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作者が転生?!~りっぱな悪役になってやる!  作者: 梅田遼介
「王都リュアン」編
33/81

第31話「事件」

今日から新しい一連のストーリーが始まります!

カルロが出合う事件とは?その真犯人は?楽しんでもらえたら嬉しいです☆

 その日、僕は朝から来客の相手をしていた。


「いやあ、カルロ様の剣の腕前、儂もこの目で見たいものでしたな」


「いずれ披露する場もあるやもしれん。まあ戦は無いに越したことはないがな」


「全くですなあ、ホホ」


 僕の目の前にいるのはゲルグ子爵。

 メリチ辺境伯領に隣接する小さな領地を持つ貴族だ。

 地位は違えど同じ貴族同士で家臣ではないが、規模の差が大きいのでうちの経済圏に組み込まれている。


 ゲルグ子爵は見た感じの年は60代前半、いかにも温和そうな人物だ。

 長い白髭を生やしサンタクロースのイメージにピッタリ。

 笑うとただでさえ細い目が線のようになるところもいかにも優しそうだ。

 中身も人格者で、貧しい人々に施しをして民衆から尊敬されているらしい。


 子爵なので貴族としてそれほど位が高い訳ではないが、古い家柄の貴族であるにもかかわらず新興貴族であるカルロに親しくしてくれている。

 守旧派の大貴族との争いの時に力になってもらえるよう、関係を大事にしたいところだな。


「では儂はそろそろ帰ります。これから寒くなりますゆえ、お体に気を付けて下され」


「それは貴公の方だ、ゲルグ。体をいたわれよ」


「有り難うございます、カルロ様。では失礼いたします」




 ゲルグが出て行った後、僕は適当な理由を言って屋敷を出て、隠れ家に向かった。

 念のために覆面をして隠れ家に入ると、そこにはピックが待っていた。


「どうしたピック、何か用か?」


 素顔を見られないように仮面を付けてピックに尋ねると、ピックは難しい顔をして答えた。


「ベースとドラムの兄貴たちから連絡です。どうも最近、妙なことが起こっているらしいんです」


「妙なこと、ってなんだ?」


「それがアタイにも良く分からないんですが、野ウサギ団に罪をなすりつけようとしてる奴がいるっていう話で」


「なんだそれ?」


 僕はとりあえずピックを連れて野ウサギ団のアジトに行ってみることにした。




「それで、どういう事なんだ?」


「あっしらにも良く分からねえんで。ただあっしらの名を騙って悪どい事をやっている奴がいるみたいなんです」


 僕の質問にベースが答えるが、まったく要領を得ない。


「ドラム、どういう事だ」


「はい、俺たちの名を騙ると言っても、野ウサギ団と名乗ってるわけじゃありません。『街道の盗賊』と名乗っている奴らが誘拐を繰り返しているらしいんです」


「そ、そうなんでさあ。見た目の美しい女ばかり誘拐して身代金を奪っておいて、その人質は返さねえ。しかし身代金を払わなけりゃその人質の女が殺されているところを発見される、っていう寸法で」


「街道の盗賊って言うとお前たちの前の呼び名か。……一つ確かめておくが、それはお前たちがやった訳じゃないんだな?」


「も、もちろんでさあ!俺たちは暁のお頭に従ってから金輪際、誘拐なんてことはやっておりやせん!」


 先輩たちには前科があるからねえ。

 まあでもここは言ってることに嘘はなさそうだ。


「それでその犯人たちが街道の盗賊を名乗ってる、と」


「そうなんです。で、世間ではすっかり俺たちがやってることにされています」


 それはまあ自業自得だよな。

 でもそのせいで野ウサギ団が潰されるようなことがあると僕も困る。

 せっかくできた悪の裏組織なんだからな。


「状況は分かった。お前たちはその誘拐事件の犯人について探ってくれ。だがくれぐれもそれ以上の勝手なことはするなよ」


「「分かりました!」」


「それはそうと、駅伝の方はどんな感じだ?」


「これが結構いい稼ぎになります。お頭の言う通り馬を何頭か買って、王都との街道沿いに駅をいくつか作りました。これを馬でつなぐと、王都まで2日掛からずに行くことが出来ます」


