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あの、僕男ですが、何故か聖女スキルを獲得して剣姫達と魔王を倒す旅に出ます。  作者: 三科異邦
第二章 帝国編

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――帝国の影と光

帝国の都市は、日常の喧騒と警戒心が入り混じる場所だった。石畳の広場を歩く人々の視線は、僕たちに好奇と警戒の両方を向けている。帝国管理部での面会を終えた僕たちは、まず街の様子を把握するため、広場や市場を歩くことにした。


「……人が多いわね」

セレナが声を潜めてつぶやく。

「しかも、皆ちょっと緊張してるような……」


「帝国内では、王国や教会の影響もあって、警戒心が強いんだろうね」

僕は剣を軽く握り、街の警備や人々の様子を観察する。目立たぬように歩きつつも、危険があればすぐに反応できる体勢を取る。


その時、広場の片隅で小さな騒ぎが起きた。数人の市民が声を上げ、何かを指さしている。駆け寄ると、盗賊風の男が子供の荷物を奪おうとしていた。


「ちょっと待て!」

僕は剣を抜き、光の祝福を小さく展開する。剣先から柔らかい光の波が広がり、盗賊の足元を揺らす。


「や、やめろ……!」

男は怯み、荷物を落とす。リディアが素早く間合いを詰め、剣の刃先で軽く威圧する。


「二度とこんなことをしないで」

彼女の声には冷静さと威圧感が同時にあった。盗賊は震えながらうなずき、逃げ去った。


「ふぅ……危なかった」

アリシアが肩で息をしながら言う。

「でも、こうやって街の人に迷惑かけている奴らはまだまだいるわね」


剣火が笑みを浮かべる。

「こういう小さな事件に対応して、街や人々の信頼を得るのも大事だね」


僕は剣を sheath に戻し、仲間たちに目を向けた。

「こういう場面で、僕たちの存在がどう評価されるか、しっかり確認する必要がある」


その後、僕たちは街の酒場や商人の店を回り、帝国内での情報を集めた。

商人たちは口を揃えて、王国や教会の動きに敏感だった。ある噂では、「王国は男の聖女を危険視している」「教会は帝国内でも影響力を行使している」とのことだった。


「なるほど……」

リディアは資料をまとめながらつぶやく。

「帝国内でも完全に安全ではないのね」


「でも逆に、僕たちの力を活かすチャンスもある」

僕は街の人々の表情を観察する。警戒心はあるが、正しい行動を見せれば信頼を得られる。副作用も抑えつつ、街や冒険者ギルドを通じて影響力を広げることは可能だ。


昼を過ぎ、街道沿いで護衛依頼も受けた。小さな荷物を運ぶ隊列を守る任務だ。副作用の制御は完全ではないが、剣姫たちがフォローしてくれる。光の祝福を展開し、剣の刃先で障害を切り裂きながら、安全に護衛を完了させた。


「やっぱり実戦で経験を積むのが一番ね」

剣火は少し息を切らしながら笑う。

「理論だけじゃなく、体で覚えることが大事」


「副作用もだんだん抑えられるようになってきたし、街での任務でさらに精度を上げられるわ」

リディアも微笑む。


夕方、宿に戻ると、街で得た情報と経験を整理した。王国や教会の圧力は確かに強く、帝国内でも目立つ行動はリスクがある。だが、仲間と共に訓練と行動を続ければ、次の行動範囲も広がる。副作用の克服、剣姫との連携、帝国内での信頼の積み重ね――どれも次の戦いに必要な要素だ。


「明日からも訓練と街の任務を両立させよう」

僕は仲間たちに声をかける。

「帝国内で力を制御し、信頼を得ること。それが僕たちの戦略だ」


リディアはうなずき、剣火も笑みを返す。

セレナとアリシアも静かに頷いた。


僕たち《希望の光》は、帝国内での新たな立ち回りを学びながら、日々の訓練と小さな実戦を積み重ねていった。王国や教会からの圧力はあるが、仲間と共に慎重に行動すれば、帝国内でも安全を確保しつつ、力を伸ばすことは可能だ。そして僕は、いつか来る大きな戦いに備え、剣と祝福の力を極める決意を新たにするのだった。

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