたグラスを用意したのだ―――彼は闘争の儀においての生贄五人の飼い主であった。
それが、無理やりにでも飲めないほどのことだとは思いもしなかった。この『異端』騒動は自分が望んだ結果ではなく、しかし自分が端を発したものに相違なく、爵位を返上してお詫びをすると彼は陳謝したのであった。
「……良い、ライドンよ。面を上げよ」
「―――陛下」
「お前の実直ぶりにはいつも助かっている。今回のことは私自身が蒔いた種よ。その責は私自らが負う―――お前には変わらず、このナトラサを守る任を与える、良いな?」
「……仰せのままに、陛下」
こうして誰にお咎めもなく、異議もなく、アリスの『異端』宣告は認められたのだった。
「―――どうして、このようなことになってしまったのだ……」
アーデルセンの無念の声は、誰にも聞かれることなく空気に溶けていった。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ…!」
アリスは駆ける。洞穴の中を、突き出た岩の合間を、光源もない漆黒の世界を、ただひたすらに走る。
彼女は逃げていた。背中に迫る、『異端』の世界から。逃げれば、遠くに逃げれば、そこには今まで通り彼女を優しく受け入れてくれる世界があるはずと。
「はぁっ、はぁっ、ん、はぁっ…!」
決して振り返らない。振り返ったら彼女は『異端』になってしまう。『異端』とは恐ろしい制度だと、彼女は成人を迎える前にその全貌を母より聞いた。
『異端』は一生『異端』である。
『異端』は他者と会話すら出来ない。
『異端』は誰にも助けてもらえない。
『異端』は仲間ではない。
「はぁっ、はぁっ、っ、はぁっ…!」
その話を聞いた時には、彼女は血を飲めていた。あの時には、『異端』の話を聞いてもその『異端』となる未来は潰えたと喜んでいたはずなのに。何故か運命はその手のひらを裏返し、彼女を『異端』へと導いた。
何故、なんで、どうして!? ―――答えのない疑問が心の中で渦を巻き、彼女の悔しさと苦しみは涙となって地面を濡らす。
「はぁっ、はぁっ、はっ、あっ…!?」
ドシャァッ―――
そして彼女は涙に滲んだ視界で足を取られ、勢いよく地面に転んでしまった。 幸いなことに、痛覚がないので全く痛みはない。しかし、転んでしまった惨めさは彼女の唯でさえ荒んでいた心を更に痛めつけ、溢れる涙が更に大粒のものとなって頬を伝う。
「ふっ、くっ、くぅっ、くぅぅぅううううう!!!!」
涙は止まらず、心の痛みは消えず、彼女は奥歯を噛み締め絶叫を上げる。
心が痛い。もうこの世界で誰も私の味方をしてくれる者はいない。
心が、痛い。心が痛い! せっかく楽しそうな未来が見えたのに、全部が消えた! 全部が無くなった!
心が痛い! 心が千切れそう! 悔しい、悔しい! 悔しい!!
世界が滅べばいい!
全員いなくなってしまえばいい!
自分だけを不幸にするこの世なんて、呪ってやる!
全部、全部、全部消し去ってやる!!