 ほう、いままで早馬でも3日は掛かっていたらしいからなかなかの短縮だな。


「そうなんでさあ、これが結構人気がありやして。恋文だの薬だの、多少高くてもいいから急ぎで届けて欲しいっていう連中がいるもんなんですねえ」


「そうだろう。情報集めの方はどうだ?」


「前にお伝えした小麦の出来栄えの情報以外、今のところこれというものはありません。ただ王家と有力貴族との間はいよいよ剣呑な雰囲気ですね」


 そうか、ならそろそろ王家に接触して王女との婚約へ向けた運動を始めてもいいかもしれない。


「手形を持たない隊商を襲う件はどうなんだ?」


「そうだ、お頭、ちょっとこれを見て下せえ」


 ベースの奴はそう言うと、奥から嬉しそうに黒い布を持ってきた。


「お頭の仮面を参考に、みんなこれを作りましたんで」


 そう言うと真っ黒のその布を被って見せた。

 それは頭からすっぽりとかぶると鼻から上を隠し、目の部分が開いた覆面になっている。

 ちょうど覆面レスラーがかぶっているマスクに似ている。


「これで隊商を襲うとみんなビビってすぐ金を払いやがります。手形を持ってない奴らは関所を避けて街道の裏をこそこそ通ろうとしやがりますからすぐに分かるんでさあ」


 ……それはいいけど、それかぶったら完全に悪の軍団の戦闘員ですよ、先輩。


「どうです?なかなかカッコいいと思いやせんか?」


「あ、ああ、良く似合ってるな」


「そうでしょう、やっぱりお頭の下で働くなら俺たちも仮面かぶらないとねえ!」


 まあ先輩たちがそれでいいなら良しとしておこう。




 野ウサギ団のアジトを出た僕は、冒険者ギルドを覗いてみた。

 するとギルドホールで三日月が僕を待っていた。

 珍しく胸当て(ブレストプレート)を当てずに軽装だが、谷間が見えるのはいつも通り。


「よお、暁の旦那。待ってたぜ」


「どうした、三日月。何の用だ?」


「なんだか面白い情報を掴んでな。きっとアンタなら興味があると思ってね」


「ほう、どんな情報だ?」


「おっと、ただでは教えられないよ。金貨5枚くれよ。そうじゃなきゃ教えられないな」


 金貨5枚とはまた吹っかけたな。

 それだけ価値のある情報だってことか。

 僕は金貨5枚を三日月に渡した。


「ありがとよ!実はな……」


 三日月は急に声を潜めて僕に顔を近づけた。

 やばい、顔が超近くて三日月の息が僕の顔に掛かる。

 急に僕は自分の口臭が気になりだした。


「最近、オレに極秘の仕事を頼みたいっていう奴が来たんだ。オレが金次第で何でもやるという話を聞いたそうだ」


 今朝しっかり歯を磨いたから大丈夫だよな、たぶん。


「で、どんな仕事か聞いたんだが詳しいことは引き受けてからでねえと言えないんだと。報酬は最低で金貨10枚、仕事の出来によってはそれ以上払うってことだった」


 それにしても三日月の息はいい匂いがするなあ。

 ああ、それに唇も柔らかそうだ。


「オレがちょっと考えさせてくれ、あと仲間を誘っちゃいけないかと言うと、金の為なら何でもするって奴で口が固けりゃ誘ってもいいって言うんだ」


 しかもその顔の向こうには見事な丸みが2つ。

 しかも乗りだしてるから丸みが机に乗っかってる。

 まるで柔らかいお餅、いや鏡餅が2つあるみたいだ。


「どうだ?面白そうだろ?だからアンタを誘ってみようと思ってさ。やるよな?」


「そうだな、久しぶりにお餅食べたいな」


「はあ? 何だそれ? 人が真面目に話してるのに食い物のこと考えてたのか? ちゃんと真面目に聞けよっ!」


「ああ、すまん。ちゃんと聞いていた。もちろんやるさ。どうもきなこ……じゃなくてキナ臭いからな」


「フン、まあいいや。じゃあオレが今日中に相手にコンタクト取っておくから、明日もう一度来てくれ」


 うーん、怒る時もプルンプルンするんだな。

 やっぱりあの山は人工じゃなくて自然の物だったんだ。

 素晴らしい眺めだよ。

どうだったでしょうか?ここから当分この事件の話が続きます。感想、評価なんかもらえたら嬉しくて泣きますw

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