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作者が転生?!~りっぱな悪役になってやる!  作者: 梅田遼介
「王都リュアン」編
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第39話「密約」

悲報ーー書き溜め無くなるーー

これまで何とか毎日投稿して来ましたが、とうとう貯金が無くなりました(涙

頑張って書いていくので、ブックマークや評価、感想などの応援よろしくお願いします!

 僕はフラウディアを連れて国王の居室に招かれた。

 僕らの前には国王とドルズ将軍、大臣のヴァルスがいる。


 ここが国王の居室かあ。

 さすがに豪勢な作りで重々しいなあ。

 あんまりリラックスできる雰囲気じゃないけど。

 まずはドルズ将軍が口を開いた。


「ゲルグのことだが、間違いないのだな?」


「はい、間違いありません。それにもう一つ陛下にお伝えしたい事がございます」


 僕にはさっきワザと言わなかったことがあった。


「ゲルグ子爵は裏でアルマンディー公と繋がっておりました」


「それは確かなことですか?」


 ヴァルス大臣が聞き返してくる。

 アルマンディー公レジュームと言えば今の国王の最大の敵だ、気にもなるだろう。


「それも本人の口からきいたことです。フラウディアは近いうちにアルマンディー公に引き渡される予定だったそうです。これは彼女自身も知っていることでしょう」


「フラウディア、そうなのか?」


 ヴァルス大臣の問いかけにフラウディアもはっきりと答える。


「子爵よりそう聞かされておりました。レジューム様のところに送るので覚悟をしておけ、と」


「ふっふっ、レジュームめ、この娘を餌に何か良からぬことを企んでおったに違いないわ」


 話を聞いていた国王が低く陰鬱な声で笑う。

 なんていうかほんとこういう暗い性格の人苦手だ。

 話をするだけで気分がめいるよ。

 そんな話をしていたところで突然扉が開いて人が飛び込んできた。


「お父様、フラウが、フラウディアが戻ってまいったというのは本当ですかっ?!」


「王女様……」


「ああ、フラウ、フラウ、無事だったのね! なんてこと……」


 飛び込んでくるなり涙ぐんでフラウディアに抱きついたのは見事な金髪の女の子。

 これが「あの」シャーロット王女に違いない。


「フラウ、あなたいったいどこにいたの? わたくしがどれほど心配していたか。無事なの?」


「申し訳ありません、王女様。里帰りの途中で良からぬ輩たちに捕まってしまいまして。でもおかげさまで無事に戻ってまいりました」


「まあ、やっぱり! お前が突然わたくしの前から姿を消すなど、なにか良くないことが起こったに違いないと思っていました。ですから兵を出して頂くように大臣や将軍に何度もお願いしたのに!」


 王女はそう言うとヴァルス大臣やドルズ将軍をキッと睨んだ。

 これはとてつもない美少女だけど気が強そうだな。

 顔が整っている分よけいに睨んだ顔が怖いよ。


「まあそう言われましても、動こうにもなにぶん何の証拠もなく……」


 大臣は焦って答えるが王女はそんなの聞いちゃいない。


「大変だったのねフラウ。でも良く逃げ延びてきたわ。どうやって逃げたの?」


「こちらにいらっしゃいますメリチ辺境伯さまにお助け頂いたのです」


 フラウディアのその言葉で王女は初めて僕に気が付いたようだ。

 そんなに存在感ないかな、僕。


「これは初めてお目にかかります、辺境伯さま。王女のシャーロットですわ」


「カルロ=ド=メリチと申します。国王陛下より辺境伯という過分な地位を頂いております。田舎者ですので無礼はどうぞお許しくださいませ」


 僕は目一杯カッコを付けて礼をした。

 ちょっとシャクだけどルーノスのを参考に。

 あいつはモテるからな。

 とにかくこの王女様に嫌われちゃマズイ。


「フラウディアをお助け頂いたとか。心より感謝を申し上げます」


 王女は優雅に礼をして微笑みかけてくれた。

 やばい、これはまさに天使の微笑み。

 惚れちゃだめだ、惚れちゃだめだ、惚れちゃだめだ。

 この娘は将来、勇者と結婚するんだから。


「いえ、国王陛下の忠実なる臣下として、王女殿下のお役にたつのは当然でございます」


 僕がそれに礼をして返すと、横から陰気な声が飛んで来た。


「ふん、忠実なる臣下とな、心にもないことを。そちも余の事を快くは思っておらぬだろうが」


 うわ、この国王めっちゃ歪んでるぞ。

 これをどういう風に懐柔したもんかな。

 ……

 ……うーん、面倒だ、正攻法で行ってやる!