「ぅぅぅううううううう、ううああああああああああああ!!!」
気づけば彼女は口を全開にして叫んでいた。叫び、地面をのたうち回り、地面に拳を叩きつけ、岩の出っ張りを足蹴にして。それでも世界は壊れない。何も変わらない。彼女が叫んでも、何も変えられない。
「あああぁっっ! あぁっ!! はぁっ、はぁっ、はぁ……」
そして彼女の息は切れてきた。世界を変えられず、運命も変えられず、誰に呪いをかけることも出来ず。彼女が望んだもののうち、成し遂げられたものは一つもなかった。途方もない無力感の後、興奮に狂っていた脳がやがて現実を認識始めたのだった。
「……、………、私、『異端』になっちゃったんだ……」
ぐるりと仰向けにひっくり返り、彼女は暗闇しか見えない洞穴の天井を見上げる―――真っ暗だった。それにとても静かだった。この世界にただ自分一人しかいないのではないかと錯覚する。そうであれば、どんなに楽か。自分を『異端』と嘲る、蔑む、差別する者がいない世の中、なんて素晴らしいんだろう。
「……そうだ、ここでずっと一人でいればいいんだ……」
そうすれば、自分は『異端』ではなくなる。だってこの世界には自分一人しかいないのだから。
自分一人、自分一人しか、一人しか、一人だけ、一人ぼっち、誰も、いない―――
「……っ、ひっ、ふっっ、ひうっ…」
―――ダメだ。
それ以上考えちゃ。
それ以上声を漏らしたら。
それ以上望んだら―――もう、止まらない。
「うっ、うう、うわああああああああああん、いやだぁ!! ひっ、ひとりはいっ、いやだよぉ!!!」
少女の慟哭は洞窟の中を響き渡る。
その声に籠る感情は、唯々胸が張り裂けんばかりの寂しさであった。
「ひぅっ、えぅっ、うぅっ……」
アリスは泣き止まない。泣いても泣いても止め処なく涙と寂しさが込み上げてくる。
この世において、自分はもう一人ぼっち―――狭いこのナトラサの街でただ一人『異端』扱いされた自分は、他人の幸せを、他人の喜びを、他人の楽しみを、全て遠くからしか見れない存在となる。
そして自分の周囲には何もない。喜びも楽しみも遊びも会話も尊厳も希望も、家族も友人も恋人も、何もない。
ほんの少し前までたしかに存在していた幸せな未来図が、全て握り潰された。
「ひぅぅ……えぐっ、うぅっ……」
「………」
―――絶望に溺れ、悲嘆に暮れる彼女は、その身に近づいてくる影に気が付かなかった。
「うぅっ…きゃっ?!」
突如アリスの腕が引っ張られる。うつ伏せに泣き崩れていた彼女は腕だけが引っ張られ、立たされることもなく地面を引きずられるように連れ去られる。
「な、なに?! は、離してっ! 離しなさいっ!」
彼女が制止の声を上げるも、腕を引っ張る者は反応しない。声も発しない。ただただ腕を引っ張りアリスを引きずる。
「ま、待って! 立つからっ! 立つから待って!」
それでもその者の足は止まらない。アリスの胴より下を地に引きずりながらひたすらに腕を引っ張り続ける。そして、まったくの無言。
(こ、怖い……っ)
アリスが感じたのは恐怖だ。
引きずられることにより凸凹道の至るところに胴や足がぶつかるが、例のごとく痛みは感じない。しかし、相手の正体も目的も分からずただ無言でひたすらに連れていかれることに言いようもない恐怖を抱いた。
どうして自分ばかりこんな非道い目に遭うのか。怖い、悲しい、もう嫌だ―――アリスの頬を、様々な感情がごちゃまぜになった涙が伝う。
「………」
それに対してこの者―――アリスを無言に引きずっていく彼はグーネル公爵の部下であった。
彼はアリスと決して会話をしようとしない。なぜなら彼女が『異端』であるからだった。彼女と話したら『異端』となってしまう。もちろん、やむを得ない事情があれば許されることが多い。ただ、ナトラサの街まで連れて帰ることを彼女に告げることが『やむを得ない事情』として認められるかは分からない。そうであれば、口をつぐむに越したことはない。彼女が泣こうが喚こうが気にしない。
―――そんな、ほんの些細な理由であった。
しかしそれが原因となり、彼はその命を失うのであった。
「…っ! いやっ、いやぁ!!」
アリスが掴まれている方とは反対の手で男の腕を引っ掻く。スキルの使用もない、ただの引っ掻きである。しかしそれでもアリスは吸血鬼でありその爪の切れ味は幼い彼女であっても良く切れるナイフほどはあった。
そしてもちろん、不意打ちとなったその攻撃に男もスキルによる防御はしていなかった。人間種よりも丈夫な皮膚とはいえ、吸血鬼の爪の一撃を受け無傷とはいかない。
「っ!」
「もう、いやぁっ!! いやぁああ!!」
男は腕を浅く切り裂かれ、ぴりっと走った痛みに思わずアリスの腕を離す。解放されたアリスは地面に放り出され、しこたまに頭をぶつけたが痛みはない。
ただ恐怖や絶望など溢れ出る感情の自制が出来ず、逃げることもせずその場に頭を抱えて蹲った。
「大人しくっ、……っ!」
危うく言葉を交わすところだった男は言葉を途中で切り、今度はアリスを無理やり立たせようと彼女の胸倉へと腕を伸ばした。爪で皮膚が裂かれ、血が薄く滲んだその右腕を―――
その時である。
―――ドクンッ!
