表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
作者が転生?!~りっぱな悪役になってやる!  作者: 梅田遼介
「悪役転生」編
2/81

第1話「転生?」

本日2話目の投稿です。

初めてのラノベの出版記念の食事会の帰り道に事故にあったリョウスケが目覚めるとーー


ブックマーク登録して下さった方、ほんとーにありがとうございます!

これから頑張って投稿して行きますので、ヨロシクお願いします☆

 目を覚ますと、僕はベッドの上に寝かされていた。

 一瞬何処にいるのかわからなかったが、すぐに気を失う前の記憶が蘇ってきた。

 そうか、車に跳ねられて病院に運ばれたのか。

 気付くと頭や右手には包帯が巻かれているし、右の頬にも大きなガーゼが貼られて顔中ぐるぐる巻きだ。

 赤信号を無視して車に跳ねられて、宙を飛んだところまではなんとなく覚えている。

 そりゃ大怪我するよ、あれだけの事故で生きてるだけでラッキーだな。

 でも手がこれでは更新もままならない。

 というよりまずこの病院ってパソコンとかスマホって使えるんだろうか。


 それにしても何というか、古風な感じの病院だ。

 アンティーク風で重々しい感じ。

 そういやこれ個室だよな、しかもめっちゃ広い。

 母さんそんな無理しなくても良かったのに。

 迷惑掛けちゃったなあ。

 それとも僕はそれだけ重症だったんだろうか。


 そんなことを考えていたら、ヤバイ、トイレに行きたくなってきた。

 母さんも看護師さんもいないし、どうすればいいんだ?

 この部屋トイレついてるのかな?

 誰か呼んで聞こうにもナースコールも付いてない。

 立ち上がっていいのかどうかも分からないし。


 仕方ないから大声で誰か呼ぼうと思って口を大きく開けたら――

 イテッ!

 ガーゼが貼られている右の頬に痛みが走った。

 何か引っ張られたような、引きつった感じの痛み。

 だいぶ縫ったのかな、顔に傷とか残ったら嫌だな。

 でもそれより今はトイレに行きたい。

 そんな時、枕元の小さな机の上に呼び鈴、っていうのかベルが置いてあるのに気付いた。

 それを手にとって鳴らしてみる。

 チリンチリン――

 しばらくするとドアがガチャっと開いて、女の子が顔を出した。


「すいません、オシ――」


「目を覚まされたのですねっ! ただいまメリッサさまを呼んで参りますので!」


 看護師さんだろうか、女の子は走って行ってしまった。

 せっかちだな、でも結構可愛かった。

 正直、今の僕は結構いっぱいいっぱいだ。

 僕が小学校の低学年くらいだったら、それこそ内股でぴょんぴょんそこらへんを跳ねていてもおかしくないよ。

 それをこれだけポーカーフェースでいられるんだから僕も大人になったものだよな。

 ……少なくとも表面上はね。

 まあ22歳にもなってオシッコ我慢して飛びまわってたらだいぶ問題だよ。


 そんな事を考えて気を紛らせながら待っていると、何人かの足音がして人が入って来た。

 先頭で入ってきたのは大柄でふくよかなおばさんだ。

 婦長さんというところかな。


 その後にはさっきの女の子が付いてきている。

 二人とも看護師さんというよりメイドさんみたいな格好をしている。


「ああ、お目覚めになったのですね」


 婦長さんが涙ぐんでいる。

 喜んでくれるのはありがたいんだけど、もうギリギリだ。


「あの、トイレに行きたいんですが」


「これは気づきませんで。レイナ、あれを取ってきて」


 僕が言うと、婦長さんは驚いた様子で後ろの女の子に指示を出した。

 あれってまさか……。


 女の子が持ってきたのは、やっぱり尿瓶しびんだった。

 いやいや、尿瓶とか使ったことないし。

 そう思ってると婦長さんは布団をはいで、寝間着のズボンを脱がそうとする。

 いやいやいやいや、女の子もいるのにそれは無理でしょ!


