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作者が転生?!~りっぱな悪役になってやる!  作者: 梅田遼介
「軍事演習」編
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第67話「軍事演習Ⅴ」

たまには昼間に投稿してみます。

明日も投稿出来る予定です。

「さあ、始めましょうか」


 軍師のナルスの言葉でカルロも動き出す。


「ナルスは行かないのか?」


「私はどうも馬が苦手で。ここで結果をお待ちしてますよ」





「ではこれより出発する。全員列を崩すなよ。今までの訓練の成果を見せてくれ」


『おお!』


「途中で相手と遭遇しだいただちに戦闘に入るぞ。お前たちの力を見せてやれ!」


『おお――!』



 屯田兵たちの士気は高い。

 単調で苦しい訓練にも熱心に取り組んでくれた。

 行進するだけの練習がどんなにつまらないかは、僕自身学校でさんざんやらされたから良く知ってる。

 しかしそれがやっと手に入れた自分たちの土地を守るための訓練だと言うと、意味も分からないだろうにみんな文句も言わず頑張ってくれた。

 おかげでこの数カ月の間に彼らの動きは見違えるほどよくなっているらしい。

 といってもその訓練はほとんどFに任せきりだったから僕は聞いただけだけど。






 ――兵の進む速さから考えて、この辺りで相手と遭遇すると思います


 ナルスが地図で言っていた場所を思い浮かべながら進む。

 向こうは砦から隠れるために林の中を進んでいるらしいが、こちらは林に沿って草原を進む。

 歩きやすいうえに訓練されているのでより速さが出る。

 こちらの歩兵は全員5メートルと長い槍を持っているから、林の中を進むのは大変だろう。

 しばらくすると前から騎兵がやってくるのが見えた。


「報告します、敵はなおも林の中を進んできております。その数約200、約1.5キロメートル先です」


「こちらの動きに気付いた節はないか?」


「そのような気配はないものと思われます」


「そうか、ご苦労。引き続き索敵を頼む」


「ははっ!」


 その騎士は再び前に走って行った。

 よしよし、高機動偵察隊は十分に機能しているな。

 相手の動きが分かる分だけ有利だぞ。





「もうしばらくすると林の中を進む敵が見えてくるはずだ。合図があり次第、戦闘準備よろしく」


 僕の命令にも声を上げないように通達してあるから返事はない。

 でもうなずくその顔つきを見たら理解してくれているのが分かる。

 みんなよく訓練されてるよ。

 勝たせてあげたいよな、ここまでやってくれたんだから。



 

 そんなことを思いながらしばらく進むと、今度は林の中からまた別の騎兵がやってくる。

 僕は右手を上げて全員に止まるように合図した。


「報告! 敵はもうすぐそこです! 間もなくこちらの姿に気付くと思われます」


「分かった、では砦に報告を頼む」


「了解しました!」


 騎士は丘の上に向かって馬を走らせていった。


「みんな、間もなく相手がやってくる。頑張ってくれよ。戦闘準備!」


 僕の号令で戦闘準備態勢に入る。

 150名の歩兵たちは30名ずつの部隊に分かれ、10人3列に密集隊形で並ぶ。

 5メートルの長さの槍を持った5つの歩兵部隊が横に並ぶ後ろには100名の弓隊が控える。

 その状態で僕らは相手が来るのを待ち構えた。

 僕も木剣と盾を手にしている。






「ルーノス卿、前方に赤い旗の部隊が見えます! 敵です!」


 林の中を進むルーノスのもとに前を進んでいた騎士から報告が入った。


「なに? すぐ行く」


 ルーノスも慌てて馬を飛ばして様子を見に行く。

 そこにはカルロ自らが兵を率いている様子が見て取れた。


「この数、歩兵と弓兵のほとんどを連れてきたようだな。ここにいるという事は、我々の動きが読まれていたという訳か」


 この時ルーノスはまさか相手カルロが自陣を空っぽにしてきたとは思わなかった。

 

「しかしあの槍の長さは何でしょう。あれではまともに動けないでしょうに」


 同じく相手の様子を見に来た副官が呆れている。

 確かにカルロの連れた歩兵の持つ槍はとんでもない長さだった。

 正面から当たると厄介だと感じたルーノスは、一部の兵を迂回させて相手の側面を突くことにした。

 副官に50の兵を与え、林の中を進んで側面に回るよう命じる。


「いいか、ああいう相手は正面には強くても横の攻撃には弱いだろう。こちらが戦闘に入ったその時に側面から突っ込め」


「かしこまりました、ルーノス卿」


「こちらは何とかそれまで時間を稼ぐ」


「はっ」





 ルーノスは残りの兵たちを率いて林から出た。

 カルロが待ち構える正面に布陣する。


「カルロさま、我々の動きを読んでおられたとはさすがです!」


「ナルスの読みが当たっただけで、俺は何もしておらんよ」


「またご謙遜を。しかも何ですか? その途方もなく長い槍は」


「それはまあ戦ってみればわかるさ」


「そうですね、ここは通して頂きます」


「それがそうも行かないのだ。ここを抜けられたらもう後ろに兵はいないのでな」


 カルロのこの言葉に嘘はない。

 この後ろにはナルスがただ一人いるだけなのである。


「騎士がいない歩兵、弓兵の働きがどんなものか、見せて頂きましょう」


「いいだろう、ではそろそろはじめようか」





 カルロの言葉にルーノスもそろそろ別働隊の準備も頃合いだろうと判断した。


「では、参ります。全員、突撃!」


『おおおおお!』


 雄叫びと共に騎士たちに率いられた青の軍勢たちが突撃を開始した。



 

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