「っっっ!!?」
(な、なんで……っ!?)
胸倉を手繰り寄せられた瞬間、アリスの五感が大きく揺さぶられる。
全身が総毛立つ。鼻孔を刺す甘い香り、瑞々しく溢れる赤い液体、急速に乾いてくる唇、大きく脈打つ自分の鼓動。
―――そして抗いようもないほどとてつもない欲求がアリスを襲う。
あれほど嫌っていたはずのそれが―――
あれほど飲めなかったはずのそれが―――
あれほど臭かったはずのそれが―――
目の前の『血』が、飲みたい……っっ!!!
「……っ、はぁ~、ん…」
カプッ、ジュルル……
アリスは男の右腕に―――その血がにじむ場所に吸い付いた。
「ぐっ、ぎゃあああぁぁあぁああ!!!」
―――瞬間、男の絶叫が洞窟内に轟いた。その叫びにアリスは注意すら向けず、ひたすらに喉を鳴らして男の血を飲む。
「ああぁぁぁ…ぁ、ぁぁ……」
そして見る見るうちに男の顔より生気が失われていく。
皮膚は枯れ、眼は窪み、髪は銀より白へ急速に色を変えていく。
―――吸血鬼。その名の通り、彼らは血を吸う鬼である。
人間種より生き血を吸うことにより彼らの魔素を奪い、それを体内に宿らせることによって更なる強化が図られる最強の魔族―――人間種の手に負えない魔族のことを、ヒトは総じて鬼と呼ぶ。そして吸血による魔素摂取量、魔素許容量増加の効率は飲血によるものを遥かに上回る。
それでは何故、今生の吸血鬼たちは吸血ではなく飲血ばかりに頼るのか?
それは血とともに命の根源たる生気まで吸い取ってしまう為、繰り返し血を採取することを目的とした家畜には不向きだからであった。このナトラサにおいて家畜であるヒトは補充の難しい畜産物である。繁殖行為も行わせているが、数か月にせいぜい5人の増加具合であるからして、吸血されるのは死を目前とした老いたヒトのみであり、吸血行為自体が稀となっていた。
(美味しいっ、美味しいっっ!!)
しかしアリスはそんなことを知らないし、知っていてもどうでもいいと思っただろう。目の前には少し唇を窄めれば脈々と美味しい血が溢れてくる腕があるのだ。彼女は地に跪きながら一心不乱に血を吸い続けた。それは悲しみのあまり空虚となった彼女の心を幸福で埋め尽くし、身もだえる程の快感で彼女の脳を震わせた。
「緋なる原初の焔よ、敵を灰燼と化せ―――<紅焔槍駆>!」
そしてその場に響き渡る新たな声―――詠唱と呪文がアリスの耳に入ってくる。
漆黒の闇を浮かべる洞窟の前方に突如として燃え盛る炎が現れ、それは槍を象りアリスに向かって真っすぐ飛来してくる。その魔術を放った、彼もまたグーネル公爵の部下であった。
(…避けなきゃ)
アリスは思う。回避行動を取らねば、と。
だが、炎中級魔術である『紅焔槍駆』は馬が野を駆けるよりも速く宙を走る。事前に詠唱が聞こえてくる方へ注意を向けていたならまだしも、この距離において見てから避けるなど普通は―――なおのこと跪いているアリスには甚だ不可能である―――はずだった。
「―――っ」
―――ゴオゥッ!
