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作者が転生?!~りっぱな悪役になってやる!  作者: 梅田遼介
「迷宮探索」後編
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第78話「迷宮地下」

ちょっと間が空きましたが、やっと1話書けたので投稿します。

あ、10万PV達成しました!

読んで下さる皆様のおかげです。

本当にありがとうございます!

「あ、多分ここだ。気を付けてくださいね」


 そう言いながらピックが皆を手で制し、屈んで床の敷石をコンコンと叩く。

 後ろに飛びずさると同時に床がガラガラと音を立てて崩れた。


「こりゃあたまげただな。これは罠だか?」


「うん、前来た時にアタイが見つけたんだよ」


「ほー、えらいもんだなあ。オラなら引っかかってるかもしれねえだ」


 ドッヂが目を丸くして驚いているのを見て得意そうなピック。

 かもしれない、じゃなくて君だったら間違いなく引っかかってるよね。

 僕も他人のこと言えないけど。





「じゃあさっさと降りちゃいましょう」


「そうだな。んじゃピック、頼めるか」


 僕の言葉にピックが頷く。


「じゃあ降りますね」


 クノップに光球の呪文を掛けてもらい、結び付けた縄を伝ってピックが降りる。

 今回も続いて三日月が降りて行った。


「おーい、旦那、問題ないぞ」


 下から三日月の声を聞いて残りのメンバーも降りて行く。

 クノップ、ドッヂという順番だ。


「次はあなたが行きなさいよ」


 キトラが僕に向かって言う。

 でもなー、前回みたいなことがあるとなあ。

 ラッキースケベは嬉しいけど、怒られるのは御免こうむりたい。


「わたしが落ちたら、あなた以外にだれが受け止めるのよ。さっさと降りなさい!」


 ためらう僕に指を突き付けてキトラが宣告した。

 僕は仕方なく・・・・降りて行く。

 3メートル以上降りて着いたところに、案の定上からお尻が降ってきた。

 今回は予想していたので余裕を持って受け止める。


「ほら、さっさと下ろしなさい! いつまで触ってるのよ!」


 あんまりガミガミ怒らないでほしいよなあ。

 これじゃ悪役としての威厳が。

 あと三日月、僕の顔をジト目で見るのはやめろ。

 でも柔らかい感触が楽しめたから満足だ。





 前回通ったのと同じルートを進む。

 これまた前回と同じく、吸血コウモリとゴブリンがワラワラ出てくる。


「今度も数が多いな。こりゃ巣も復活してるぜ、きっと」


 三日月の言葉通り、ゴブリンの巣も復活していた。

 ただ前回のような防御用の柵はない。 

 時間的にそこまでは手が回らなかった、という感じか。


「前回と同じような感じだとしたら、それほど心配はいらないですかね?」


「そうだな、また一発魔法で吹っ飛ばしてくれたら簡単でいいや」


 三日月がクノップに向かってウインクする。

 クノップに対する苦手意識もだいぶ払拭された感じだな。


「時間が惜しい、ここは力押しで行こう。まず俺とクノップが火球を中に打ち込む」


 クノップが頷いた。


「そこへ三日月とドッジを先頭に突っ込む。ピックとキトラは後ろから。強引だがこれで行けるだろう」


「オラの出番だか、腕が鳴るだな」


 ドッヂも気合いが入ってるな。





「じゃあ行くぞ!」


 僕は火の精霊トカゲのレウスを呼び出し、掛け声とともにクノップと二人で火球を放つ。

 僕らの姿を見たゴブリン達がギーギー喚きながらこっちへ向かってくる。

 二つの火球は大きく放物線を描いてそのゴブリン達の後ろの巣に着弾、爆発した。

 戦争映画さながらの大迫力の爆発が起こり、ゴブリン達が吹っ飛ぶ。

 そこへ三日月とドッジが突っ込んで行った。


「オラの斧捌きを見せてやるだ!」


