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あの、僕男ですが、何故か聖女スキルを獲得して剣姫達と魔王を倒す旅に出ます。  作者: 三科異邦
第二章 帝国編

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――魔王軍との激闘

森の小道を抜け、僕たち《希望の光》は帝国領内の巡回クエストを進めていた。

風に揺れる木々、鳥のさえずり――一見、穏やかな景色。

でも、胸の奥には微かな緊張があった。

(警告通り、魔王軍の影が近い……)


僕は深呼吸をし、光の祝福を最小限に展開する。

今回は副作用も抑えつつ、剣技での攻撃も同時に使わなければならない。

リディアは前方を警戒、剣火を握り、アリシアは魔力で支援、セレナは呪文陣を描く――

僕たちの連携は、これまでで最も緊張感に満ちていた。



森の奥。

黒い影が立ち現れる。

人型だが、人間ではない。

漆黒の鎧、長いマント、瞳は鋭く光る。

僕は直感した――(幹部候補だ……!)


彼の手から、紫色の魔力が放たれ、森の空間が歪む。

風景がねじれ、木々は歪み、空気は重くなる。

リディアが剣を振り構え、セレナが魔力陣で攻撃を迎え撃つ。


「……男の聖女か」

幹部候補の低い声には、冷徹さだけでなく、憎悪と復讐心が滲んでいた。

「家族を奪った過去……今日、清算してやる」


彼は魔王の命令を無視し、僕たちの抹殺を目論む。

僕は剣を握り直す。

(副作用、抑える……支援と攻撃、両方を同時に!)



幹部候補は空間を操り、地面や岩を浮かせて飛び道具のように投げつける。

僕は光の盾で仲間を守りつつ、剣で岩を砕き、反撃を繰り出す。

副作用が手足にわずかに痛みを走らせるが、集中を切らさず制御する。

リディアは隙を見つけて斬り込み、セレナは魔力で連続攻撃、アリシアも支援と回復を続ける。


幹部候補は一歩も退かず、異空間の地形を自在に変化させる。

岩の壁がせり出し、足場が揺れる。

僕たちは分断されそうになりながらも、光の祝福で互いを補助し、連携を維持する。



「くそ……捕獲命令だと? 無理だ!」

幹部候補の叫び声が響く。

その目には憎悪しかなく、魔王の命令など頭にない。

「俺の復讐だ……消えろ、聖女!」


その瞬間、空間が大きく裂け、僕たちは一瞬にして宙を舞う。

僕は剣を振り、光の刃で裂け目を切り裂きながら、仲間の支援も同時に行う。

副作用が波打ち、体の奥が熱くなる。

しかし、制御を失うわけにはいかない――

「まだ、俺が中心だ……!」


リディアが飛び込み、幹部の攻撃を受け流す。

セレナが空間の歪みを魔力で固定し、アリシアは回復と支援で仲間の動きを加速させる。

幹部候補は剣と魔力を同時に繰り出し、攻撃の速度を増す。

空間が揺れ、紫の衝撃波が飛び交う。



僕は剣を振り、光の祝福を刃に纏わせて一撃を叩き込む。

幹部の防御をかろうじて破り、僅かな隙を生む。

リディアはその隙を見逃さず斬り込み、セレナは魔力で追撃、アリシアも支援を続ける。

幹部は後退しつつも笑う。

「……面白い。ここまで耐えるとは」

しかし、その目はまだ憎悪に燃えていた。

「俺の復讐は、まだ終わらない……!」


異空間の岩や破片が飛び交い、重力も不安定。

僕たちは一瞬でも気を抜けば、致命傷を受ける状況だ。

それでも、光の祝福で仲間を守り、副作用を抑えつつ、剣で攻撃を返す。



戦闘が続く。

僕は心の中で計算する。

(副作用を抑えつつ、光を仲間に回し、剣で攻撃……リディアは前方の防御、セレナは範囲攻撃、アリシアは支援と回復)

連携はぎりぎりだが、確実に幹部の動きを制限していく。


幹部候補は魔力で異空間の形状を変え、僕たちを分断しようとする。

それでも僕たちは補助し合い、攻撃・防御・支援を回し続ける。

幹部は一瞬でも油断すれば崩れることを理解し始める。



「……これが、俺たちの力だ!」

僕は叫び、剣に全ての光を込める。

斬撃が幹部候補の防御を砕き、微かな隙を作る。

リディアが斬り込み、セレナが追撃。アリシアも支援で仲間の動きを加速させる。


異空間の波動はさらに揺れ、紫の光が空間を裂く。

幹部候補は一歩後退。

「……なるほど。耐えるとはな」

その目にはわずかに驚きが混じるが、憎悪は消えていない。

「だが、まだ終わらせはしない……!」


僕たちは地面に倒れ込みつつも、互いを確認する。

副作用は抑えられた。

剣技も光も、自分の意思で操れる。

「まだ戦える……!」

リディアが頷き、セレナも剣を握り直す。

アリシアは微笑むように、支援魔力を整える。



異空間の出口はまだ見えない。

しかし、僕たちは確かに、幹部候補の抹殺攻撃に耐え、戦える力を実感した。

この戦いは、僕たちの連携と信頼、そして僕の意思の力で支えられている――

そして、幹部の復讐心という個人的感情が巻き起こした、最初の試練でもあった。

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