表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/50

第12話:巻物の正体――『植物の王』か、それとも破滅の門か?

ついに森森センセンが覚醒……!?


ただのヘタレ雑用係が、銀の宝箱から手に入れたのは『金』以上の何かでした。


イヴの絶体絶命のピンチに、彼が選んだ答えとは。


※今回、文字数増量で熱量高めにお届けします!

「……クソッ、戻るぞ! あのバカ女、一人で格好つけさせられるかよ!」




森森は森の出口、光が射し込む境界線で急停止した。手には銀の宝箱から出たあの『古い巻物』が握られている。システム画面には【換金可能アイテム:30金貨】という甘い誘惑の文字が点滅していた。これを持ち逃げすれば、借金は消え、自由の身になれる。




だが、背後から響くのは、大地を割るような重音と、イヴの鋭い気合の叫びだ。




【1.8mのメッシ:おい、何止まってんだ!? 早く逃げろって! 主播、お前の命は3枚の銅貨より軽いんだぞ!】


【隣の王さん:戻ったら確実に死ぬ! 番人のパワー、さっきのドローン映像で見たろ。ビルが歩いてるようなもんだ!】


【課金王:行け、森森! 戻るならさらにロケット20基追加だ! ただし、生きて戻れたらの話だがな!!】


【システム通知:視聴者数がさらに増加。コメントの流速が150%アップしました】




「うるせえ! 30金貨のために相棒を売ったら、俺は一生『ただの雑用係』のままだろ! それに……」


森森は画面を睨みつけ、叫んだ。


「……イヴさんに死なれたら、俺を護衛してくれる奴がいなくなるんだよ! そっちの方が死活問題なんだ!」




森森は巻物を乱暴に引きちぎるようにして開いた。その瞬間、彼の視界が白銀の世界に染まる。




(……王よ。……我らの王よ……)




それはブルーベルのような小さな花の声ではなかった。森全体の、数千年の記憶を持つ大樹の根たちが、地底深くで共鳴する荘厳な合唱だった。




【システム通知:潜在スキル『植物の共鳴』が完全覚醒。……周辺マナを燃料とし、周辺1キロ以内の全植物の制御権を獲得しました】




「……これだ。これなら……!」




森の中央では、イヴが絶体絶命の淵に立たされていた。彼女の影を纏った重剣は、番人の圧倒的な質量の前では細い針に等しい。番人の巨大な拳が、彼女を消し飛ばそうと振り下ろされる。




「伊芙姐、伏せろぉぉぉ!! 地面に這いつくばってろ!!」




森森の声が森を裂いた。彼は巻物を地面に叩きつけ、ありったけのエネルギーを注ぎ込んだ。




ドゴォォォォォン!!




番人が振り上げた巨腕を、無数の『茨の鎖』が地面から爆発的に飛び出して拘束した。それだけではない。森中の樹木が意思を持ったように不気味にうねり、番人の体を取り込み始めたのだ。数百年動かなかった巨木たちが、森森の意思に従い、巨大な檻へと変貌していく。




「……なっ!? 何をした、森森!」


黒い霧を纏ったイヴが、驚愕の表情で振り返る。彼女の目の前で、山のような番人が、無数の蔦と枝によって地面に縫い付けられていた。




「……『植物の王』、だそうです。……いや、ただの『配信者の意地』ですよ」




森森の瞳は、普段のヘラヘラしたものではなく、静かな、それでいて底知れない緑色の光を宿していた。




【物理の張先生:信じられん……森林全体のエネルギーを一つの点に集中させている。これは魔法の域を超えた、生態系の支配だ】


【JKだけど魔法使い:かっこいい……初めて、この配信者が本当のヒーローに見えた】


【システム通知:投げ銭エネルギーが限界突破。レベルアップ! 配信画質が4Kに向上しました】




「はぁ、はぁ……死ぬかと思った……」


森森は膝から崩れ落ちた。巻物は灰となって消えたが、彼の脳内にはまだ森の鼓動が響いている。30金貨の価値があった巻物は消えた。借金返済の手段は、今この瞬間に灰になったのだ。




「……借金、返せませんでしたね。イヴさん。せっかくの金だったのに」




「……バカか、お前は」


イヴは重剣を鞘に収め、泥だらけの顔で苦笑いした。彼女は森森に歩み寄り、乱暴にその頭を撫でた。


「……だが、お前が今見せた力……。ギルドも、領主も放っておかないぞ。30金貨どころか、国一つが動くレベルだ」




イヴの目は、もはや森森を「打菜の雑用係」とは見ていなかった。




「……覚悟しておけ。これからが、本当の『修羅場』だぞ。……それと、そのドローンを止めろ。私の顔が赤いのが映るだろ」




森森はへらっと笑い、カメラに向かってピースサインを作った。


「家ーい! 水友の皆さん! 借金は増えたけど、俺、レベルアップしたみたいです! 第十三章『回城と社会的な死』、乞うご期待!」

巻物を使い切ってしまった森森。


金は手に入らなかったけれど、彼はもっと恐ろしい『力』を手に入れてしまいました。


31人の戦友たち、見ていてください。ここからが本当の逆襲劇です!


面白いと思ったら、ぜひ評価とブックマークを! 筆者が森森のように滑跪して喜びます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