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私が間違ってる?

私の約束事である新婚旅行へ行く事になりました。

あまりにも私がしつこいほど鷹くんに催促したから実現となったの。

ここは飛行機、新幹線などない時代。牛車のみ。

以前、私は市に行く時に利用した時、あまりにも苦痛だったのを思い出したの。

だけど、歩いてはムリだし。便利には行かない。

現代人の私でも車など作れっこない。飛行機などライト兄弟が傍に住んでれば話しは別だけど。

その事を鷹くんに話したら「そんなことを言ってもこの世界は牛車が支流だ。おまえの世界のものなどに頼ろうと思っている事自体ムリな話しだ。」

だから、そこは何とかならないかと思っていた私。

仕方がない。令に連れていってもらおうと思っていた訳よ。


「ねえ、鷹くん。令に連れて行ってもらうってのはどう?」


「凛。令に頼るな!牛車に乗れるだけでも良いと思え!おまえは、すぐ誰かに頼ろうとする。その心がいけない!!」


「私だってこの世界に来てから、色々と頑張ってるのよ!少しは私の苦労も認めてよね!」


「それは分かっている。凛はよくやっている。だが、ここは凛の住んでいた世界とは違う。」


「分かっているわよ!!」


アチャー!喧嘩になってしまったわ。私だって分かっている。だけど、新婚旅行だよ~~!お互い「楽しいかったね!」と話し合いたいじゃない。

鷹くんの言い分も分かっているんだけどね。

世界の違う者同士が果たして上手くやっていけるんだろうか?

自信がなくなってきちゃた・・・・・

本当に今まで私が住んでいた世界ってなんて便利だったんだろう。

私も貴族の奥さんになって普通よりは良い生活はさせてはもらっている。

何が不満?と言われるかもしれない。

「貴族の奥さんたるのもは」と言われ私だって文句も言わず、必死に北の方になろうと努力してるじゃない。それなのに鷹くんはもっと何を私に求めるの?

きっかけは牛車だけど、今までに私だっていっぱい我慢をしてきているわよ。

慣れない暮らしの中で私なりに頑張ってきたのに・・・・・

そのところが鷹くんには理解できないのだろうな。

やっぱり、生活環境の違いなんだろうな。

私・・・やっていけないかも。

この世界に離婚なんかあるのかな?

もし、離婚したとしても私は生きていけるのかな?

このまま黙って文句も言わず生活できるかな?

・・・・・やっぱり自信がない。

もう、新婚旅行なんてどうでもいいや。




凛が牛車はいやだと言っている。

だけどこの時代の乗り物は牛車だけだ。

凛の世界の乗り物は無い。

俺は飛行機や新幹線、車という乗り物なんて見た事もない。

凛の世界の物は凄く便利に出来ている。

だが、この俺にどうしろと言うのだ。

なるほど、令に頼のむと直ぐに目的地まで行ける。

俺は牛車に2人で乗って外の景色を見ながらあれこれ教えてやりたい。

また、途中で休憩もして楽しく菓子でも食べさせてやりたい。

なのに、何故、凛には分からぬのか。

俺は凛にはいつも笑顔でいてほしいのに。

生まれた世界が違うとこうも考え方が違うのか。

俺は自分の考え方が甘かったのか?

一緒に暮せば分かり合えると思っていたのは間違いだったのか?

夫婦になるまでは俺達は上手くやっていた。なのに何故、夫婦になるとこのように気持ちがすれ違うのか?

俺には分からん。凛が理解できない。

いったい、おまえは何を考えている?そして、どうしたいのだ?

だが、どうにかしないと。

このままだと・・・・・考えたくない。

俺の意見を通すのか、凛の意見を聞くのか、どちらが良いのだ?

凛はずっと俺の顔を見ない。この時だけは同じ部屋は困る。

「凛。凛、こちらを向け。」


「・・・・・・・・・・・」


「凛。・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・」


「そうか。」


俺は思わず部屋を出た。

今日は別の部屋で休まないとならない。


鷹くんは部屋を出て行った。

まただ。鷹くんは私と話し合おうともしない。避けているんだ。

夫婦って話し合って乗り越えないといけない事もあるのに。

私ばかりが我慢してるって気が益々するじゃないの。

もう良いわ。鷹くんとは何時まで経っても平行線。

私は鷹くんの北の方を演じればいいんだわ。このまま、ずっと死ぬまで。


凛は俺に挨拶はするけれど何かが違う。

俺が話しかけても「そうですか。」「良いんじゃない。」「私には関係ないし。」

いったい一晩で何が変わったんだ!

凛がおかしい。


鷹くんが昨日の事を気にしているのかな?

私だって何時もの私でいたい。だけど、今はムリ。

鷹くんが何時もと同じように話しかけてくれるけど、今の私には冷たい言い方しか出来ない。

悪いと思うけど・・・・今は素直になれない。なりたくない!

ああ!もうイヤ!!

今日は、鷹くんを送ってあげられない。だって顔を見られないんだもん。

そして、鷹くんの顔を見るのはイヤだけど、鷹くんは私の所に歩いて来た。

そして私の腕を強く掴んで部屋に放り込まれた。

怖い。今の鷹くん。

そして、静かに私に話しかけた。


「凛。何が気にいらないんだ。教えてくれ。・・・なあ、凛。」


「・・・・・・・・・・」


「凛。何か話してくれ。」


「・・・・・・・・・・」


「・・・そうか、旅行の事か。」


「・・・・・違う。」


「では何だ?」


「・・・・・もう良い。」


「凛。牛車がイヤだったんだな。では令に頼もうか?」


「もう、旅行なんて行かなくて良い!!」

「それに・・・もう鷹くんの顔も見たくない!!」


「凛。凛!!」


そして私は泣きながら部屋を出てしまったの。

本当に私、如何したんだろう?

こんなハズではなかったのに。

鷹くん。私に気を使ってる。別に気を使わせたくなかったのに。

私が間違っているのかなぁ~~?


凛が俺の顔を見たくないと言って出て行った。

俺は凛の希望を叶えてやったのに、何が不満なんだ。

未来人と言う者はこんなに難しいものだったのか。

これからどうしたら良いのだろう。

凛・・・・・


鷹くんは、また私の部屋にやって来た。

いったい何の話しがあるの?


「凛。話しがある。聞け。」


「・・・・・・・・・・・」


「旅行の事だが、令にたのんでやった。これでいいのか?」


「鷹くん。なんで、そんなに偉そうに言うの!私の為って言うけれど、私はそんな事は望んでない!どうして鷹くんは分からないの!!それに、私は旅行なんかに行きたくない。鷹くん1人で行ったら。」


「凛。俺の何所が偉そうなんだ!俺は凛の為に何時も考えている。それのどこが不満なんだ!」


「・・・・鷹くん。私達ってさ、生まれた環境が違うんだよ。私はここの世界の人間じゃないんだよ。その事が理解できてる?私はこの世界で生まれて育ったんじゃないんだよ!だから、お互い話し合わなければ分からないんだよ。自分が一番良いって思わないでよ!」


凛が泣いている。

凛は俺に何を言っているんだ。

分からない。


「鷹くん。鷹くんが私を理解できるまで実家に帰らせてもらうわ。」


「・・・・実家って?・・・おまえ、実家って何所にあるのだ?」


私は実家って言ってしまってから何て事を言ってしまったのかと後悔した。

でも、言ったからには出て行かないと私の気がすまない。

咲ちゃんの家でも泊めてもらおうかな?

楓ちゃんだと大騒ぎになるのは分かっているから。

そして、私はコッソリ家出をしてしまいました。






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