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新婚旅行までの過程。(参内編)

鷹くんが私を新婚旅行に連れて行ってくれる事になりました。

私は知らなかった。鷹くんの仕事の内容の重大さまでは。

「凛。新婚旅行に行くことに決めた。」


「はい?・・・・いいの?鷹くんは今仕事が忙しいと言っていたじゃん。」


「良い。仕事はもう済ませた。」

「さあ、凛。何所へ行きたい?お前は行きたい所があると言っていたじやないか。」


「じゃあ、静かな所がいいな。」


「静かな所か・・・・・!そうだ、北山はどうだ?今の季節は良いぞ。」


「北山?私よく分からないから鷹くん決めて。静かな所だったらどこでも良いわ。」


「そうか!では、北山にしよう。」


鷹くん、北山って何か思い出があるのかな?「北山」ばかり言ってる。


「ねえ、鷹くん。北山に思い出があったりして。」


「そんな思い出は無い!!それより、凛。旅行にあたって言っておかなければならない。」


「何?」


「凛。三ヶ月前にこの旅行の事について上司に届けを出しておいた。そして、その届けが受理されて三日後に出発する。期間は四日間。だから、遠くには行けない。お前もいろいろ不満はあるだろうが我慢してほしい。そして、行きは牛車。帰りは令に頼む。良いか?」


「また急な出発なのね。それでも良いよ。」


「そして、もう一つ。俺と一緒に上司に『行く許可』『帰って来た報告』をしに行かなければならない。」


「うそでしょう~~!そんなに大変なの?旅行に行くだけなのに。」


「そうだ。俺の場合はそうなる。悪いが明後日に挨拶に行く。そのつもりで。良いな。」


「分かった。でも、上司に報告するのは良いんだけど、また女房さんの部屋の前を通らなければならないじゃない。それにあの人達って陰湿な事を言うしイヤなのよね。」


「凛。それはお前も同じだろうが。兎に角、そう言う事だ。」


「でもさ、また女房さん達にイヤミを言われたら言い返して良い?」


「好きにすれば良い。」


「OKです!」


旅行期間が四日間って言っていたよね。って事は出来るだけ短時間でいける所が「北山」なんだ。

だからかぁ~~。短時間で行けたら向こうには長時間、滞在できるものね。

それに旅行の許可の提出を三ヶ月前から出していたんだ。私の約束を守ってくれていたんだね。

それなのに、ごんめんね。私、どこでも良いよ。鷹くんが行きたい所なら何所でも。

だけどね~~、また、あの女房さん達の部屋の前を通る事になるなんて。どうしよう?

きっと、イヤミを言われるわよね。仕方がないか。多分、「野牡丹の君」とか言われるよね。

前回が前回だけに憂鬱。



やっと新婚旅行に連れて行ってやる事が出来る。

これで凛との約束の一つは果たせる。「新婚旅行」の件は本当にいろいろとあった。

凛の嬉しそうな顔が見られる事は俺も嬉しい。

しかし、上司の部屋まで行くまでに女房達の部屋と通ることなど忘れていた。

前回が前回だけにな・・・・・果たして凛はどうするのであろう。

なんせ「野牡丹の君」だからな。まあ、如何にかなるか。



そして、宮中参内は明日になった。


「萩さん。この着物どう?私に似合っている?こっちはどう?」


「北の方様、どれも良くお似合いで御座います。が、何かご不満でもおありなのですか?」


「違うの。不満は全然ないんだけどね、あの女房さん達が声も出ないくらいに綺麗でいたいのよ。

それに、イヤミを言われても私、また言い返してしまうのも。そんな事をすると鷹くんが可哀想でしょう。」


「・・・・・・。北の方様!!鷹明様の事をそこまで考えておられるなんて。北の方様!では、わたくしが腕によりをかけて宮中一、お綺麗にさせて頂きます!!」


どうしよう~~。変に萩さんのスイッチが入ってしまったよ~~。なんか怖い。

萩さんは私のために精一杯、頑張ってくれたと思う。でも、地味なのよね。

確かに、品良くはなっているんだけど何か物足りない。

折角、女房さん達にイヤミを言われるんだから。もうちょっと高貴な女房さん達のイヤミ、本物の高貴な方々のイヤミって聞いてみたい!きっと凄いんだろうなぁ~~。前回はほんの序章に過ぎない。

だけど、鷹くんからもOKが出たけど、私的には鷹くんに迷惑を掛けたくないのよね。

そして、私が考えた格好。これなら、誰も言わない。言えないと思う。

それも、これも鷹くんのため。

そして、参内当日。


「凛。・・・・・・その格好で参内するのか?」


「そうよ。可笑しい?」


「・・・・・。まあ良い。」


「フフフフ・・・・これだったら女房さん達に何も言われないでしょう。」


「・・・・・・(言われないって言うよりも言えないだろうな。)」


そして、私と鷹くんは女房さん達の部屋の前に来ています。

ほら!思った通り~~♪

私を見て声も出ないわ~~♪

そして、彼女達はコソコソ言いはじめた~~!!

