新婚の様子伺いに来られました。(康紀夫婦)
今日は咲ちゃんと康くん夫婦が来ると知らせを受けて私は楽しみにしています。
そして、咲ちゃんはこの世界の先輩でもありますから分からない事は咲ちゃんに聞こうと思います。
でも、旦那様はお仕事なのです。だから、私1人で接待します。
「まぁ!咲ちゃん~~!いらっしゃい!!康くんも!」
「凛ちゃん。如何で御座いますか?『妻』は慣れましたですか?ホホホホ・・・」
「まぁ、何とか。でも、この世界の妻って言うのは退屈だね~~。何にもする事がない。咲ちゃんも同じなの?」
「凛ちゃん。そうですわね。退屈と言えば退屈ですが、わたくしは裁縫を致しますので一日が早く過ぎましてよ。」
「裁縫ねぇ~~~。」
「ところで、鷹明はまだ、帰っていないのですか?」
「そうなの。鷹くんは今、仕事が忙しいらしい。よく分からないけど。」
「よく分からない?何故ですか?鷹明は凛殿に遅くなると言って行かないのですか?」
「エッ!康くんは咲ちゃんにそんな事を言って仕事に行くの?」
「はい。咲子には毎日、何時ごろ帰ると言っていますよ。」
「本当なの?咲ちゃん!・・・信じられんわ。」
「凛ちゃん。康紀様は真面目な方ですから(ニコニコ)だから、わたくし、安心ですの。」
「ふ~~ん!友くんとは違うね。例えて言うと康くんは『伝書鳩』友くんは『糸が切れた凧』だね。」
「クスクス・・・凛ちゃん。上手に例えられますわ。フフフフ・・・・」
「・・・・??・・・」(康紀)
そこへ旦那様のお帰りです。
「康紀。来ていたのか。咲子殿も後一緒でしたか。凛。楽しそうだな。」
「お帰り~~~!鷹くん。遅かったのね。」
「ああ。手が放せない仕事があって今まで掛かっていたのだ。」
「そう。ご苦労さんでした。」
「鷹明。如何だ?凛殿との生活は?」
「今までと一緒だ。ただ、萩が子は未だかと五月蝿いが。だけど、こればっかりは仕方が無い。」
「そうなのよ~~~!みんな、ちょっと聞いてくれる?萩さんって私の顔を見たら子供は未だか!って五月蝿いのよ~~!なんで?」
「ところで、康紀のところは子は未だか?もう婚儀をしてから何年も経っているだろう?」
「未だ。欲しいのだが、こればかりはな。それに咲子も体が弱い。一度、鷹明に咲子の気を見てもらおうと考えていたのだが。」
「いやですわ~~。御二人とも。それは授かりもので御座いますわよ。ねぇ、凛ちゃん!」
「そうそう!毎晩、頑張っていたらその内出来るわよ。」
「・・・・(頑張る!それも毎晩!!)・・・・」(康紀。鷹明)
「何、照れてるの2人とも!そんな事、今の子供でも知ってるわよ。」
「・・・・いや。凛。(凛殿)子供は知らぬ。(そうそう、子供は知らない。)」
「ヘェ~~。そうなの。こっちの子供は知らないんだ。」
凛はいきなり何を言い出すかヒヤヒヤする。
凛殿は・・・・かなり際どい事を仰る。
そして、私が咲ちゃんに最も聞きたかった事を話しました。
「ねえ、咲ちゃん。ところで新婚旅行は何所へ行ったの?」
「そうですね。わたくし達はまだ、新婚旅行に行ってないのですの。わたくしの体の状態が良くなりましたら康紀様に連れて行って頂こうかと思っております。」
「凛ちゃんは何処かに行きたい所が有りますの?」
「旅行は何所でも良いんだけどね。なんせ、鷹くんが忙しくって未だ行けないの。でも、必ず連れて行って貰うつもりはしてるけど。だから、未だ子供はいらないわ。」
「凛。そのために子供は要らないのか?」
「そうよ。鷹くん。当たり前でしょう。鷹くんだって同じでしょう。だって子供が出来たら身動きが取れないでしょう。」
「凛殿・・・・(何て事を考えているのだ!信じられん!)・・・」
「ホホホホ・・・・相変わらず、現実的ですわね。凛ちゃん。あなたらしいですわ。」
俺は鷹明を別室に連れて行き
「鷹明。これから大変だな!・・あの凛殿を妻にしたのだから、それ相当の覚悟が出来ているのか?」
「何の覚悟だ?まぁ、凛はあのような事を言うのは俺達の前だけだ。だからお前達の心配には及ばん。それに、初音が来た時は凛は妻らしくしておったしな。」
「エッ!・・・・初音殿が?・・・・・」
「だが、大変だった。あの凛とあの初音だろう。」
「・・・・・鷹明。おまえは大した男だ。」
その頃、私と咲ちゃんは。
「ねぇ、凛ちゃん。あのような事を康紀様の前で言ったらダメじゃない!私の立場も考えてよね。」
「ごめん。ごめん!咲ちゃん。つい、向こうの世界と同じ情況に思えてさ!でも、2人とも固まったよね。可笑しいかったね。」
「ホホホホ・・・ほんと!」
「咲ちゃん。ところで、新婚旅行は何所が良い?」
「そうね~~、この世界は別に何所でも同じよ。楽しいものがあるわけも無いしね。わたくしは夏に涼しいところへ連れて行ってもらおうと思っているの。だって、この世界の夏って暑いもの。」
「同感!!」