第76話「ゾンビ薬」
昨日はアクセスが少なくてビックリしました。
まあシステムトラブルなら仕方ないですよね。
今日もよろしくお願いします!
「はぁ?! 右腕? 許さない? あなたが何を言ってるのか全然分からないんだけど!」
僕の前に立ち塞がったドッヂにキトラの視線が向く。
美少女なだけに氷の眼差し。
他の奴らは誰も声も掛けようともしない、なんて冷たい奴らだ。
頑張れドッヂ、僕の右腕!
「アンタがなに者かは知らねえが、暁さまにこれ以上の無礼は許さねえ、って言ってるだ」
「無礼ですって? 言っときますけどね、無礼なのはこの男よ! このわたしに何の連絡もせず、ずっとほったらかし。そんなことが許されると思うの?」
するとドッジは急に後ろを振り向いた。
なんだか言いづらそうに僕の顔を見ている。
「あのお、この娘っ子は……この方も……暁さまの、あの、そういうお人なんですだかね?」
ドッヂ「この方も」「そういう」ってエルサと一緒、っていう意味かな?
言っとくけど僕、まだ君と同じくチェリーだから!
「ドッヂ、俺はその人とはそういう関係じゃない。大体その娘は闇の司祭だぞ? そんな人とどうともなる訳がないだろうが」
「あ、そうだっただか。よかっただ」
こっちを向かないようにしている三日月の背中が小さく震えている。
コイツ僕とドッジのやり取りを聞いて笑ってるよ。
今に思い知らせてやるからな、悪役カルロ=ド=メリチを舐めるとどうなるか!
「あら、ずいぶんな言い方じゃない。わたしだって普通の女の子なんですけど」
キトラが口を尖らせて文句を言う。
あのね、闇の司祭はぜんぜん普通じゃありませんから。
「キトラ、怒るのは分かる。俺が悪かった、だからこうして誘いに来たんだ。行かないのか?」
「そりゃあ行くわよ、決まってるでしょ。それとそこのアナタ!」
今度はドッヂに向かってビシッと指を付きつけた。
「な、なんだ? オラがなんだっていうだ?」
ドッヂの声が心なしか震えているような。
分かるよ、美少女の怒った顔って怖いもんな。
「今後このわたしに対してさっきみたいな口をきいたら、それこそ許さないから!」
「オ、オラは暁さまを守るだけだ。許さないもなにもねえだ」
えーっとドッヂ、気持ちは嬉しいけど、ここは反抗しない方がいいと思うな。
それに強がってもビビってるのが丸分かりだから。
「もしまたそんな口をきいたら、アナタを未来永劫わたしの奴隷にしてあげますからねっ!」
あー、やっぱりそういう事ね。
ドッヂ、気を付けないとアンデッドにされちゃうぞ。
「暁さま、奴隷とかこの娘っ子は何を言ってるだか?」
意味が分からないながらも不穏な空気を感じたんだろう、ドッヂが不安そうな顔をしている。
「気を付けろ、この娘は本気だ。キトラもその辺にしといてくれ。ドッヂをゾンビにされたら俺が困る」
「ぞ、ゾンビ?! そんなの絶対に嫌ですだぁ!」
「フン、だったら口のきき方に気を付ける事ね。じゃあさっそく行くわよ」
涙目になって後ずさるドッヂを尻目に、キトラが早速教会を出て行く。
巻き込まれないように明後日を向いていた薄情な奴らも慌てて後に続いた。
「あの、キトラさん」
「あら貴女、確か魔法使いの方よね。お名前は何だったかしら?」
「僕の名前はクノップです。ちょっとお聞きしたいことがあるんですが」
キャンプで食事中にクノップがキトラに話しかけている。
気の強いキトラもなぜか猫耳娘のクノップには当たりが柔らかい。
「いいわよ、なにかしら?」
「生きている人間をそのままゾンビにすることって出来るんですか?」
おいおい、そこの猫耳マッドサイエンティストは何に興味を持ってるんだ?
「出来るわよ、もちろん。スケルトンにするには殺して白骨化するのを待つか肉を削がないといけないけど」
クノップの質問にキトラが普通に答えてる。
あのー、食事が不味くなるんでそういう話やめてもらっていいですかね。
「具体的にはどうするんですか?」
「これを使うのよ」
そういうとキトラは鞄から瓶に入ったポーションを取り出した。
なんとも言えない暗く濁った緑色の、ひと目見ただけで怪しいと分かる薬だ。
「それは?」
「ネクロキニーネ、通称『ゾンビ薬』よ。これを相手に飲ませるの」
「あ、何となく聞いたことがあります。それを飲ませるだけでゾンビになるんですか?」
「まさか。この薬は体を生と死の間の状態に持っていくだけ。ゾンビにして使役するには黒魔法が必要よ」
「そっかー、やっぱり黒魔法が必要になるんですねえ」
クノップ、なんでちょっとがっかりした声出してるの?
っていうかキトラもなんで普通にそんな薬持ち歩いてるんだよ!
生と死の間の状態ってどういう状態?
それって完全に劇薬だよね、取り扱い注意!
「もういい加減にするだ! そ、そったら話ばっかしてっと寝れなくなるだ!」
ドッヂが耐え切れなくなって声を上げた。
そりゃあそうだ、自分が実験材料にされそうなんだもんな。
恐怖のあまり訛りがきつくなってるよ、可哀そうに。
三日月とピックは我関せずとばかりに離れたところで食事してる。
僕もあっちで食べておけばよかったよ。
肉は美味しそうに焼けてるけど食欲がわかないなあ。
こうしてキャンプの夜は更けて行く。
明日も投稿できるように努力してます。
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