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作者が転生?!~りっぱな悪役になってやる!  作者: 梅田遼介
「迷宮探索」前編
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第54話「亡霊」

今日も何とか投稿します☆

アンデッドとかファンタジーっぽくありません?w

「なんかあったら助けてくださいよ!」


「お頭、姉御、もし死んだらぜってえ呪ってやるからなぁ」


 先輩二人は涙ぐんでるが、残る僕らは全員知らんぷり。


「ほら、ごちゃごちゃ言わないでさっさと行けよ!」


 三日月の無情な一言で仕方なく、先輩たちは扉を開けて奥へと入っていった。


「お前から行けよぉ」


「こら、押すなよ、並んで行けばいいだろ。大体いつもお前そう――」


 こんな時でも仲いいですね、先輩。




「なあみんな、アンデッドとやったことはあるか?」


 先輩たちが行った後、三日月が残った僕らに問いかける。


「俺はない。クノップ、ピック、お前たちはどうだ?」


「アタイはありませんよ。大体気持ち悪いじゃないですか」


「ボクもありませんね」


 みんな戦った経験はないみたいだ。


「三日月、お前はあるのか?」


「そりゃダンジョン潜ってりゃな。でもやっぱあんま気持ちのいいものじゃねえな」


「どうやって戦うんだ?」


「アンデッドって言っても、ゾンビ系の肉体のある奴、スケルトン系の骨だけの奴、レイスや悪霊系の精神体の奴に分かれる」


「それぞれ対処のし方も違うんですか?」


 三日月にクノップが質問する。


「そりゃそうだ。ゾンビ系の奴は普通に剣なんかで攻撃できる。こいつらは意志が残ってる場合もある。見た目がグロいがその辺のモンスターとあまり変わらねえな」


「スケルトンはどうなんだ?」


「あいつらは骨だけだから剣で斬ってもあまりダメージを与えられねえ。バラバラにしてもすぐ復活して襲ってきやがる。中にはスケルトンソルジャーって言って武器や盾なんかを装備してる奴もいて、かなり厄介だ。突きはほとんど意味ねえな。完全に叩き壊すか、手っ取り早いのは火で燃やしちまう事だ」


「という事は火の魔法が効きますね?」


「ああ。火の魔法はゾンビ系にもスケルトン系にも効く。あと一番厄介なのはレイスとか悪霊とかの精神体だ。こいつらは実体がねえから普通の武器はほとんど意味がねえ」


「火の魔法はどうなんだ?」


 僕の質問に三日月は顔をしかめて答える。


「ほとんど効かねえと思う。よっぽど高位の呪文なら分からねえがな。普通は対アンデッドの特殊効果の付いた魔法武器か、光か闇の属性魔法で攻撃するしかねえ」


 そう言って三日月は懐から妙な形にねじれた短刀を取り出した。


「これが対アンデッドの特殊効果の付いたナイフだ。正直、気休めみたいなもんだがな。これ一本で悪霊と向き合うなんざ御免こうむりたいね、オレは」


 そりゃそうだ、あれで攻撃しようと思えば思いっきり至近距離まで近づかないといけない。

 レイスだの悪霊だのとお近づきになんてなりたくないよな。


「そっか、ボクは光と闇の属性魔法は使えないからなあ。何とかできないかな」


 猫耳娘のクノップはぶつぶつ言ってる。

 他の属性全部使えるだけ凄いんだからいいよ。


「本音言えばオレもあんまりアンデッドは相手にしたくない。めんどくせえ上になんか気味悪いし、何より討伐してもあんまり金にならないことが多くて」


 やっぱり基本そこなんですね。

 ホントに三日月はお金が好きだな。


「なんか元は生きてたんだと思うと、倒すのもちょっと気が引けますよね」


 ピックが言うことも良く分かるけど、そんなこと言ってたら自分がアンデッドにされちゃいそうだ。

 作者が転生してアンデッドに、なんて物語を上手くまとめられる自信ないから気を付けないとね。

 



「アニキ達、大丈夫ですかね」


 ピックが心配そうに言う。

 なんだかんだ言ってやっぱり仲間なんだな。


「まあ大丈夫だろ。あんなこと言ったけど、そこいらにアンデッドがウロウロしてるなんてことはまずないし。例えあったとしてもアンデッドってのは大抵動きが鈍いもんだ。逃げて来るぐらいはあいつらにもできるだろ」


