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雨降って地固まる?

俺宛に凛から分厚い文が届いた。

読むのは怖いが読まなければならない。

もし、もし凛が俺から離れたいと思っているのなら、俺は正常でいられるのだろうか?自信が無い。

凛が離れたいと言っても俺は強制的に連れ戻して部屋に一生閉じ込めてしまうかもしれない。

俺は自分が怖い。これほどまでに凛の事を愛しているんだ。

兎に角、早く文が読みたいのだが文を持つ手が震えてしまっている。

そして、俺は文を開いて読みかけた。だが、読めない。

俺の目に飛び込んで来た文字は「鷹くん」凛はまだ、俺の事をそう呼んでくれているのか。

そして、俺は恐々読んだ。

文には「私の我侭を許して。」と書いてある。俺は凛からの文を一気に読んだ。

最後に「鷹くんの声が聞きたい」「鷹くん。早く迎えに来て欲しい。」とも書いてある。

俺は目に涙を流していたんだ。凛からの文字が読めぬ。涙で読むことが出来ない。

凛は俺に迎えに来て欲しくて待っているのだと訴えているんだ。

俺は何という馬鹿者なのだ。俺自身も寂しい思いをしているのに俺の所為せいで凛を不安にさせていたんだ。俺も凛に会いたい。声も聞きたい。凛の笑顔が見たい。「鷹くん」と呼んでもらいたい。

俺は凛を愛している。もし、凛がいなくなったら俺はどうしたらいいのか。そればかり考えていた。

きっと凛を無くすのが怖かったんだ。そして凛がいなくなる事自体が恐ろしい。

こうは、してられぬ。凛を迎えに行かなくては!



「凛ちゃん。どう気分は。落ち着いた?」


「うん。鷹くんに私が思っている事や言いたい事を沢山書いた。だからスッキリしたわ。それに、鷹くんが私のことが嫌いでも良いの。私が好きだから鷹くんの傍にいたい。」


「そう。心は決まったのね。でも、良かった。凛ちゃんの笑顔が見られて。」


「咲ちゃん。本当に迷惑かけたわね。そして、有り難う。嬉しかったわ。私、どうしていいか分からなかったから、一番に咲ちゃんに相談しようと思っていきなり来たりしたけど。本当に、自分の心の整理がついたわ。それに・・・・もう向こうにも帰れないしね。」


「凛ちゃん。辛くなったらいつでも此処へ来てね。わたくし待っているから。約束よ。」


「うん。有り難う。さて!私か帰るね。鷹くん・・・・萩さん達が心配してるから。帰ったら、きっと『凛様~~~~!何所にいらっしゃったのですか!』と言って叱られるわね。フフフフフ・・・」


「・・・・・凛ちゃん。」


凛ちゃんはそれほどまでに鷹明様の事を愛しておられるのね。でも、鷹明様が凛ちゃん事をもう・・・愛しておられなかったら凛ちゃん。可哀想だわ。

そして、凛ちゃんは荷物の整理をされておられます。

わたくしは声を掛けたいのだけど、声が掛けられない。

凛ちゃんが帰られたあと、どうされるのかしら。


「ドタドタ・・・ドタドタドタ・・・・凛!・・・凛!凛、凛!」


エッ!何?鷹明様?


