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作者が転生?!~りっぱな悪役になってやる!  作者: 梅田遼介
「悪役転生」編
5/81

第4話「翌朝」

今日2話目の投稿です。

今回は説明回ですね。

出来るだけクドくならないように気をつけたつもりですが。

ブックマーク、評価などよろしくお願いします!

 クックドゥドゥ――!

 転生2日目。

 この世界で初めての夜が明けると共に、鶏の鳴き声で目が覚めた。

 中世ヨーロッパを舞台にしていると、鶏の鳴き声まで洋風に聞こえるのか、知らなかった。

 あ、でもこれって英語の鳴き方で、独語や仏語だとまた違うんじゃなかったっけ?

 まあいいか。


 それにしても朝早すぎ。

 夜寝るのも早かったけどね。

 なんせ夜は部屋の中が暗い。

 ロウソクじゃあ現代の生活に慣れた僕には暗すぎる。

 あれじゃあ本も読めないし、やっぱせめてランプぐらいは欲しいよな。

 そのために必要なのはまず油か。

 その辺も改善の余地がある。


 これだけ朝早いと人を呼ぶのも気が引けるけど、勝手に歩き回るのも気が引ける。

 自分の家、って言ってもこの家の中がどうなっているのか分からないし。

 誰か来ないかと思ってしばらく待ってみたんだけれど、来る気配はない。

 仕方ないから枕元の机の上の呼び鈴を鳴らしてみる。

 チリンチリン――

 出来るだけそっと鳴らしたつもりだったんだけど結構大きな音が鳴ってドキッとした。

 なんせ僕は小心者で気を使う性格なんだよ。

 でも今は横行闊歩おうこうかっぽな悪役、カルロ=ド=メリチ辺境伯。

 傍若無人に振るわなきゃいけないんだからこれでいいんだ、うん。


 そんなことを考えていると、ドアが開いてメイド服の中年女性が入ってきた。

 メイド頭のメリッサだ。

 カルロの最大の理解者で、本当にいい人だ。

 こんな時間にもう起きて仕事してるのか、大変な仕事だ。


「おはようございますカルロさま。食事になさいますか?」


「ああ、頼む」


 カルロらしく答えれたかな?

 自分が書いた小説のキャラクターの気持ちになる。

 普段やっていることのようで、実際にそのキャラクターそのものになると難しいものだ。


 メリッサとメイドのリオナが運んできてくれた朝食は、野菜サラダ(塩味)、ゆで卵(塩味)、パンに紅茶だ。

 紅茶に砂糖は入ってない。

 やっぱり食生活が……つらい。

 ゆで卵は好きなゆで具合だったけど、もうちょっと味にバリエーションが欲しい。

 これも僕が小説の中で料理を全部「塩味の」「塩焼きの」で済ましたつけだ。

 自業自得ってやつだから仕方ないけど辛い。


 そういえば、この塩ってどうやって作ってるんだろう。

 メリチ辺境領の南側は海に面している設定だったけど。


「メリッサ、この塩はどうやって入手してる?」


「東のイタリーニ王国から岩塩を輸入しております」


 塩田で作っているとかじゃないのか。


「という事は高価なものだな?」


「そうですね。でも生活には欠かせぬ物ですから」


「この辺りでは皆その岩塩を使っているのか?」


「わたくしの知る限りではさようでございます」


 なるほど、塩を作ることが出来れば儲かるかな。

 あとやっぱり胡椒ってバカ高いのかな?


「胡椒はどう?」


「胡椒は、南西のメリアナ大陸より運ばれております」


「ものすごく高いのか?」


「ものすごく、というのがどれほどか分かりませんが、かなり高価ですね」


「同じ重さの金と同じくらいの値段、とか?」


「アハハ、まさかそれほど高くはございませんよ」


 メリッサは口元に手を当てて、面白そうに笑った。

 なるほど、別ルートの新航路を探しに海に出るほどの値段ではない、か。


 ちなみにこの辺りの通貨単位は「ユロア」だ。

 この辺りの国々を合わせたエリアをユロア諸国と言い、その国々で共通して使われている通貨だ。

 金貨、銀貨、白銅貨、銅貨の4種類がある。

 1ユロア金貨=50ユロア銀貨=1000ユロア白銅貨=10000ユロア銅貨となっている。

 ちなみに価値は現代日本の通貨である円に換算すると1ユロア銅貨=10円だと思えばいい。

 金貨は10万円、銀貨は2000円、白銅貨は100円、銅貨は10円玉だという計算になる。

 分かりやすい。

 なぜこんなに簡単かというと、僕がそう決めたからだ。

 国別で通貨が分かれているのも面倒だったからね。

 あとめったに使われることはない白金貨というのもあって1ユロア白金貨=10金貨=100万円だ。


「カルロ様、おはようございます」


 朝ごはんを食べ終わると、ピカールがやってきた。

 

「おはよう、ピカール」


「本日は、昨日お話ししたフィッツモーリス=フィッツジェラルド卿が午後一番に参る予定です。それ以外はお怪我の後なので特に予定は組んでおりません」


「そうか。では午前中はピカールにいろいろと聞きたいことがある。いいかな?」


「もちろんでございます。なんなりとお聞きくださいませ」


 ピカールはうやうやしく頭を下げてくれた。

 眩しい、と思わず言いたくなったがそこは我慢する。

 僕ももう大人だからな。


 午前中、ピカールにはいろいろなことを聞いた。

 この辺境領内の事、景気や経済動向、この国フランツ王国とその首都リュアンの様子など質問は多岐にわたったが、ピカールはどれも上手くまとめて答えてくれた。

 ピカールは行政処理能力や財務管理能力に関して実に優秀な男だというのは知っている。

 僕が小説の中でそう書いたのだから当たり前だ。


 だがそのピカールも、外交や軍事、魔物や魔法のことになると全然チンプンカンプンだそうだ。

 言うまでもないけど、この世界には魔物が存在する。

 そりゃ魔王が出てくるんだからいて当然だよな。

 あとテンプレ通り魔法もある。

 炎、水、風、土、光、闇の6属性に分かれている。

 カルロは勇者カズマのライバルだけあって魔法も色々使えるはずなのだが、ピカールはカルロが魔法が使えるなんて聞いたことがないという。

 実際、僕は魔法なんてどう使うのか全く分からない。

 これも誰かに習う必要があるな。

 なんせ勇者の最強のライバルたるもの、魔法ぐらい使えないと困るよ。


「ピカール、誰か魔法の使い方を教えてくれる者はいないだろうか」


「魔法、でございますか。魔法を使えるといえばやはり魔法使いや僧侶と行ったところでしょうが、何のために魔法をお習いになるのですか?」


「いやそのうちダンジョンにでも潜ろうと思ってね」


 それを聞いた途端、ピカールの表情が変わった。


「とんでもございません!カルロ=ド=メリチ辺境伯様ともあろうお方が迷宮にお入りになるなど、メリチ家末代までの恥でございます!」


「え、そうなのか?」


「迷宮探索などというものは、冒険者などの怪しげな者どもが行うものでございます。カルロ様のような身分の高い方がなさることではございません」


 うーん、困った。

 僕の設定ではカルロはダンジョンでも一流の冒険者で、勇者と迷宮攻略のスピードを競う話もあるんだけど。

 この剣幕ではピカールはダンジョンに行くこと自体許してくれないだろうし、何か手立てを考えないとな。

 これじゃあ到底魔法使いの家庭教師も探してくれそうにないし、どうしよう。

どうでしたか?

出来る限りただ説明するだけの回や同じパターンの繰り返しは避けるつもりです。

明日は新キャラクターが登場します☆

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