第25話 想いを重ねて
R18ギリギリな内容です。
苦手な方は飛ばしてください。
荷物の整理をミリーと二人で行い、いつもより早めの夕食を摂った。
そして俺は一足先に風呂をいただき、次に入ったミリーが上がって来るのを待っていた。
しかし、優雅にお茶を飲みながらとか、本を読みながらとかそんなにまったりしたものではない。
「ま、マジでするんだろうか……?」
そう。
俺は、今朝のミリーとのやり取りの中で、いわゆるR18な話をしたのを思い出していた。
ミリーにとってそれが軽い冗談のようなもので、すっかり忘れてしまっているのなら問題はない。
いや、問題がないわけではないが、ひとまずそういったことはない。
俺が一人で盛り上がってて恥ずかしいだけだ。
しかし、その、なんだ……。
もし、そうだとしたら、これから致すわけで。
だけど、ミリーが本当に致す気があるのかどうかは分からないわけで。
それを直接聞くわけにもいかないし。
かと言って、様子見をして素っ気ない態度をしてミリーに愛想を尽かされたくもないわけで。
そんな葛藤の真っ只中なわけです。
み、ミリーなら少し様子見をしてたくらいで愛想を尽かしたりしないだろう……。 つ、尽かさないよね? 大丈夫だよね?
ふと、風呂場のドアが開く音が聞こえた。
どうやらミリーが風呂から上がったらしい。
よ、よし!
……とりあえずは様子見で。
「あ、あの。 お待たせいたしました、レオ様」
「う、ううん、大じょ……う……っ!」
振り返った先にいたのは、身体から薄っすらと湯気を上げるミリーだった。
それだけならばいつもの通りの光景なのだが、いつもとは明らかに違う点があった。
「そ、その格好……」
そう、今日のミリーは薄いピンク色のネグリジェに身を包んでいた。 袖は二の腕あたりまでで、裾は膝よりも10センチ以上は上。
裾や袖には白いレースが施された、超ミニ丈のワンピースのようなデザインだ。
しかし、明らかに普通のワンピースと異なるのはその布の質で、服の向こう側が透けて、本来服が持つ機能をほとんど果たせていない点だった。
しかも、透けたネグリジェの内側には普段の清楚な雰囲気のミリーなら絶対に身に付けそうにない、とても妖艶な下着を身に付けたミリーの肌が見えていた。
これがギャップ萌えというやつだろうか。
清楚で純真なミリーが、黒地にピンクのレースの施されたエロい下着を身に付けている姿に、俺は釘付けになっていた。
「あ、あの、申し訳ありません! その、えっと、お洋服を買ったお店で見つけて、下着を買う時に、一緒に買ってしまいました! あ、あのあの、すぐに着替えて───ひゃっ」
俺の沈黙をどう取り違えたのか分からないが、両手で身体を押さえたまま逃げようとするミリーの慌てて抱き寄せる。
きっとミリーも今朝のことが本気だったのかどうか不安だったのだろう。
俺の反応がなかったから、恥ずかしさのあまり逃げ出しそうになっていたのかもしれない。
「着替えなくていいよ、ミリー。 とっても可愛い」
耳元に口を寄せ、そっと囁く。
吐息が当たってしまったからなのか、ミリーの身体が小さく震えるのがわかった。
「ねぇ、ミリー。 俺だって男だよ。 ミリーみたいに可愛い子に求められたら、たぶん歯止めが効かなくなると思う。 最後まで行くと思う───」
小さく深呼吸をしてから、言葉を続ける。
「───それでも、いい?」
俺の言葉に、ミリーが息を飲むのがわかった。
それだけでもう問いかけの答えとしては十分だったが、ミリーはしっかりと言葉にしようとしてくる。
「はい。 レオ様になら何をされても構いません」
頬を染め、両目に少しの涙を溜めながら、俺のことを真っ直ぐ見て答えてくれる様はすごくいじらしい。
まったく。 ミリーは一体どこまで魅力的なんだろう。
ミリー、絶対に君のことは手放さない。
手放したくない。
俺の前からミリーが消え去ったあの日。
出会って間もなかった頃にさえ俺の心の中にあったその感情は、今では俺の心を埋め尽くすほどに膨れ上がっていた。
両腕に力を込めて思いっきり抱きしめながら、ミリーの唇を貪る。
「ん……。 んっ。 ふぁ……んっ……」
互いの舌を絡めて想いを確かめ合う。
より深いところまでミリーを感じたくて、より深く舌を絡めた。
唇を離すと、二人の間に銀糸の橋ができた。
「ミリー、大好きだよ。 ミリーのこと、絶対に手放さないからね」
欲望のままに抱きしめる。
そのときの声は自分でも驚くほどに甘いものであった。
俺の抱きしめる力に応えるように、ミリーも俺の背中に回した手にギュッと力を込めてくれる。 ミリーの形のいい胸が俺の胸板に当たって形を変えるのがわかった。
「私も大好きです。 ずっとずっと、お側にいます。 私も、レオ様のことは絶対に離しません。 誰にもあげません」
耳朶をそっと揺らすミリーの声。
大人の女性と呼ぶには可愛らしく、少女と呼ぶには艶やかなその声は俺の理性一発で瓦解させるものであった。
「もう一回……」
獣のように、ミリーの口内を蹂躙する。
それに必死に応えようとしてくれるのが、健気で可愛い。
「……ふぅ。 ミリーとっても可愛い」
口を離して、そのままミリーと身体を離す。
ミリーのネグリジェ姿をもう一度しっかりと目に焼き付けるためだ。
「は、恥ずかしい……です」
耳を真っ赤にしながら、大事な部分を両手で覆う。
既にさっきたっぷりと見られているのだから、今さら隠す必要なんてないのに。
「ほら、せっかく自分で選んで買ったんでしょ? 隠してちゃ見えないよ」
「で、でも……」
「俺に見られるのは嫌?」
「そ、そんなことは………!」
「それじゃあ、見せてくれるよね?」
「……は、はいぃ」
もう顔どころか指先まで真っ赤にして、そろりそろりと隠していた両腕を後ろに回すミリー。
いじめているつもりはないのだが、まるでいじめているみたいだ。
羞恥に悶える姿がまたいい。
………俺、もしかしてSだったりするのかな。
「うん。 ミリー、やっぱりとっても可愛いね。 ううん、綺麗って言った方がいいかな。 とっても綺麗だよ、ミリー」
「レオ様……」
「ねぇ、ミリー。 触ってもいいかな?」
「は、はい」
どこを、とは言わなくても十分だろう。
ネグリジェ越しにミリーの柔らかな肌に触れる。
しばらくミリーのを堪能したあと、ミリーの腰と膝裏に手を回して抱き上げる。
いわゆるお姫様抱っこというやつだな。
「ひゃっ!?」
驚きの声を上げるミリーをベッドまで運び、そっと横たえる。
そのままミリーの上に覆いかぶさり、その額にキスを落とす。
「優しく、するから」
「はい……。 レオ様、心より貴方のことを愛しています」
すみません、明日から更新スピードを2日に一回に落とします。
あと、次回から新章突入です!
……内容に関しては、何が変わるってわけでもありませんが。