「その事でございますが、陛下」


「なんだ、申して見よ」


「陛下がいま中央集権のための改革を図っておられることは私も存じております」


「ふふ、誰も余の言葉に耳を貸そうとはせぬがな」


「諸侯の中には陛下のご意向に従わぬ者も多いとお聞きしております。そこでこのカルロ=ド=メリチ、陛下に申しあげたき事がございます」


「だからそれを申せと言っておろうが」


 国王はこのやり取りに明らかにいらだっている。

 また貴族が自分の改革に反対しようとしている、と感じているんだろう。

 僕はわざと回りくどい話し方で国王を焦らして、一呼吸置いてから話を続けた。


「このカルロ、もし陛下の改革実現後も本領を安堵して頂けるという確約さえ頂けますのであれば、陛下の改革実現に心より賛同し、陛下をお守りする盾となりたいと思っております」


 僕がひざまずいて頭を下げてこう言うと、国王はしばらく黙っていた。


「……そちは余に肩入れしようと申すのか」


「はい、もちろん領地と身分を保証して頂ければ、ですが」


「他の貴族のことはどうでも良いと言うのか?」


「私は陛下とこのフランツ王国、そして私自身にとって良い結果であれば他のことに興味はございません」


「ほう、自分以外の貴族がどうなろうと知ったことではないというのだな?」


 国王が意外そうな顔で聞き返してくる。

 将来の王位を狙っているカルロ、つまり僕にしては当然のことだけどね。

 自分のライバルになりそうな大貴族は減ってくれた方が好都合だ。

 国王の権威を使ってライバルになりそうな貴族を追い落とし、競争相手が減ったところで国王を捕えて王位を狙い、その最後の最後で勇者にやられて挫折、っていうのが僕が書いたカルロのシナリオなんだから。


「私は貴族と言っても新興の身、他の貴族の方々と親しくはありませんから彼らがどうなろうと構いません。むしろレジューム公からは疎ましく思われていることが今回の事件ではっきりしました。かくなる上は陛下のお力を借りて、レジューム公をはじめとする彼らと対抗したいというのが私の本音でございます」


 僕はそう言ってわざとニヤリと笑って見せた。

 自分の下心を素直に見せた方が無駄な駆け引きをせずに済むかな、と思ってのことだ。

 はたしてそれは上手く行ったようだ。


「面白い、そういう事であれば余もそちと手を組むことはやぶさかではない。うわべの追従や綺麗ごとであれば到底信ずるに値せぬがな。カルロよ、余に手を貸すにあたって何か条件があろう?」


「はい、もちろん私からは非常時に兵をお出しいたします。その兵を充実させるために新たな軍を組織するお許しと、軍を速やかに動かすために我がバルハムントと王都との間の道を舗装するお許しを頂きとう御座います」


 貴族が勝手に軍を組織することは国王にとって脅威となるために基本的には禁じられていると聞いた。

 同じ理由で道の舗装も許されていないそうだ。

 たしかに未舗装の道路なら貴族が兵を挙げても王都まで時間が掛かるからな。

 

 カルロにとって今後起こるに違いないバルバロイとの戦や諸侯との争い、さらに国王へのクーデターのためにこの二つの条件はぜひクリアしておきたい。

 国王にとってもカルロの兵が弱いのでは話にならないし、王都に来るまでに時間が掛かるのも困るはずだからOKするだろう。


「ふむ、良かろう。ではその辺りはヴァルスと話を詰めておけ。良いな、ヴァルス」


「かしこまりました」


 ヴァルス大臣との細かい交渉は軍師のナルスに任せるとしよう。

 さあ、僕にはもう一つ何とかしなきゃいけない条件がある。


「陛下、恐れながらもう一つお願いがございます」


「申して見よ」


 僕は深呼吸した。

 あー、緊張するなあ。


「私の立場を明確にし、国王陛下の側に立ってアルマンディー公に立ち向かう為の名分めいぶんを頂きとう御座います」


「なるほど、名分か。それで何が欲しいのだ?」


「私は独身にございます。もし出来ますならば、そちらにおわしますシャーロット王女殿下を」


「シャーロットを妻に寄越せと申すのか?」


 国王の言葉のトーンが一段と低くなった。

 横で聞いていたシャーロット王女の目は驚きで真ん丸になり、ヴァルス大臣もドルズ将軍も予想外のことに仰天しているのが分かる。

 さあここからが正念場だぞ、カルロ。


 

書き溜めが無くなったので、これからは毎日投稿は難しいと思います。頑張って書いていくので、応援よろしくお願いします☆

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