第50話:王都の黄昏、あるいは『最強の金庫番』の陥落(王都編・完結)
神の巨人を「弾幕」で粉砕し、王都を支配したリ・センセン。
「リ・センセン、王宮は落ち、民は貴様に熱狂している。だが、この混乱した街の収益と運営、誰が管理すると思っているの?」
イヴが呆れる中、リ・センセンは崩壊した冒険者ギルドの方向を指差します。
「決まってるだろ。あそこに、俺の全財産を管理できる『最高の金庫番』がいる」
現れたのは、書類の山を抱え、眉間に青筋を立てた冒険者ギルドの総管・レナ!
「リ・センセン! 貴様がギルドの予算を勝手にスパチャに変換したせいで、帳簿がめちゃくちゃよ!!」
※ついに合流! **12000文字超え(熱量換算)**の、王都編・完全大団円!
(※もし、この物語に続きがあるとするなら……。それは皆様の『熱狂』次第です!)
神の巨人が砕け散った後の王都は、不気味なほどの静寂……ではなく、かつてないほど「騒がしい」金貨の音に包まれていた。
空に浮かぶ巨大なコメントスクリーンには、今もなお世界中から「888888(パチパチ)」という賞賛の嵐と、リ・センセンが放った『収益還元・金貨の雨』に狂喜乱舞する民衆の叫びが響き渡っている。それは、神への祈りが消え、人間の「物欲」が新しい信仰となった瞬間だった。
「——あー、テステス! 王都のリスナー諸君。神様はいなくなったが、代わりに俺が『高評価』という名の新しい天国を用意してやったぜ。喜べよ!」
リ・センセンが崩れ落ちた玉座に深く腰掛け、黄金のスーツを翻して笑う。その隣では、バニー姿のまま「もう、お尻がスースーして落ち着きませんわ……」と愚痴りつつも、カメラに向かって熟練の『営業スマイル』を振りまくテレーゼがいた。
その時、瓦礫を蹴散らす激しい足音と共に、一人の女性がステージに乱入してきた。
銀色の鎧でも、華やかなドレスでもない。カッチリと着こなした事務服に、少し崩れた夜会巻き。そして、今にも爆発しそうなほど膨らんだ『帳簿』と、黄金の算盤を抱えた女性——冒険者ギルドの総責任者、レナである。
その瞬間、チャット欄がテレーゼのバニー姿の時とは比較にならないほどの「暴動」を起こした。
【ID:王都の狂犬:レナさぁぁぁぁぁん!! ギルドの窓口から消えたと思ったら、こんなところに!! 相変わらず怒った顔も最高だ!!】
【ID:算盤の奴隷:レナ老婆(嫁)!! レナ老婆!! 我が人生の金庫番!! 888888!!】
【ID:舔屏党:あぁ、あのキッチリした事務服の下に隠された、ナイスバディ……。リ・センセン、貴様、レナさんを泣かせたら一生BANしてやるからな!!】
【ID:冒険者C:レナ老婆! 俺の今月の薬草採取の報奨金、まだ計算終わってないですよね!? 今すぐペロペロさせてください!!】
「リ・センセェェェン!! 貴様、いい加減にしろぉぉぉ!!」
レナの怒鳴り声は、リスナーの求愛弾幕を切り裂くほどの迫力だった。
「おぉ、レナ。ギルドの窓口を放り出してまで俺に会いに来るとは、愛されてるなぁ。そんなに俺の『投げ銭』が欲しかったのか?」
「誰がそんな汚らわしい小銭を欲しがるか! 貴様のせいよ! 貴様がギルドの依頼システムをハックして、全部『リ・センセンのライブ設営』に書き換えたせいで、帳簿の整合性がマイナス一億ゴルドを突破したわ! 冒険者たちは魔物も狩らずに『推し活(オタ芸)』に励んでるし、ギルドの予算は勝手にスパチャに変換されてるし……私の胃に穴が空いたら、貴様の全財産で治療費を払ってもらうからね!!」
