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あの、僕男ですが、何故か聖女スキルを獲得して剣姫達と魔王を倒す旅に出ます。  作者: 三科異邦
第二章 帝国編

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――聖女特訓

帝国の都市に拠点を構えた僕たち《希望の光》。正式に冒険者登録を済ませ、宿を拠点として、街の広場や広間で毎日のように訓練を重ねていた。宿の広間は静かで、床には光を反射する剣や盾、魔法陣が整然と並ぶ。まるで小さな道場のようだった。


「ここでしばらく、鍛錬を続ける」

僕は剣を握り、剣姫たちに声をかけた。

「まずは僕の副作用をコントロールする。光の祝福を出すと体に負担がかかるからね」


リディアは眉をひそめながらも目を輝かせた。

「また危険なことを……でも理論的にやるなら大丈夫ね」


剣火は小さく笑い、アリシアはうなずく。

セレナも呪文陣を描き、空間制御や魔力補助の練習に入った。


朝の光が広間に差し込む中、僕は剣を振り、光の祝福を展開した。光が剣先から空間に広がり、衝撃波となって届く。手足が熱を帯び、集中力がわずかに揺らぐ。


剣火が横で観察しながら声をかけた。

「祝福の光が強すぎると、剣姫の動きが乱れる。微調整が必要だ」


リディアがすぐに助言する。

「光の波が届く前に剣を振れば衝撃が分散する」


指示通りに動くと、光と剣の衝撃が空間に調和し、剣姫たちは完璧に反応する。しかし胸が熱くなり、手がわずかに震えた。


アリシアが一歩後ろに飛び退き、バランスを取りながら笑った。

「危なかった……でも次は大丈夫」


昼になると、僕たちは連携の練習に集中した。

「僕は前衛、リディアは右側、剣火は後方援護、セレナは補助魔法、アリシアは回復支援」


光の祝福を展開しつつ剣を振ると、剣姫たちは自然に動き、障害物や想定攻撃を避けながら反撃する。副作用はまだ残るが、仲間たちのフォローで補える範囲だった。


夕方、街に出て実戦訓練に挑んだ。今回は盗賊討伐だ。村人が驚きながら道を譲る中、僕たちは小道に潜む盗賊を迎え撃つ。


光の祝福を展開しつつ剣を振ると、アリシアが素早く移動し、剣火が魔力刃で援護、リディアが右側から斬り込む。光の衝撃波が盗賊の足元を制し、連携攻撃が決まった瞬間、僕は小さく笑った。


だが完璧な戦いは滅多にない。そのとき、光の祝福が突如暴走を始めた。身体が熱く燃え上がるような感覚に襲われ、剣の光が強すぎて周囲の空気まで揺れる。


リディアが体勢を崩し、驚きの声を上げた。

「テイル、危ない!」


僕は必死に光を抑えようとするが、力が跳ね返り、衝撃が仲間に届きそうになる。


剣火が咄嗟に距離を取りながら魔力刃で防壁を作り、アリシアが回復魔法で光の余波を弱める。セレナも呪文で僕の魔力の流れを安定させようとする。全員が動くが、光の祝福は手に負えない勢いで広がった。


「……落ち着け、僕は暴走させない!」


必死に呼吸を整え、光の出力を一点に集中させる。揺れる意識の中で、仲間たちの顔がぶれながらも支えてくれていることに気づく。手の震えが少しずつ収まり、光の暴走が鎮まっていく。やがて剣先の光は安定し、広間に散っていた熱も収まった。


リディアは胸を押さえながら息を整えた。

「危なかった……でも、なんとか止められたのね」


剣火も肩で息をしながら笑う。

「副作用を完全にコントロールするには、まだ経験が必要だな」


アリシアは小さく頷き、

「でも、皆で支え合えば、危険も乗り越えられる」


セレナも静かに微笑んだ。


その夜、宿に戻ると僕たちは今日の訓練を振り返った。光の祝福は剣姫たちに正確に届くようになり、副作用も少しずつ抑えられるようになったが、完全ではない。だが仲間の助けがあれば危険を乗り越えられることを、改めて実感した。


翌朝、僕たちは再び剣を手に取り、光の祝福と剣技を組み合わせて練習を続ける。副作用は少しずつ抑えられ、剣姫たちとの連携もさらに精密になった。街での小規模クエストも続け、盗賊討伐や護衛任務で実戦経験を積む。疲労と緊張の中で、僕は光と剣をより正確に扱えるようになり、副作用もコントロールできるようになってきた。


夜の宿で剣を置き、仲間たちを見渡す。

「今日もありがとう。副作用があっても、僕たちは前に進む」


リディアは微笑み、剣火も頷く。セレナとアリシアも静かにうなずき、僕たちは帝国での訓練の日々を通して力と絆を着実に育てていった。そして僕は、いつか来る本当の戦いに備え、光と剣を極める決意を固めるのだった。

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