――魔王軍との激闘
森の小道を抜け、僕たち《希望の光》は帝国領内の巡回クエストを進めていた。
風に揺れる木々、鳥のさえずり――一見、穏やかな景色。
でも、胸の奥には微かな緊張があった。
(警告通り、魔王軍の影が近い……)
僕は深呼吸をし、光の祝福を最小限に展開する。
今回は副作用も抑えつつ、剣技での攻撃も同時に使わなければならない。
リディアは前方を警戒、剣火を握り、アリシアは魔力で支援、セレナは呪文陣を描く――
僕たちの連携は、これまでで最も緊張感に満ちていた。
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森の奥。
黒い影が立ち現れる。
人型だが、人間ではない。
漆黒の鎧、長いマント、瞳は鋭く光る。
僕は直感した――(幹部候補だ……!)
彼の手から、紫色の魔力が放たれ、森の空間が歪む。
風景がねじれ、木々は歪み、空気は重くなる。
リディアが剣を振り構え、セレナが魔力陣で攻撃を迎え撃つ。
「……男の聖女か」
幹部候補の低い声には、冷徹さだけでなく、憎悪と復讐心が滲んでいた。
「家族を奪った過去……今日、清算してやる」
彼は魔王の命令を無視し、僕たちの抹殺を目論む。
僕は剣を握り直す。
(副作用、抑える……支援と攻撃、両方を同時に!)
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幹部候補は空間を操り、地面や岩を浮かせて飛び道具のように投げつける。
僕は光の盾で仲間を守りつつ、剣で岩を砕き、反撃を繰り出す。
副作用が手足にわずかに痛みを走らせるが、集中を切らさず制御する。
リディアは隙を見つけて斬り込み、セレナは魔力で連続攻撃、アリシアも支援と回復を続ける。
幹部候補は一歩も退かず、異空間の地形を自在に変化させる。
岩の壁がせり出し、足場が揺れる。
僕たちは分断されそうになりながらも、光の祝福で互いを補助し、連携を維持する。
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「くそ……捕獲命令だと? 無理だ!」
幹部候補の叫び声が響く。
その目には憎悪しかなく、魔王の命令など頭にない。
「俺の復讐だ……消えろ、聖女!」
その瞬間、空間が大きく裂け、僕たちは一瞬にして宙を舞う。
僕は剣を振り、光の刃で裂け目を切り裂きながら、仲間の支援も同時に行う。
副作用が波打ち、体の奥が熱くなる。
しかし、制御を失うわけにはいかない――
「まだ、俺が中心だ……!」
リディアが飛び込み、幹部の攻撃を受け流す。
セレナが空間の歪みを魔力で固定し、アリシアは回復と支援で仲間の動きを加速させる。
幹部候補は剣と魔力を同時に繰り出し、攻撃の速度を増す。
空間が揺れ、紫の衝撃波が飛び交う。
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僕は剣を振り、光の祝福を刃に纏わせて一撃を叩き込む。
幹部の防御をかろうじて破り、僅かな隙を生む。
リディアはその隙を見逃さず斬り込み、セレナは魔力で追撃、アリシアも支援を続ける。
幹部は後退しつつも笑う。
「……面白い。ここまで耐えるとは」
しかし、その目はまだ憎悪に燃えていた。
「俺の復讐は、まだ終わらない……!」
異空間の岩や破片が飛び交い、重力も不安定。
僕たちは一瞬でも気を抜けば、致命傷を受ける状況だ。
それでも、光の祝福で仲間を守り、副作用を抑えつつ、剣で攻撃を返す。
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戦闘が続く。
僕は心の中で計算する。
(副作用を抑えつつ、光を仲間に回し、剣で攻撃……リディアは前方の防御、セレナは範囲攻撃、アリシアは支援と回復)
連携はぎりぎりだが、確実に幹部の動きを制限していく。
幹部候補は魔力で異空間の形状を変え、僕たちを分断しようとする。
それでも僕たちは補助し合い、攻撃・防御・支援を回し続ける。
幹部は一瞬でも油断すれば崩れることを理解し始める。
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「……これが、俺たちの力だ!」
僕は叫び、剣に全ての光を込める。
斬撃が幹部候補の防御を砕き、微かな隙を作る。
リディアが斬り込み、セレナが追撃。アリシアも支援で仲間の動きを加速させる。
異空間の波動はさらに揺れ、紫の光が空間を裂く。
幹部候補は一歩後退。
「……なるほど。耐えるとはな」
その目にはわずかに驚きが混じるが、憎悪は消えていない。
「だが、まだ終わらせはしない……!」
僕たちは地面に倒れ込みつつも、互いを確認する。
副作用は抑えられた。
剣技も光も、自分の意思で操れる。
「まだ戦える……!」
リディアが頷き、セレナも剣を握り直す。
アリシアは微笑むように、支援魔力を整える。
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異空間の出口はまだ見えない。
しかし、僕たちは確かに、幹部候補の抹殺攻撃に耐え、戦える力を実感した。
この戦いは、僕たちの連携と信頼、そして僕の意思の力で支えられている――
そして、幹部の復讐心という個人的感情が巻き起こした、最初の試練でもあった。




