新婚の様子伺いに来られました。(初音)
今日は、また朝から屋敷中の皆さんはドタバタされています。
鈍感な私でも聞かなくても分かります。
そうなのです。あの義妹様が訪問されるのです。よく懲りずに来られます。
私と初音さんの相性は・・・・多分、良い方だと思います。でも、彼女は分かりません。
きっと、大好きなお兄さんを取られたと言うのでしょうか。要するに「嫉妬」
初音さんと初めて出会った時など私の事を「敵だ」と言う目で見ていたのを知っている。
だけど、鷹くんは鈍感なので気が付いていません。
私は初音さんと話していて直ぐに彼女の性格?を見抜いてしまいましたよ。
まぁ、私の方が年上でもありますし、何と言っても経験がものを言う。
私に勝とうなんて百年早い!
確かに、今までは美しい兄妹愛で来たのでしょうが、今は私の旦那様です。
だから、私は初音さんに意地悪をしてやろうと思っています。少し、大人げないですが。
鷹くん!協力してね。(私の独り事)
「凛。お義姉さま!ご機嫌麗しゅう御座います。お元気で御座いましたか?お義姉さまの事ですから、きっと、萩達を困らせておいでではなかろうか。と思っておりましたのよ。ホホホホ・・・・」
「そう。有り難う。ところで、初音さんはよっぽど暇なのね。何回ウチに来たの?それも、様子伺いって言ってさ。」
「・・・・・・。コホッ!今日は、兄上様の様子伺いで御座いますわ。」
「じゃあ、鷹くんを呼んで上げるわね。」
「鷹く~~ん!初音さんよ~~!」
「・・・・(未だ、鷹くんだなんて!旦那様と言えないのかしら。)・・・」
「鷹く~~ん!!」
「初音か。如何した?」
「鷹くんの様子伺いだって。初音さんが来たのは。麗しい兄妹愛だわ。わ・た・し羨ましい~わ。じゃあ、わ・た・しは向こうに行くから。初音さん。ごゆっくり!」
「凛。待て!俺の傍にいろ。」
「良いの~~?初音さんに叱られるわ~~ ねぇ!初音さん!(ニコニコ)」
「構わん!妹だ。」
「・・・・ところで、兄上様。婚儀の後は大変だったでございましょう?特に宮中の女房達が。だって、兄上様だけに。ホホホホ・・・・・それに、兄上様の北の方が凛お義姉さまだからご苦労ですわね。」
「いや。何も変わった事は無い。ただ、宮中の馬鹿な男達が凛の事をしきりに聞いてくる。それに、凛に会わせて欲しいとしつこくて困る。だから、凛。ウロウロ出歩くな!もし、凛が攫われでもしたら俺はどうしたら良いのか分からん。それに初音。凛はこう見えて、俺に良く尽くしてくれる。だから心配無用。」
「もう~~~!鷹くんったら~~~!イヤだわ。。私の旦那様は鷹くんだよ。それに、もし攫われたら勿論、鷹くんが助けに来てくれるんでしょう!」
「それに、初音さん。私達の事は心配して貰わなくても結構よ。(ニッコリ)」
「勿論だ!凛が攫われたら直ぐに助けに行く。」
「じゃあさ、もしも、もしもだよ。初音さんが攫われたら?」
「それは、勿論、直哉殿が助けに行かれるだろう。何と言っても初音の夫だから。」
「そうよね~~~~。直哉さんが行かれるわよね~~~。良かったね。初音さん♪(ニコニコ)」
「・・・・・・・・・(負けた)・・・・」(初音)
私と鷹くんは初音さんが傍にいることも忘れて?思いっきり2人の世界。
そして、鷹くんのキツイお言葉が。
「初音。まだ、帰らなくても良いのか?直哉殿が待っておられるぞ。」
(キャー!鷹くんってキツイよ~。初音さんには。でも、勝った!)
「・・・・では。失礼いたします。兄上さま!」
ハァー!やっと初音が帰った。
それにしても、初音。おまえは凛には勝てない!
凛。おまえも大人気ない!
おまえは初音と精神年齢が同じか?
初音、おまえもいい加減、俺の事をほっといてくれ。
それにしても、この先、凛と初音が・・・・女は怖い。