――魔王軍との激闘2
異空間の紫黒の光が揺らぐ中、幹部候補は膝をつき、肩で息を荒げていた。
胸には光の剣と祝福の直撃の痕。血が零れる。
しかし、その目にはまだ怒りと憎悪が宿っている。
低く、かすれた声で呟く。
「……俺の村を、家族を……聖女は根絶やしにした……!」
彼の拳が地面を叩き、魔力の波動が小さく震える。
「光の刃……神の名の正義……そんなもの、誰が守れる……!」
僕は剣を構えたまま静かに見つめる。
「そして……俺だけじゃない。魔王軍の大半が……過去の聖女のせいで……傷つき、家族を失い……命令がなくても、誰もが聖女を……排除するだろう……!」
その声は怒りと絶望、そして諦念が混ざった、恐ろしいほどの重みを持っていた。
「お前たちは……たまたま俺に遭っただけだ……次はもっと……多勢で……」
僕は深く息をつき、仲間を見渡す。
リディアは剣を握り直し、剣火は魔力を整える。
セレナは呪文陣を警戒し、アリシアは回復魔法の準備を緩めない。
怒りの頂点に達した幹部候補が低く唸る。
「俺の村を……家族を……聖女は根絶やしにした! 許さない……!」
その声は怒りと絶望が混ざり、異空間の全体を震わせる。
「お前たちは……たまたま俺に遭っただけだ……次はもっと多勢で来る……!」
その言葉は、魔王軍の大半も同じく、過去の聖女に因縁を抱えていることを示唆していた。
「過去の聖女が……誰かを救ったその陰で……どれほどの命が消えたか……わかるか……!」
幹部候補の血に濡れた拳が地面を叩くたび、異空間が波打つ。
僕たちは全力で連携する。
剣火の魔力刃が幹部の攻撃を封じ、リディアが剣で突進し、セレナの呪文陣で異空間の歪みを固定する。
アリシアの回復魔法で体力を保ちながら、僕は剣技と祝福で直接攻撃を加える。
一瞬の隙――
僕は光の剣を全力で振り下ろした。
「これで終わりだ!」
剣と祝福の力が重なり、異空間を震わせる衝撃とともに幹部候補を貫く。
幹部候補は血を流し、膝をつき、荒い息をつく。
「……終わったのか……俺の復讐……」
だが、その目にはまだ憎悪が宿っている。
「覚えておけ……俺だけじゃない……この世界には、過去の聖女に傷つけられた者が……山ほどいる……!」
僕は剣を収め、仲間を見渡す。
「……警告だ。俺だけじゃない。魔王軍には、過去の聖女に因縁を抱えた者がまだ多くいる。
命令がなくても攻撃してくるかもしれない……次はもっと危険だ」
リディアは剣を握り直し、深く息をつく。
「覚悟しなきゃね……でも、守らなきゃ、仲間と希望を」
セレナは頷き、呪文陣を維持する。
アリシアも静かに回復魔法を展開し続ける。
僕は深呼吸し、光の祝福を周囲に広げる。
「どんな相手でも、仲間と希望は守る……!」
異空間の紫黒の光がゆっくりと収束し、遠くに出口が現れる。
幹部候補は倒れた。だが、異空間に残る痕跡と彼の言葉は、次に訪れる戦いの予兆だった――
「聖女は……根絶やしだ」と叫んだ怒りは、魔王軍の多くが抱える怨念を象徴していた。
僕たちは出口へと進む。異空間の揺れが少しずつ落ち着き、次の戦いへの覚悟が胸に刻まれる。