「凛!何所にいるのだ!!凛!迎えに来た。・・・凛!何所だ!」


フフフフ・・・・わたくしの取りこし苦労だったわね。


「た、鷹くん。鷹くん!!」


「凛!帰るぞ!」


「ヘッ!帰るって?」


「そうだ!おまえを迎えに来た。早く帰ろう!」


「・・・・・・・鷹くん~~~!ごめんね!」


そして、私は鷹くんに迎えに来てもらい無事に帰りました。

そして、私は鷹くんに抱きしめられたまま、ずっと泣いていました。

鷹くんは「もう良い。凛、悪いのは俺だ。許して欲しい。」と言うけど、やっぱり悪いのは私。

鷹くんがそんなに優しい事を言ってくれると余計に泣けるじゃないの。

でも、良かった~~~。鷹くんが来てくれて。

もう、鷹くんは私の事が嫌いになったと思っていたから。安心した。



このような事なら、もっと早く凛を迎えに行けば良かった。

凛は俺をずっと待っていたのだ。

凛が俺の傍を離れようとしているとばかり思っていたからな。

そして凛は俺の腕に抱かれてずっと謝っている。

悪いのは俺の方なのに。凛。愛している。これからもずっとだ。未来永劫と言うのだろうか。

凛、もう泣くな。俺まで嬉しさで泣けてくるではないか。


「凛。着いたぞ。・・・・・凛。」


「うん。鷹くん、私、どんな顔をして家に入れば良いの?このままだと入ることが出来ない。萩さんや華ちゃんに・・・・どうしよう??」


「大丈夫だ!萩達には話してある。心配するな。いいな!」


「うん。」


そして、私は笑顔で家に入ったの。萩さん達はいつもと同じ。普通に私に接してくれている。

嬉しい。そして有り難い。


「北の方様。ご実家は如何でしたか?月の世界のご両親様はお元気でしたでしょうか?」


「・・・・・???萩さん。(アッ!そう言う訳か!)ハイ!元気でしたよ!」


「ただいま!みんな!私の留守の間、いろいろと有り難うね!」


「いいえ!北の方様。わたくしは一度は月へお帰りになられると思っておりました。凛様が屋敷を出られた時はちょうど、満月の夜でしたから。」


「ご両親様に婚儀の報告に行かれたのですもの。萩は嬉しく思いました。そして、鷹明様がお迎えに行かれて・・・萩は嬉しいのです。もう、すっかり北の方様におなりあそばして。」


「萩さん、心配掛けてごめんね。もう、出ていかないからね。」


「凛様。もう、月の世界へは帰られないのでございますか?」


「ええ。そうよ。もう、何所へも行かないわ。」


「北の方様!有り難う御座います。萩は幸せ者で御座います。これからも北の方様だけにお仕え致します。」


「有り難う。」


そして、私と鷹くんの部屋で。


「有り難う!鷹くん。みんなにそう言ってくれていて。私、嬉しいのよ。家出したんじゃなくて月の世界に里帰りなのね。便利よね~~~。」


「凛。話しがある。」


「なあに?・・・・・・鷹くん、迎えに来てくれて有り難う。嬉しかったの。もし、鷹くんがもう、私の事が嫌いになったんじゃないかと心配していたの。そうだったらどうしようかと考えていたら悲しくって苦しくって怖かった。」


「・・・・何を馬鹿な事を言っている。俺はどれだけ心配したのか分かっているのか!俺だって凛が俺の傍から離れたらどうしようかと思い悩んでいたのだぞ。俺も不安だったんだ。これほど長く凛と離れたことがなかったからな。」


「そうだね。本当に離れたことがなかったよね。」


「ワッ!~~~鷹くん!本当に鷹くんだ!!」


「抱きつくな!凛。落ち着け!」


「だって嬉しいんだもん。鷹くん。大好きだよ。」


「鷹くんは?私のことが好きだから来てくれたのでしょう!言ってよ~~!凛が好きだって!」


「・・・・・馬鹿か。おまえは。」

「そして、凛。あの文の文字は何だ?俺には読めん!おまえの世界の文字など俺のは読めん。もっと学習せよ。」


「ウソ~~~!咲ちゃんに文字の手ほどきを受けたんだよ!読めないハズがないでしょう!」


「・・・(エッ!ではあの文は咲子殿も知っているのか?ウソだろう!)」


「凛。兎に角。文字の学習だ。いいな!」


まあ良い。凛が無事に戻ってくれたんだから。

今はこのままが良い。

また、数日たったら「新婚旅行」なるものを言い出すだろうが。

もう、令にで頼めばいい。俺は何でも良いのだから。

凛が行きたい所があればそれも良い。




本当に長い家出でしたわね。凛ちゃん。

そして良かった。鷹明様が来られて。

それにしても鷹明様の顔。凛ちゃんを見つけるまで悲壮な顔をされていて。よほど心配されていたんだわ。あの鷹明様があのような態度を取られるなんて信じられなかった。

やっぱり手紙が一番効くわよね。わたくしも凛ちゃんのような事があれば凛ちゃんの家に家出をしましょう。フフフフ・・・・

でも、康紀様は私が家出をしたらきっと、直ぐに迎えに来て下さるわね。

だって、康紀様は今でもわたくしに不安だらけなのだから。

もし、わたくしの姿が見えなかったら・・・・・恐ろしい~~~!!

それにしたって、あの2人!まるで台風だわ。

ドタバタされて、アッ!言う間の出来事だったよな感じだわよね。

あの、鷹明様でさえ、バタバタされるんですもの。きっと凛ちゃんの影響ね。

鷹明様も随分、御自分をお出しになられたわよね。


わたくしは、暫らく静かに暮したい。







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