新婚旅行までの過程(夫婦編)
私達の新婚旅行なのに今、とんでもなく憂鬱になっています。
この世界、旅行に行くだけなのにこんなに大変だとは思いもよらず。
現代と同じだと思っていた私は浅はかでした。
でも新婚旅行だよ!思い出が残る旅行なのに、何故?
私は鷹くんに話した。
「ねえ、鷹くん。明日の旅行なんだけど萩さん達も一緒に来るって言うの。鷹くんは良いの?」
「エッ!そらそうだろう。何故、聞く?」
「だって、私達の新婚旅行だよ。普通は2人で行くものよ。」
「だが、此処では屋敷の者、数人を連れて行く。」
「・・・・・そう。」
凛は変なことを聞く。旅行となれば身の世話をする者、食事を作る者、その他の雑用をしてくれる者を連れて行かなければどうするのだ?四日間とは言えども、向こうでの生活は屋敷の者を連れて行かなければ滞在できない。
そうか。こっちでは四日間でも屋敷の人を連れていっての旅行なんだ。
現代とは大違い。だから、参内して許しを貰ったり、いろいろ手間が掛かるんだね。
私はもっと簡単に行けると思っていたのに。なんか、めんどくさい。
言ってみれば、少人数とは言え屋敷の引越しみたいなものなんだ。
こんな事なら旅行なんて言わなければ良かった。
旅行は明日だし、今更キャンセルも出来ないし。気が重い。
凛は旅行を明日に控えているのに全く、嬉しそうな顔をしない。
凛の世界では旅行は二人で行くものだと言っていたが、行った先々では如何するのだろう?
滞在している間、誰が食事やその他をするのだ?
「凛。聞きたいのだが、旅行先では誰が食事や掃除、雑用をするのだ?」
「エッ!・・・・私がする。」
「凛。・・・・・オマエ、出来るのか?自分の着替えだって1人では出来ないのに、どうするのだ?」
「・・・・・・するわよ。してみせるわよ!」
「そうか。では凛の言うように旅行は二人だけで行こう。」
そうか!向こうに行っても生活をしなければならないのよね。
私は現代の旅行スタイルを想像していた。
はっきり言って私も不安。
まず、食べ物の食材探しから始まって掃除、その他もいっぱいあるかもしれない。
それに、私自身の着付け。恥ずかしいながら、まだ自分では出来ない。
「してみせる。」と言い切ったからには・・・・・多分、ムリ!
例え四日間でも。私はメイドにならなければならない。
私は毎日、メイドになっていたら甘い旅行も楽しい思い出もない。
全然、楽しいこともない。
やっぱり、萩さん達を連れて行かなければならない。
今更だけど、鷹くんにお願いしないとダメなのね。
「鷹くん・・・・・鷹くん。さっきの話しなんだけど・・・・やっぱり、萩さん達も一緒に行っちやダメ?」
「・・・・・・凛。今頃、何を言っている。もう、萩たちには『凛と二人だけで行く』と伝えたぞ。」
「・・・・・・・ごめん。やっぱり、私は何も出来ないと思うのよね。そうなると、鷹くんにも料理や掃除を手伝って貰わなければならないし、それに私の着付けもして貰わないとダメなのよ。そんなん事イヤでしょ。鷹くんは。だから、お願い。萩さん達に頼んで欲しいの。・・・・ねえ、鷹く~~ん」
「・・・・・・明日までに考えておく。」
「明日、明日って明日でしょう!行くのは!今日、これから話してよ!お願いだから。」
「凛。もう休め。明日は早いぞ。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
凛は俺が言った事をやっと理解できたか。本当に、困ったヤツだ。
凛の世界だと何でも専門の民がいると聞いているが、此処ではそのような者はいない。
時折、凛の世界とこちらの世界が混ざっているが、ある程度は此処の者になって来てはしている。
だが、俺としては難儀だ。凛の考えや未来語が有る程度は理解した。でも、凛も理解はできているだろうがまだまだ甘い!本当に、凛に吾子でも授かったら果たして良い母親になれるのかが心配する。
凛には萩達の事を考える。と言ったが本当はもう決まっている。萩達も一緒だ。
例え萩達に凛と二人で。と言ったところ、あの萩だ。俺に反抗してでも付いてくるだろう。
明日、また凛は俺に頼み込むのは分かっている。
凛。俺の言う事をもっと素直に聞け!
オマエにとっては悪くはないんだから。オマエのためでもあるんだぞ。
旅行と言うだけで何故、こんなに疲れるのだ。
頼む!もう、俺を振り回すな。
明日も早い。今、凛は良く寝ている。スヤスヤと。
コイツ!・・・・さっきの俺に頼んだではないのか?
それも、涙を見せながら。
アレはいったい何だったのだ。
とりあえず、俺も寝る事にする。
行く前から疲れた。




