プロローグ
本日より新しい小説を投稿します!
これは僕の体験をもとに書いております(嘘
ちょっとでも面白い、続きが気になると思った人はブックマークや感想、評価付けてもらえると泣いて喜びます!
今日(11/5)から2週間は毎日2話投稿する予定です。
今日は初日なので3話投稿します!
楽しんでもらえたら嬉しいです。
「うーん、今日は飲みすぎちゃったな」
僕の名前はリョウスケ、22歳のラノベ作家の卵である。
「卵」というのは、今日初めて僕のラノベが発売されたばかりだからだ。
以前から「作家になっちゃおう」という無料の作品投稿サイトにいくつか自作の小説を投稿していた。
どれもたいして人気は出なかったんだけど「勇者転生」という小説が多くの「いいね!」やお気に入り登録を集めて連載途中にもかかわらず出版が決まり、今日がその第1巻の発売日だったんだ。
僕が初めて出版にまで辿りつくことが出来た作品「勇者転生」は、高校生のカズマが異世界に転生して勇者となり、最終的には魔王を倒す(予定)というテンプレ的な転生もののファンタジーだ。
なぜそんな典型的な小説に人気が出たのかといえば、主人公と対立するライバルの悪役にポイントがあったと思う。
彼の名はカルロ=ド=メリチ辺境伯。
主人公である勇者を最初から危険視し、妬み、対立し、それが理由でとうとう魔王の配下となるが、結局は主人公に負けて改心する(予定)というキャラだ。
現実世界の僕は22年間彼女なしのガリヒョロで人と対立するのが苦手、嫌なのについ人の顔色を見て合わせてしまう性格。
だからこそ自分と正反対の豪放磊落、傍若無人、自由奔放、乱暴狼藉、酒池肉林の限りをつくすカルロに自分の妄想の限りをつぎ込んだ。
普通なら主人公に自分を重ねることが多いと思うが、僕はカルロに強い思い入れを持って書いている。
すると何故だかその悪役カルロが人気を集めることになり、それがこの人気につながった。
今も読者の皆さんから届く感想の半分以上はカルロについての賛否両論だ。
「なんか頭がフラフラする。いつもお酒なんて飲まないからなあ」
今日は初作品の出版記念日という事で、担当編集者のサキヤマさんと食事会をした。
サキヤマさんもカルロのキャラがいい、と褒めてくれる。
これからが楽しみだとも言ってくれた。
「先生」なんて呼ばれると嬉しいけどくすぐったいな。
勧められて飲み慣れないワインなんか飲んでしまった。
僕は普段お酒なんか飲まないし、あまりお金も使わない。
今日もサキヤマさんに「先生、帰りはタクシー拾った方がいいですよ。足元がおぼつかないし」って言われたけど、もったいないから歩いて帰っている。
ちょっとフラフラ歩きながら今後の展開を考える。
これからいよいよカルロが魔王の手先に落ちていく。
まだいろいろカルロにやらせたいアイデアがある。
勇者であるカズマとの対立はどんどん激しくなり、世間からは非難を浴び、仲間に裏切られながらもなおも悪事をつらぬいて行くんだ。
ある意味カッコいいよな。
何とかこの作品をもっと盛り上げて本も売りたいし、いい形で完結させたい。そのためにはどんな展開がいいんだろう――。
そんなことを夢中で考えながら僕は歩いていた。
自分で思うよりもどうも酔っていたらしい。
ふと気づくと僕は赤信号の横断歩道を渡っていた。
「あぶない!」
そんな声で僕は我に返った。
右を見ると車のヘッドライトが迫っている。
あ――気付いた時には僕は宙を飛んでいた。
嫌だ、こんなところで死にたくないな。まだまだ書きたいことがあるんだ――。
プロローグ、いかがでしたでしょうか?
次話からいよいよ小説世界でのお話が始まります。
20時過ぎの投稿予定です。
応援、宜しくお願いします!