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作者が転生?!~りっぱな悪役になってやる!  作者: 梅田遼介
「迷宮探索」後編
75/81

第73話「目論見」

昨日は投稿できずにスイマセンでした。

個人的にちょっと忙しかったもので。

え?いや、別にゲームに熱中して更新忘れてたとかじゃありませんよ?

やだなあ、そんな訳……あるはず……




ホントすいませんでした!

お詫びに今日もう1話投稿します。


「ふーっ、やっと自由な時間が出来たぞ」


 僕は屋敷を出て、両手を伸ばして深呼吸した。

 そのまま丘の上からバルハムントの街並みを眺める。

 冬の澄んだ空気に映る赤い屋根の並ぶ街はとても綺麗だ。

 中央にはサン・ペリエ大聖堂、近くを流れるホルムス川。

 川面が日差しを浴びてキラキラ輝いている。


 この街の主なモデルになっているのはイタリアのフィレンツェだ。

 僕は行った事はないけれど、父さんが昔行った事があって色々話してくれた。

 ミケランジェロの丘というところから眺める街並みがとても美しかったそうだ。

 料理も美味しく、芸術にあふれた町。

 いつか行ってみたいという願望を込めて作った街だ。

 風車があったりするところなんかはオランダの影響を受けてるけどねw

 まあ色々な街のいいとこ取りって感じかな。




「おやカルロさま、今日はお一人だか?」


 後ろから声を掛けられて振り向くとドッヂが立っていた。

 あ、ドッヂにボーナスあげるの忘れてた(汗)



「あ、いや、皆に休みをやったもんでな。ドッヂは家に帰らなくていのか?」


「家っちゅうてもすぐそこですし、帰っても母ちゃんの手伝いさせられるだけですもんで」


「そうか、じゃあこれで母親に何か買ってやれ」


 持っていた財布の中から金貨を2枚ドッヂに渡す。

 日本円で20万円相当だから、ボーナスとしてはこんなものだろ。


「これは、頂いていいんだすか?」


「ああ、みんなにもやったからな。それにドッヂにはいろいろ世話になってるし」


「本当に有り難うございますだ」


「これからちょっと街に出るから付き合ってくれるか?」


「ちょうど手が空いたところですんで、お供しますだ」





 僕はドッヂを連れて町へ向かった。

 途中、顔バレを防ぐためにスカーフを覆面にして傷を隠すのを忘れない。


「カルロさま、なんか決まってますだね」


「今からは俺をカルロと呼ぶな、暁と呼べ」


「あ、なるほど。暁さまですだね。分かりましただ」


 ドッヂには暁のことを話しておいて良かった。

 町を歩き、途中の酒屋でホビットの火酒を買う。

 鍛冶屋のモーハンに頼んでいた事があるんだ。

 僕はドッヂを表に残してモーハンの鍛冶場に入った。


「オヤジ、邪魔するぞ」


「誰かと思えば暁のダンナか。仮面を着けてないから一瞬分からなかったぜ」


「ああ、今日はちょっとな。頼んだ例の物は出来てるか?」


「おいおい、ちょっと待てよ。あんな大量に頼んでおいて無茶言うな。まだ半分ってところだ」


 モーハンはそう言って積み上がった中から一本の槍を取り出した。


「これなんだが、どうだ?」


 モーハンの手にした槍の長さは5メートル、軍制改革で僕とナルスが作った長槍部隊用の槍だ。

 ただ普通の槍と違うのは、先端の槍の下に鎌が付いているところ。


「ほう、なかなかいいじゃないか」


「妙な槍だな。しかしこれがカルロ辺境伯からの注文ってのは本当か?」


「ああ、間違いない。辺境伯から料金だって届いているだろ?」


「そりゃそうなんだが、あんた辺境伯とはどういう関係なんだ?」


 えっと……本人です。

 ドッヂが聞いてたらきっと変な反応を示したに違いない。

 表に残してきてよかった。


「まあそこはいろいろと、な。聞かない方がいい」


「オリハルコンの剣の時もそうだが、あんたにゃ色々裏がありそうだ。だがまあ俺としてはちゃんと料金さえ払ってくれたら文句はねえよ。こうして毎回好物も持って来てくれるしな」


 そう言ってモーハンは僕が持ってきた火酒をラッパ飲みにした。

 おいおい、まだ昼間で仕事中だぞ。

 ドワーフだから酒には強いんだろうけども。


「済まんが、今出来上がっている分を近衛隊の武器庫に運び入れてくれ。話はついてるから」


「おう、了解だ。明日には運ばせとくぜ」


「悪いな、じゃあいい年を」


「あんたもな」


 こうして僕は鍛冶場を出た。

 

「終わりましただか?」


「ああ、次は例の隠れ家に行く。そこまでついて来てくれ」





 僕がこの年末年始に自由な時間を欲しかった理由はただ一つ。

 それはエルサとゆっくり過ごす時間を作りたかった、それだけだ。

 何とか今年中にDDTだつどうてい問題に決着をつけてやる!