しかしアリスは身体を半身ずらしたところに置き、『紅焔槍駆』を受け流した。彼女の後方に飛んで行った『紅焔槍駆』は突き出た岩場にあたり、灼熱の炎を巻き上げる。
「なっ…?!」
『紅焔槍駆』を放った男からは、地に膝をついていたはずの彼女が一瞬の合間に、身体がぶれて見えるほどに速く回避行動を取ったように見えた。そんな芸当が出来る手練れだとは、事前の情報では聞いていなかったし『無能の吸血鬼』たる彼女に出来る芸当ではなかった。
―――逆にアリスから見ると、突然に『紅焔槍駆』が迫ってくるのが遅くなり、身体が勝手に避けられる位置まで動いた、というだけである。彼女は知らず知らずのうちに上級スキル『求生反射』を発動していたのであった。
もちろん、そんなことには気づいていないアリス、彼女の心を今占めているのは『血』のことばかりであった。
(邪魔だなぁ…)
魔術を放ってきた男、彼は吸血の邪魔をしてきた―――許せない。
「いいや、吸っちゃおう…」
吸血の喜びを知ったアリスは今、血に飢えていた。舌なめずりをし、目の前の男へ一歩踏み出した。
「ひ、ひぃっ!」
そして男はアリスを前に後ずさる。
目の前の少女はスキルも使えない、戦闘経験もほとんど無い、魔術は使えて1発の『無能』であったはずだ。
マディラータ影響下でも動けた奇跡の少女、しかしただそれだけの、結局は『無能の吸血鬼』であったはずだった。
それが恐れ知らずにも大人である自分に襲い掛からんとしている。だが何故か、自分は彼女に恐怖している。それは彼女の自分を見る目があまりに気色が悪かったから。
家畜やご馳走を前にしたような喜色じみた色を映していたからだった。
「た、助けっ…!」
彼は逃げ出した。1歩、2歩―――しかしそれが限界だった。
「ぐっ、ぎゃああああぁぁぁ…」
再び、洞窟内に悲鳴が響き渡る。背中を向け走り出した彼を逃がすまいと、アリスが上級スキル『光陰如箭』を使って接近、瞬時に彼の首筋に歯を突き立てたのだった。
「ああぁぁぁ…ぁ、ぁぁ……」
そうして彼も先ほどの男と同様、急速に全身から生気が抜けていく。
髪は白く変色し抜け落ちていく。皮膚は枯れ果て黒ずんでいく。そうしてすぐに生気も魔素も吸い尽くし出涸らしとなった死体からも、アリスは搾り取るように血を吸い続ける。
(美味しいっ!! 美味しいっ!!!)
「はは、あはははははっ!! 美味しいっ!! 幸せっ、幸せだよぉ! 美味しいよぉ!! あは、あははははっ!!」
「……ば、化け物…!」
「お、おいっ、逃げるぞ。このことを、一刻も早く閣下に報告するんだ…!」
「あ、ああ…!」
そしてその様子を遠巻きに見ていた、他のグーネル公爵の部下たち。
死体となった者達とは別働でアリス探索を行っており、悲鳴を聞きつけてからは監視に務めていた彼らはアリスに気づかれぬよう小声で話し、きびすを返して出口へと向かう。
「化け物、だって、あ、あはは、ははっ」
しかし、アリスは背中を向けて去っていく2つの影を見逃さない。上級スキル『長目飛耳』により、自身を蔑む声をはっきりと聞く、逃げていく彼らの背中をはっきりと見据える。
「化け物、あははっ! 化け物だってっ!! あははははっ!!!」
そうして彼女は走り出す。その声はとても陽気で楽し気で幸福感に溢れている。
しかし涙は止まらなかった。
今まで彼女が何故血が飲めなかったのか。
どうして自分が『異端』になる運命に塗れてしまったのか。
なんで幸せや希望を全部奪い取られてしまったのか。
「化け物っ! あはっ、あははっ! あっ、あははははっ!!」
(私、……っ、違ったんだ……)
彼女は吸血鬼であって吸血鬼の仲間ではなかった。
吸血鬼の血を好み、吸血鬼の血を吸う―――彼女はヒトにとっての吸血鬼がそうであるように、吸血鬼にとっての忌敵であった。
「そうっ! 化け物ぉ!! 私、化け物だったのよ! あはっ、あはははは!」
(最初からっ、生まれた時からっ、ずっと……みんなと、違ったんだっ……)
(私の、味方は、元々誰もいなかったんだ……)