 ドッヂが巨大な斧を一振りするたびに周りのゴブリン達がなぎ倒される。

 巻き込まれないように距離を取って三日月も剣を振っている。

 特に上位モンスターもいないみたいだし、こりゃ楽勝だね。

 ピックもスリングで攻撃して、僕も練習がてら火球を投げる。

 命中率はまあまあって感じかな、前よりは当たるようになった。


「怪我人は出そうにないし、正直することがなくて暇ね」


「そうですね、魔法が無くても問題なさそうですし」


 後ろでキトラとクノップがのん気に話をしてる。

 そうこうするうちにゴブリンは全滅したようだ。

 あっけない。





「さあ、ここからが本番だな」


「何があるか分かりませんからね」


 破壊した巣の奥へと進みながら三日月が気合いを入れる。

 ピックも辺りを念入りに調べながら進んでいく。

 

「あ、気を付けて。毒矢です」


 そう言ってピックが罠を解除にかかる。

 その横顔はいつになく真剣だ。

 床石を踏んだら物陰から矢が飛んでくる仕掛けらしい。


「おい、気をつけろよ」


「大丈夫ですよアニキ。……うん、これでよし」


 ピックが額からにじんだ汗をぬぐいながら立ち上がる。

 それにしてもこのホビットは年齢不詳だな。

 

「罠はあるけど、『何がなんでも先には進ませない』という感じではないように思いませんか?」


「そうね、どちらかと言えば侵入者を選別するのが目的じゃないかしら」


 クノップにキトラが答える。

 先へ通す侵入者を技量で選ぶ、ってなんの為だろう?





「敵だ!」


 開けたホールのような所に出て、三日月が短く声を上げた。

 前衛の僕とドッヂが武器を手に急いで三日月、ピックと入れ替わる。


「どこに敵がいるだか?」


 斧を手にしたドッジが辺りを見回す。

 確かにそれっぽい姿は……ん?


「あれだ、よく見てみろ」


 ホールの高い天井を支えるために立つ3本の柱。

 その柱の上部に掘られた鳥のような姿の不気味な石像。

 それがゆっくり動き出しているような?


「ガーゴイルか」


「旦那、ご名答だ――見てな」


 三日月は肩にかけていた短弓を構え、矢をつがえる。

 迷宮の中だから射程よりも取り回しを優先して選んだようだ。

 さすがに慣れてるな。

 放たれた矢は一番近くの石像に向かって飛んでいき、見事に突き立った。

 矢が刺さるってことはやっぱり石像じゃないんだな。

 僕がそう思うと同時に石像が一斉に飛び立つ。




「これは何なんだか?」


 ドッヂが初めて見るだろう魔物を見上げてすっとんきょうな声を上げた。

 翼を広げるとさらに禍々しい、いかにも魔物っていう姿。

 僕ももちろん実物を見るのは初めてだ。

 ゲームの中ではよくお目にかかってきたけどね。


「気をつけろよ、上から襲ってくる上にあの爪には石化の毒があるからな」


「うひゃ、石にはなりたくないだよ」


 僕もそれには同感だ。

 こんな所で石像になって飾られるのは嫌だよな。

 

「弱点はないのか?」


「もともと石像だからな、皮膚は硬くて刃は通りにくい。だが殴られると意外と脆いぜ」


「殴るならオラが得意とするところだ!」


 ドッジが気合いを入れる。

 僕の大剣も斬るより殴る方が向いてそうだ、いくぞ。

 ただ空を飛びまわるのは面倒だな。





「まず俺の弓と猫耳の魔法でけん制する。飛んでるのに急所を狙うのは難しいから、上目に撃って届くところに引きずり下ろすぞ」


「なら私も手伝うわ。盗賊さん、そのスリングに炸裂の効果バフを掛けてあげるからどんどん撃ちなさい」


 そう言ってキトラは呪文を唱えだした。

 するとピックの持つスリングが怪しく黒く光っていく。


「うわ、凄い。んじゃオイラも行きますよ!」



次も頑張って書きますので応援よろしくお願いします☆

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