 幸いドッヂはエルサの事も隠れ家の事も知ってるからな。

 ここにいる間に屋敷やその他で問題が起きたら知らせてくれるよう、ドッヂに頼むつもりだ。

 その事を説明しつつ歩いて隠れ家に着いた。


 コン、コンコン、コン

 ドッヂを待たせ、あらかじめ決めてあった合図通りに扉をノックする。

 すると中で何かバタバタした音が聞こえた後、扉が開いた。


「エルサ、しばらくぶりだな」


「暁さま、お帰りなさいませ」


 エルサが迎え入れてくれたが、なんだろう、どことなく焦っているような。

 それに奥に誰かいるような気配がする。

 ははーん、さてはまた三日月辺りが押しかけてるんだな?


「誰かいるのか?」


「あ、はい、あのう……」


 エルサはちょっと不安そうに僕の顔を見上げている。

 どうしたんだろう?

 まさか浮気相手とか?!


「以前、暁さまにおっしゃっていただいたことに甘えて……」


 僕が言った、ってなんだ?


「おじいさんとおばあさんをこちらに呼んでしまったのですが、よろしかったでしょうか?」


 そう言ってエルサは僕の答えを待っている。

 ああ、確かに言ったね。

 それは全然いいんだけど、よりによって今かあ。

 でも呼んでしまったものは仕方ない。

 追い出せなんて言えるわけもないし。


「ああ、もちろんだ。俺が呼べと言ったんだからな。良かったな、家族で過ごせて」


「はい! これも全て暁さまのお陰です。あの、ご紹介させて頂いてもいいですか?」


「そうだな、紹介してもらおうか。だがその前に例の仮面を取ってきてくれるか?」


「あ、はい。いまお持ちします」







「――ほんとうになんとお礼を申せばいいか」


「いや、気にしないでくれ。俺はエルサの喜ぶ顔が見たいだけだからな」


「エルサは本当に良い方の嫁になれて幸せもんじゃなあ」


 えっと、嫁って何のことでしょう?

 なんかエルサも頬を赤くして照れてるし。

 そりゃ愛人とか言えないのも分かるけどなんか違う話になってないか?

 それにここって普通まず仮面に突っ込む場面でしょ!

 こんな変な仮面かぶった男を大事な孫娘と結婚させちゃっていいの?


「いやあ、この仮面もなんだか高級そうで品があるわいなあ、婆さん」


「本当ですよお爺さん。しかもお店まで出してもらえるなんて、なんて孝行な婿さまでしょう」


 アンタらきっちりはっきり明らかに金目的やないかい!

 さすが商売人、孫娘を使ってガッチリ儲けようってか。

 こりゃ絶対に僕がカルロだってバレる訳にはいかないな。

 婿が領主だ、なんてことになったらどれだけたかられるか。

 エルサにも黙っておくようにもう一度しっかり念を押しておこう。


「とにかく近いうちに手頃な店と家を探して移ってもらうといい。それまではここに居てもらっていいからな、エルサ」


「まあ、ほんとうに有難うございます。それで、今日は何のご用事でしたのですか?」


 そりゃあ君の処○をもらいに……って言えないよね!

 

「いや、仮面と剣を取りに来た。またしばらく旅に出るのでな」


「こんな年末にお出かけに? どうぞお体にはお気を付けくださいね」


「ああ、エルサも良い年をな。それとこれは年越しに使ってくれ」


 僕はここで過ごすために持ってきたお金をエルサに渡して隠れ家を出た。

 お爺さんとお婆さんは一緒に晩御飯をと勧めてくれたが丁重にお断りした。

 この二人にはこれ以上関わらない方がいい。





「あれ? カル、じゃなくて暁様、今からお出かけになられるので?」


 表で待っていたドッヂが不思議そうな顔で聞いてくる。

 

「ああ……予定が変わった。俺はしばらく旅に出る」


 泣いてなんかない、泣いてなんかないぞ。

 これはただ冬の風が冷たくて涙ぐんでるだけだ。

次話投稿は8時過ぎの予定です。

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