第77話「探索」
今日も何とか投稿できました。
でもストック切れた・・・orz
「三日月、コウガの里はこの辺りだったか?」
「ああ、よく覚えてたな。油断するなよ、見張られてるかもしれねえ」
僕の問いかけに三日月が真剣な声で答えた。
「コウガの里ってなんですだか?」
「あなた、そんなことも知らないの? まさに無知蒙昧とはあなたの事よね」
ドッヂの馬の後ろに乗るキトラが辛辣な言葉を投げつける。
ドッヂは一瞬ムッとした顔をしたが何も言わなかった。
分かるよ、怒らせてアレを使われたくないもんね。
「ドッヂ、王都で襲ってきた黒装束の男たちを覚えてるか?」
「ああ、カ……暁さまがフラウさんと逢引きしたときですだね」
おっと危ない、そういやあれはカルロとしての事だった。
三日月やクノップはカルロと暁が同一人物だと知ってるけどピックとキトラは知らないんだ。
ドッヂ君よく気が付いた、グッジョブだよ。
でもこのややこしい設定、なんとかならない物かな。
「逢引きって、旦那は他所でもそんなことしてんのか?」
三日月が白い目で見てくる。
いいじゃないか、お前には関係ないだろ!
「ゴホン。とにかく、あいつらがコウガの里の奴らだ。闇の軍団と呼ばれているらしい」
「闇の軍団だか、なんだかカッコいいですだね」
「野ウサギ団だってカッコいいですよ! ねえアニキ?」
ピック、それちょっと違うから。
カッコ悪くするために嫌がらせで付けたのに気にいられてるのね。
「あらその野ウサギ団って何かしら?」
「暁のアニキに付けてもらったアタイらの団の名前です。カッコいいでしょ?」
ピックがキトラに自慢げに説明する。
「え、ええ……そうね。いい名前だと思うわ」
毒舌キトラもこれだけキラキラした眼で見つめられてはさすがに本音は言えないらしい。
多少目線を逸らしながらぎこちなく答えた。
「でしょー、三日月のアネキも入ってるんですよ。キトラさんも野ウサギ団に入りませんか?」
「あ、あの、私は遠慮しておくわ。ほら、グラディスの神殿に仕えてるし」
「そっかー、残念だなあ」
そのやり取りを聞いていたクノップを後ろに乗せた三日月が口を挟む。
「おいおい、危なく聞き流すところだったぜ。誰がいつの間に野ウサギ団に入ったんだ? オレはそんな妙なモンに入った覚えはないからな!」
「えー、アネキはとっくにうちの名誉団員ですよ。なんなら副団長って感じですよ!」
「勘弁してくれよ。オレは今までも女一人、一匹狼でやってきたんだ。お前はともかくあんな奴らの仲間になんて絶対ならねえからな」
そう言い捨てると三日月はとっとと先へ馬を走らせてしまった。
「もう、アネキったら照れちゃって」
ピックは全くへこたれた様子もない。
君、ポジティブだね。
そうこうするうちに石の迷宮の入り口に着く。
特に道中問題も起きなかった。
前来た時と変わらぬ石造りのアーチと階段。
多くの犠牲者を出しているというS級ダンジョンだ、油断はできない。
「それで、今回の探索の目的は何なんですか?」
クノップがみんなの顔を見まわして尋ねる。
「オレはもちろん金だ。前に見つけられなかったお宝を見つけて大儲けするぞ」
三日月はすでに目が$マークになってる。
と言っても今回は僕もそれに同意だ。
とにかくお金稼がなきゃどうしようもないからな。
「おらは暁さまの身を守るために来ただけで特に目的とかはねえだ」
「アタイも面白そうだから来てるけど、稼げたら嬉しいですね」
ドッヂとピックはそんな感じだろうね。
「私は、そうね。前回ちょっと気になったことがあるんでその確認がしたいわね」
「それはどういう事ですか?」
「うーん、まあそれはおいおい話すわ。いまのところはヒ・ミ・ツ」
闇の美少女司祭キトラは猫耳魔法使いのピックに向かってウインクして見せた。
なんだろう、なんかよくない予感がするけど気のせいだろうか。
「分かりました。ボクは学術的に興味がありますのでその調査以外は特にありません。暁さん、どうしますか?」
「そうだな、戦闘時の前衛は俺とドッヂ、アタッカーは三日月とピック、クノップとキトラはそれぞれ魔法で支援する」
「旦那、迷宮の通路を進む時はオレとピックが先頭でいいな?」
「ああ、罠や仕掛けがある可能性があるからか。じゃあそういう事で頼む」
「了解、んじゃ旦那には後ろからの襲撃に備えて最後尾を任せるよ」
布陣は決まった。
探索中は先頭をピックと三日月、それにクノップ、ドッヂ、キトラと続いて殿は僕。
前後からクノップと僕の光球の呪文で照らすためにこの順番がいいだろう。
荷物袋から前回作った見取り図と筆記用具を取り出す。
さあ、いこうか。
「入って最初の四つ角を右に行くとムカデの部屋、左に行くと蜘蛛の部屋だな。どうする? 念のためにもう一度覗いてみるか?」
「オレは御免こうむりたいね。蜘蛛の糸も大した値段じゃ売れなかったし、骨折り損だったぜ。だからもういいや」
僕の問いかけに三日月が肩をすくませて首を振る。
あれだけ先輩たちに苦労させて持ち帰った糸もそれほど値段がつかなかったのか。
骨折り損のくたびれもうけだった、って苦労したのは三日月じゃないよね!
可哀そうな先輩たち、安らかにお眠りください。
「では奥に進みましょう。あのトラップのあるところへ」
キトラの言葉に先頭の二人が頷いた。
誰からも異論が出ないので石畳の通路をまっすぐ進む。
途中にあったスライムの部屋もスルーする。
「たぶん、この辺でしたよね」
ピックがそう言って床の石を調べ始める。
想像通り、崩落した床の石の仕掛けはすっかり元通りに戻っている。
誰かがこの迷宮を管理、修復している証拠だ。
頑張って続き書きます。