「へえ、アンデッドって動きが遅いのか」


 僕の質問に、そんなことも知らないのかと呆れた風に三日月が返事をした。


「全力疾走のゾンビなんて気色悪いだろうがよ。まあ動きが早いとしたらせいぜい上位のスケルトンとか――」


「ぎゃあああああああ!!!!」


 三日月がそこまで話したところで、扉の向こうから叫び声が聞こえた。





「走れ、走れ、走れぇぇぇ!」


「おかしらああああああああ!!!!!」


 叫び声と共に、先輩二人が必死の形相で部屋に飛び込んできた。


「お頭、来ます! あいつらが来ますうううう」


 二人は完全に涙目で、一目散に僕の後ろに隠れた。

 その直後、扉の向こうの廊下からガチャガチャ言う音が聞こえてくる。

 何か、それも大勢が走って近づいてくるような音だ。


「なんだ、何がいたっ?!」


 僕と三日月はすぐに立ち上がって剣を抜いた。

 僕は両手持ちの大剣、三日月は右手にシミター(三日月刀)、左手にはさっきの対アンデッドの短刀。

 クノップは鉄の杖を、ピックもレイピアを構えている。


「が、が、ガイコツ――」


 ベース先輩がそう言うと同時に骸骨の集団が部屋に走り込んできた。

 それぞれ手に剣やメイスなどの武器や盾を持っている。

 その数およそ10体、だがまだ奥から来るかも知れない。


「噂をすればなんとやら、スケルトンソルジャーかよ! しかもコイツら動きが速い」


 三日月が叫ぶ。

 動きが速いってことは高位のスケルトンだってことか。

 しかもこの数だ、油断できないな。

 火の魔法が効くって言ってたから、僕はペットの小トカゲサラマンダーのレウスを呼び出した。

 あれ、なんかちょっと大きくなってるような気がするけど、今はそれどころじゃない。


「ベース、ドラム、ピック、こいつらの弱点は火だ。そこらの棒切れに火を点けてぶん殴れ。クノップが火の魔法を使うから近づけさせるなよ」


「分かりましたッ!」


 普段から一緒に動いてる3人だ、連携には期待できるだろう。

 この場面ではクノップの魔法が一番効果的だろうからな。

 僕のファイヤーボールも当たれば効果あるだろうけど、相手がこの速さだと当たる気が全くしない。

 ファイヤーボールはあきらめて、僕は炎の剣の呪文を唱えた。

 瞬く間に大剣が炎に包まれる。

 さあこれで充分ダメージを与えられるはずだ。


 スケルトンたちは弱点である炎を見ても何の躊躇もなく踏み込んでくる。

 恐怖感がない、というかそもそもこれって見えてるのか?

 骸骨だから目玉がないし、そこら辺が不思議だ。


 そんなことを頭の片隅で考えながら剣を振っていく。

 それで一体を叩き斬ったが、返す刀は別の奴に盾で受け止められた。

 そこへ横から斬りかかってくる剣を慌てて受け止める。

 チクショウ、うっとおしいな。

 数が多いうえに動きが素早く、しかも剣の腕もなかなかのものだ。

 生きている時の技術を今も使えるんだろうか?


 僕の横では三日月が何体かを相手に戦っている。

 シミターで攻撃していったんバラバラになった奴が、しばらくするとまた元の形に組み合わさって復活してくるのが見える。

 魔法効果の付いた短刀は当たれば効果があるんだろうが、なにせリーチが短い。

 三日月はとどめだけを上手く短刀で仕留めようと苦労しているみたいだ。


 後ろでは「わっ」とか「このお!」とか言いながら何とか頑張っている。

 火のついた松明1本で剣を持ったスケルトン相手にしてるんだ、よく頑張ってるな。

 この先輩たち、思ったより強いよ。

 

 ゴォォォォ、ドカーーーン!

 時折クノップが放ったのだろう火球が飛んでスケルトンに炸裂している。

 この狭い中ではさすがに酸素は使ってないみたいだけど、それでも充分な威力だ。

 先輩たちやピックが上手くガードしてくれてるから呪文が効果的に使えてるな。


 ガシャーン!


 僕の振るった炎の大剣が相手にヒットした。

 スケルトンは炎に包まれて崩れ落ちる。

 よしよし、だいぶ数が減ってきたぞ。

 残るは2体、もう大丈夫だな。


「あと少しだ、気合い入れていくぞ!」


 そう言うと同時に三日月が右手のシミターで相手の剣を受け止め、左手の短刀で斬りつけた。

 それが相手に当たった瞬間、白く光ったかと思うとスケルトンは崩れ落ちた。

 そのまま復活する気配はない。

 凄いな、これが魔法武器マジックウエポンの威力なのか。


 最後の一体は僕の目の前にいた。

 盾をかざしているのも無視して、思い切り炎の大剣を叩きつける。

 剣は相手が持つ木の盾を粉砕して、そのまま相手の身体を叩き斬った。

 最後のスケルトンが炎で焼け落ちていく。


 よし、もう奥から出てくる気配はない。




「これで終わりだ、みんな良く――」


「あなた、いったい何してくれてるのよっ!」


 僕がみんなを誉めてやろうと思ったその時、後ろから鋭い声がした。 


 振り返ると、外の扉が開かれその前に全身黒い服を着た少女が立っていた。

 ビシッ! と音がしそうな勢いでまっすぐ僕の方を指さして。

 

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