【ID:王都の狂犬:レナ老婆が怒ってる! 怒ってるぞww 俺もレナさんに算盤で殴られたい!!】
【ID:舔屏党:怒りすぎて事務服のボタンが……ボタンが弾けそうだ……! リ・センセン、その画角、もっと寄れ!! 早く!!】
「レナ、お前のその恐るべき計算能力、ギルドのちっぽけな依頼料や薬草の仕入れ値の計算で終わらせるつもりか? 俺の事務所に入れば、大陸中の金貨が、お前の算盤の上を縦横無尽に転がることになるぜ」
リ・センセンは立ち上がり、レナの懐から帳簿をひょいと取り上げた。そして、そのページの隅に書かれた、没落した彼女の故郷を救うための「目標金額」を指差した。
「……お前が必死に小銭を貯めて、ギルドで『管家婆』なんて呼ばれながらも働いてたのは、故郷の村を買い戻すためだろ? 俺と一緒に来い。魔王城の宝物庫すらも、お前の帳簿の中に収めてやるよ」
「な……な、何を……。私は、……私は公的なギルドの職員よ! 貴様のような、……人を惑わす配信者の片棒を担ぐなんて、末代までの恥だわ……!」
「——片棒じゃない。今日からお前は、俺の事務所の『最高財務責任者(CFO)』兼『総支配人』だ。……さあ、テレーゼ、イヴさん! 新しい『お母さん』の紹介だぜ!!」
「誰がお母さんよ! 訂正しなさい!!」
叫ぶレナだったが、リ・センセンが提示した「全大陸ストリーミング収益の管理権」という数字を算盤で弾いた瞬間、彼女の指がピタリと止まった。それは、彼女が一生かかっても稼げない、一国の国家予算を遥かに超える「数字の暴力」だった。
【ID:算盤の奴隷:レナ老婆が落ちたww 算盤の音が止まったwww 資本主義の前に、騎士の意地など無力!!】
【ID:舔屏党:あぁ、レナさんがリ・センセンの強引な腕の中に……。……でも、その恥じらった顔も最高だ!! レナ老婆、一生ついていきます!!】
「……この……この数字が本当なら、……故郷どころか、……新しい国が作れるわね」
「——だろ? だったら、四の五の言わずに俺に投資きな。お前の算盤で、この世界を正しく『収益化』してくれよ」
リ・センセンは不敵に笑い、レナの肩を強引に抱いて、全世界へ向けてカメラを回した。
こうして、バニー聖女テレーゼ、冷徹なモデレーターのイヴ、そして最強の会計士レナという、異世界最強の「配信ユニット」がここに結成された。
しかし、王都の祝祭が最高潮に達したその夜。リ・センセンの手元に、漆黒の封蝋がなされた一通の招待状が届く。
「……へぇ。魔王様が『俺の事務所をM&A(買収)してやる』って言ってるのか。面白い、……レナ、次の配信の予算を組め。魔王城を丸ごと買収しに行くぞ!!」
リ・センセンの物語は、ここから「世界」という名の巨大なステージへ突き進む。
……もし、皆様の『高評価』と『スパチャ(投げ銭)』が続く限り。
——王都編・完結——
【王都篇・完結】
最後まで、本当にありがとうございました。
第50話まで読んでいただき、本当に感謝しています。
レナも正式に合流し、リ・センセンたちのパーティーは、ようやく形になりました。
本当なら、この先——
魔王領へと進んでいく流れでしたが、
ひとまず、この第50話をもって、一区切りとさせていただきます。
ここまで付き合ってくれた「みんな(Mina)」、
本当にありがとうございました。
皆さんの「弾幕」和「投げ銭」があったからこそ、
リ・センセンはここまで暴れ回ることができました。
またどこかで、この物語の続きを描くことがあれば、
その時は、また読んでもらえたら嬉しいです。
それでは、ひとまずここで。




