――ギルド正式クエストと影の気配
ヴァルハイム冒険者ギルド。
僕たち《希望の光》は、初評価を受けた翌日、正式に次のクエストに呼ばれた。
「今回の依頼は、街道沿いの森域巡回」
受付官が書類を手渡す。
「魔獣や盗賊の目撃情報があります。街道の安全確認が目的です」
リディアが僕たちに目配せする。
「なるほど、戦闘もあるし副作用の制御も試せるわね」
僕は深呼吸する。
(副作用を抑えつつ、前線でも剣を振る……僕にできるか)
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森の入り口。
木漏れ日が差し込み、鳥の鳴き声が響く。
警戒しながら歩を進める僕たち。
「この森は交通量が少ないけど、油断は禁物」
セレナが周囲を見回しながら言う。
アリシアも剣を握り直す。
リディアは静かに先を見つめる。
僕も剣を抜く。
(支援だけじゃなく、今回は自分で戦う覚悟だ)
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森の奥。
突然、低い唸り声が響き、狼型魔獣が飛び出してきた。
「戦闘開始!」
リディアが前に出る。
剣火も左右を固める。
アリシアが支援を補助。
僕はスキルを展開。
光の祝福で味方を守りつつ、副作用を抑えるため意識を集中する。
狼の一匹が剣火の背後に回り込む。
僕は反射的に剣を振るい、味方と協調して攻撃。
光と剣、両方を自分で操る感覚――初めての実戦で確信した。
「副作用も抑えられた……やれる」
胸の奥が熱くなる。
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戦闘終了後、森の小道で一息つく。
「今回の巡回、無事終了ね」
リディアが頷く。
「副作用のコントロールも、前より安定していた」
「支援も、剣も……自分で使える」
僕は拳を握る。
初めて、自分の力で前に立った実感が胸に広がった。
⸻
森を抜けたその時、木々の陰に異様な気配を感じた。
黒い人影――人型だが、普通の人間ではない。
鎧の一部が光を反射し、鋭い気配を放っている。
「……誰だ?」
僕は声をひそめ、剣を握り直す。
リディアたちはまだ気づかない。
僕は小声で指示する。
「リディア、アリシア、セレナ……影がいる。注意して」
人影はゆっくりと森の中で姿を現す。
僕は背筋に戦慄を覚えた。
(……魔王軍……?)




