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あの、僕男ですが、何故か聖女スキルを獲得して剣姫達と魔王を倒す旅に出ます。  作者: 三科異邦
第二章 帝国編

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――進むべき道

帝国内、首都の中心にある広場。石畳を踏みしめながら、僕たちは慎重に歩いた。周囲の建物は重厚で、外見からして軍事・行政の中心であることを示している。街の人々の視線は僕たちに注がれていたが、恐怖というよりは、好奇や警戒の色が強い。


「……この街、思ったよりも緊張感があるわね」

セレナが低くつぶやく。彼女の声には、ただの感想以上の警戒心が含まれていた。


「帝国の中心地だけあって、王国や教会の圧力が直接届く場所だからね」

僕は剣を軽く握り、周囲の警備を確認する。街の中央にある帝国管理部の建物に近づくにつれ、道行く兵士たちの視線が鋭くなった。


建物の扉をくぐると、整然とした広間に通される。背後には軍服を着た役人や研究者、そして帝国ギルドの代表らしい人物たちが座していた。


「……ここに来た目的は理解しているな?」

中央に座する男が低く問いかける。彼は帝国管理部の重鎮、ハインリヒと呼ばれる人物だった。


「はい」

僕は言葉を選びながら答えた。「僕たち《希望の光》は、この帝国で訓練を続け、力をコントロールしたいと思っています」


ハインリヒはゆっくりと頷く。

「……王国および教会から、君に対する排除命令が届いている。彼らは、男の聖女という存在自体を危険視しているのだ」


リディアが小さく声を上げる。

「それって、私たちも帝国内にいるだけで狙われるってこと?」


「その可能性は高い」

ハインリヒは静かに答え、手元の資料をめくった。「だが、我々帝国としては、君の力は評価に値する。危険を承知で活かす道を模索すべきだと考える」


剣火が腕を組む。

「つまり、保護と管理、どちらに重点を置くかが問題ってことね」


「そうだ」

ハインリヒは資料を差し出す。「君たちが安全に訓練を続けるための条件を示す。だが、これには帝国内での政治的圧力を理解し、対応する覚悟が必要だ」


アリシアが資料に目を落としながら呟く。

「……やっぱり、帝国でも完全に自由ではないのね」


セレナは視線を前に向けたまま言った。

「危険を承知で力を伸ばすしかない、ってこと……ね」


僕は深く息をつき、剣を軽く握る。

「分かった。僕たちはここで力をコントロールし、帝国内で正しい立ち回りを学ぶ」


ハインリヒはゆっくりと立ち上がり、僕たちに近づいた。

「君たちが力を制御し、街や帝国に貢献できれば、帝国は君たちを公に支援するだろう。しかし、王国や教会の圧力が強まれば、状況は一変する」


リディアが顔をしかめる。

「それって……安全圏なんて、ないってこと?」


「その通り」

ハインリヒは静かに頷いた。「だが、君たちは仲間と共に行動できる。力を磨き、慎重に行動すること。それが最善の防衛になる」


広間を出ると、街の喧騒が改めて僕たちを包んだ。人々の視線は冷たくもあり、好奇心に満ちてもいた。帝国内での立ち回りは簡単ではない。王国・教会の情報網は強力で、ちょっとした噂や行動が大きな影響を及ぼす。


「……僕たち、どう動く?」

僕は剣を軽く振り、仲間に問いかけた。


リディアが肩に手を置く。

「まずはここで力を磨く。帝国内で安全を確保する間に、戦略を立てよう」


剣火も小さく笑う。

「うん、街やギルドを通して情報を集めつつ、クエストや訓練で実力を上げる。それしかないね」


アリシアが小さく頷き、セレナも静かにうなずく。

僕たちは肩を寄せ合い、帝国内での次の行動を心に決めた。


街を歩きながら、僕は考えた。王国・教会の圧力は確かに強い。しかし、仲間と共に力を磨き、正しい立ち回りをすれば、帝国内での居場所を作ることは可能だ。副作用を制御し、剣姫たちと連携を深め、危険に備える。僕たち《希望の光》の旅は、まだ始まったばかりだった。

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