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ラ・カーム戦記  作者: 神名 信
10/70

第10話

 それぞれの授業が終わって、三人がまたそろった。

 三人とも言葉を交わさなくても、お互いがどれくらい大変な授業を受けたかわかっていた。

 「寝よう・・・」ラ・カームがようやく声を出した。

 三人はそれぞれ個室が設けられており別室で寝ているが、その日はリビングで三人が重なるように寝ていた。

 食事についてもミルシャが作るようになっていたが、リビングで倒れている三人をみつけると、そのまま一人ずつ寝室まで運びベッドに寝かしつけた。

 ・・・寝顔はまだまだ子どもね、皇子様たちには私の全てを捧げます。幸せになってください。

 ミルシャはそう祈った。


 夜中、というよりはもう日が昇る直前、ラ・カームは空腹で目が覚めた。

 ・・・あれ?ラァとラナは、あ、そうかミルシャ先生か。

 ベッドから起きながらラ・カームはそう悟った。

 リビングに向かうとミルシャが椅子に座って眠っていた。

 テーブルの上には、ミルシャ手作りのサンドイッチが置かれていた。

 「ありがとう、先生」

 そう言いながらラ・カームはサンドイッチを三人分持ち帰った。

 「ラァ、起きてる?」

 「起きてるよ、ラナももう起きてると思う」三人は遠く離れていてもお互いの状態がなんとなく分かる。

 「リビングで食べると先生を起こしちゃうかもしれないから、ラナの部屋で食べよう。」

 「ラナ、起きてる?」

 「ん・・おなかすいたぁ」

 「そう思ってサンドイッチもってきたよ」

 「ありがとう・・・わたしトマト苦手・・食べて」

 「えと・・わたしも苦手なのよね・・ラ・カームぅ・・・」ラァもこういうときだけは甘えた声を出す。

 「もう、先生がいたら怒られるぞ」

 そう言いながらも、ラ・カームは三人分のトマトの入ったサンドイッチをほおばっていた。

 『ラ・カームありがとう』ラァとラナは同時にそう言った。



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