「まぁ、またあの『野牡丹の君』ですわよ。ホホホホホ・・・・」


「本当に。これでは桐様もお可哀想で御座いますわね。」


なんだ、また同じようなイヤミじゃないの。進歩がないわよね。ここの女房さん達は。


「しれに、今日の出で立ちは何と言いましょうか、わたくしのは理解できませんわ~~オッ!ホホホホ・・」

「そうで御座いますわよね~~。なんせ『野牡丹の君』ですから仕方が御座いませんわね。」


そうか、私は野牡丹の君だから「野生児」って事だもんね。

でも、野生児=みんなの憧れ。だから羨ましいって事になるわよね。

・・・・・・・!私は良い言葉が浮んだよ~~~!

これなら鷹くんにも迷惑が掛からないしね。


「まぁ~~!これは女房様方。また、お会い出来た事を嬉しく思います。(ニッコリ)」


「まぁ、これは、これは『野牡丹の君』それに今日のお姿は、プッ!ホホホホ・・・さすがに『野牡丹の君』でいらっしゃいます事。ホホホホ・・・・」


「まぁ~~!ご存知なかったので御座いますか~~?今、わたくしの世界ではこのような格好が流行っておりますのよ。それに比べて、宮中の女房様達の流行ってプッ!ホホホホホ・・・・いいえ、女房様方が流行遅れとは申し上げてはいないですのよ。ホホホホホ・・・・」


「・・・・・・まぁ!!どう言う意味で御座いましょうか?わたくし達はこの国でも流行・・・・先端・・・・を行っていますのに!あなた様と一緒にしないで下さいませ!!」


「まぁ、そうで御座いますか?ただ、わたくしは世間・・・・を知っております故。それに、わたくしは自由・・・・を持っておりますから毎日が楽しくって。それに、これから鷹明様と・・・まぁ、わたくしとしたことがプライベートな事を話してしまいましたわね。ホホホホ・・・・」


「・・・・・・(プラウベート?)・・・・・」


キャアー!思わず現代語が出た!どうしよう~~~。

私は決してここでは現代語を口にしないと誓ったのに~~~

私は悩む。私の頭では「プライベート。プライベート」と言葉がグルグル。


「まぁ!お義姉さま!どうなさったのですか?このような所で。」


「あら、初音さま。どうして此処へ?」


「ええ。直哉様と旅に行くものですから御上にお許しを頂きに来たのですわ。」


「まぁ~~!奇遇ですわね。わたくしも鷹明様と旅に行くものですから上司の方にお許しを頂きに。」


「それにしても、お義姉さまの出で立ち・・・・何でございますか?そのキラキラした物は。」


「ああ、これね。これはスパンコールと言ってこのように飾る物なんですのよ。」


「また、『月の世界』の物で御座いますか?」


「フフフフ・・・そう。でも、綺麗でしょう。」


「お義姉さま、いい加減にして下さいませ。ここは宮中で御座います。」


「分かっているわよ。此処・・・が宮中だって事を。でも、わたくしは此処・・・の女房様方に今の流行を御教えしたくって。だって、此処・・・女房様方・・・・・・の出で立ちがあまりにも遅れていらっしゃるから。それに、此処・・・では流行・・・・先端・・・・だと聞いておりましたのもですから。ホホホホ・・・・わたくしの聞き間違いで御座いましたわ。さあ、初音さま。行きましょうか。」


女房イ「・・・・・・(月の世界? スパンコール?)」


女房ロ「・・・・・・(野牡丹の君が月の世界のお姫様?)」


女房ハ「ウソで御座いましょう?・・・・わたくし達が話していた方が『月のお姫様』なんて!」


女房ニ「恐れ多いで御座います!・・・・・どう致しましょう。」


女房イ「・・・・・もう、後の祭りで御座います。・・・」


女房ハ「・・・・そうで御座いますわ。でも、もしこの事が月の世界に分かったらわたくし達はどうなるので御座いましょう?」


女房イ「あなた。忘れなさいませ。」


女房全員「だから、桐様の北の方様になられたのですわね。(納得)」


私は女房さん達がこんな話しをしていたなんて全然知らなかった。

それにしても初音ちゃん。良い所で出会ったわ!

そして、無事、上司にお許しを頂いて帰宅。




お義姉さまと宮中で出会いましたの。

でも、お義姉さまの出で立ちと言ったら何て格好をしていらしたのかしら?

まぁ、宮中の女房達は国でも流行の先端を心掛けていらっしゃる。

だけど、今日はお義姉さまのお姿の方が・・・・・きっと、あの女房達は気落ちしているでしょうね。お義姉さま、やりましたわね!おの高慢な女房達をあのように言い返される所など、お見事でございましたわ。ただ、わたくしは思います。本当に、お兄上さまはお義姉さまのどこが良かったのかしら。

わたくし・・・・今日ほど「恥ずかしい」と思った事はありません!!

本当に・・・・・お兄さまの好みが分かりません!!




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