「自分でやるから」


 慌ててそう言ったけど、婦長さんはきっぱりと首を横に振った。


「何をおっしゃいます。私たちがやりますのでどうぞ楽になさってて下さい」


 楽にも何もこんなの無理だ……と思ったけど言い争おうにも僕は限界だった。

 屈辱に耐えて身を任せる。

 ああ、なんという仕打ち。

 顔を背けて目線を合わさないようにして……僕は力を抜いた。

 全部見られてしまった。

 体は楽になったが僕の心はもうズタボロだ。


 すべてが終わった後、僕はぼう然として宙を眺めていた。

 尿瓶はレイナと呼ばれた女の子が持って行ってくれたようだ。

 ちょっとかわいい子だと思ったけど、もうそれも全部どうでもいい。

 あんなところを見られたあとで、仲良くなってどうこうとかありえないし。

 ただでさえ彼女いない歴=年齢だっていうのに。

 入院中に可愛い看護師さんとラブラブ、という重大イベントのフラグが初日にいきなりへし折られるとはなんて不幸なんだ。

 もうこの入院に夢も希望もないよ。


「失礼いたします」


 そんなことを思っていると、男の人の声がした。

 扉に目を向けると、そこには中年の男性。

 お医者さん……にしては服装がちょっと変かな。

 痩せていて背は175センチぐらいで眼鏡をかけた真面目そうな男性。

 真っ黒な服に蝶ネクタイまで付けている。

 何より目立つのはその頭。

 何というか……その、見事なアレだ。

 アレというのは、その、ハゲてる。

 完璧にツルツルだ。

 つい視線がそこに行かないように気を使うな。


「お目覚めになられたのですね。よろしゅうございました」


 頭がアレな男性が深々と頭を下げた。

 いや、そんなことしたら余計目立つから。

 ついまじまじと見てしまった。

 頭を上げた瞬間に目があって慌てて目をそらしてしまう。

 見てたことがバレたかな?


「しかし、落馬されたとお聞きした時は驚きました」


 なんだか堅そうな話しかただな。

 生真面目そうで苦手なタイプだ。

 ……って、え?

 今ラクバって言った?

 ラクバって馬から落馬する、の落馬?

 僕馬になんか乗ったことないんですけど。


「えっと、交通事故にあったんじゃあ……」


「コウツウ? 交通とは一体?」


 二人で顔を見合わせてお互いに???状態になっていると、横から婦長さんが助け舟を出してくれた。


「ピカールさま、カルロさまはお怪我をされて気を失っておられたのです。気が付かれたばかりで混乱されておられるのだと思いますわ」


「なるほど、これは失礼いたしましたカルロ様」


 ピカールと呼ばれたこの男の人は胸に手を当てて丁寧に頭を下げてくれた。

 うーん、なんとも見事なツヤと輝き。

 ……そうじゃなくて!

 今なんて言った?

 カルロ様?

 カルロ様ってあれ?

 ピカールっていう名前もなんか聞いたことあるような。


 ……

 ……

 ……

 ピカールってカルロの執事の名前じゃないか!


 ――僕の小説「勇者転生」の悪役、カルロ=ド=メリチ辺境伯。

 そのカルロの執事がピカールだ。

 謹厳実直を絵にかいたような男で行政処理能力も優秀だが、何よりの特徴はその頭。

 見事なまでに禿げあがった頭のせいで、口が悪いカルロから「ハゲ、ハゲ」と呼ばれ続けるという可哀そうなキャラクターだ。

 もちろんその名前も容姿からのイメージで付けた。

 そのキャラクターそっくりの人が目の前にいて、僕を「カルロ様」と呼んでいる。


 僕は事故で頭を打っておかしくなっているのかな?


 もしこれが僕の小説の中の世界だとすれば、この婦長さんみたいな人はメリッサかな。

 メリッサはカルロの城のメイド頭だ。

 その行いでみんなに嫌われ、避けられ、裏切られていくカルロを最後まで支えるキャラクター。

 カルロの母親代わりと言ってもいい。

 昔カルロに助けられたから、とだけ書いて細かい理由までは設定してない。

 そう思って見るとたしかにメリッサのイメージにぴったりだよ。

 そういえばさっき女の子が「メリッサさまを呼んできます」なんて言ってた気もするな。

 勇気を出して試しに呼んでみた。


「あ、あの、メリッサ」


「まあ、カルロさま、わたくしの事はお分かりになるのですね!」


 ものすごく嬉しそうに両手を胸の前で組み合わせて僕を見つめている。

 ……うわー、やっぱりこの人はメリッサだ。

 ここは僕が創り出した小説「勇者転生」の中の世界なんだ。

 僕はそう確信した。

 でもそんな事って……僕はどうすればいいんだ?!


いかがでしたでしょうか?


今日は初日なのであと1話投稿します。

22時過ぎになる予定です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