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「やっぱり強いなリディ」


「流石に相手が角ウサギならな」


「そうか、本当ならもっと下の階層で頑張ってほしいけど俺が弱いからさ、先ずは俺のレベルを上げるのに協力してくれ」


「当然だ、ワタルの力となるのが私が共にいる理由なんだ。君の成長に合わせてダンジョンの攻略は進めるべきだ」


 リディの言葉に内心少しだけ感じていた焦りが消えるのが分かった。

 確かに夏休み中に結果を出したいと思っていた俺だが、それならもう十分過ぎるくらいのものを得ていると考えられる。


 それはダンジョンポータルのレアアイテムや何よりこの心強い仲間であるリディの存在だ。

 下手な真似をしてリディに迷惑をかける方が馬鹿らしい話だ、今後は焦らずじっくりとしたダンジョン探索を心掛けよう。


 ……と言っても先ずはレベルを上げだな。

 俺は【危険感知】のスキルで回りを探った。


 本来なら【気配感知】のスキルとかそれ専用の道具を使ってモンスターの索敵は行うのでこのスキルで代用してもそこまで効果は発揮しないんだよな。


 まあないよりはずっと良いのだが。

 そしてスキルを使っていると少し妙な反応があった。

 この階層には角ウサギしかでない、そして角ウサギはリディだけじゃなく俺でも余裕を持って倒せるモンスターだ。


 だからその反応は少しだけ鳥肌が立つ程度の反応が普通なのだ。

 しかし何故か今回は少し強めの違和感を背筋に感じた、まさかこの階層に角ウサギ以外のモンスターが?


 そう思って気配を感じる方を凝視していると森の奥から一羽の角ウサギがひょこっと現れる。


「なんだやっぱり普通に角ウぉおおおおっ!?」


「どうしたワタル!」


 俺は素っ頓狂な声を上げた。

 何と森の奥から現れた角ウサギは一羽じゃなかったのだ。

 十……二十……さ…………多分マジで百羽以上いるぞあれは……。


 流石に不味い。

 あの数に襲われたら俺とか瞬殺される、そして角ウサギって結構足も速いから逃げられるのかも微妙な所なんだ。


 まさかあんな数の群れで現れるとは、本当にダンジョンは俺なんかの予想を超えた事が次々と起こる場所だな!

 白とか黒とか茶色の角ウサギたちの視線が一斉に俺たちをロックオンする。


 これは流石に不味い。


「リディ! 本当なら俺が何とかしたいが無理だ、ここはリディの力で何とかならないか!?」


 リディには俺と違い何個もスキルを持っている。

 その中には如何にも強力そうなスキルもあったはずだ、今回ばかりは向こうに好きにさせたら俺とか簡単にやられそうなのでその前に何とかして欲しい。


 そう思ってリディに聞いた。

 するとリディは微笑を浮かべ答えた。


「問題ない、この程度の数なら直ぐに殲滅可能だ!」


「頼もしい言葉だな、なら頼……」


 俺がリディに角ウサギの殲滅を頼もうとしたその前に角ウサギたちが一斉にこちら向かって突撃してきた。

 はっ早!?

 なんか群れの時の方が角ウサギの突撃のスピードが上がってる気がするんだけど。


 咄嗟に金属バットを構えるが俺の技量とステータスであの数の攻撃をどうにか出来るのか不安だ。

 そう考えていたら一瞬でリディが俺の前に移動してきた。


「リディ!?」


「先ずは一度やり過ごそう、反撃はその後だ」


 リディはそう言うと手にした杖を振るい迫る角ウサギたちを弾きはじめた。

 その攻撃のスピードは速すぎて俺には全く見えない、ただ怒濤の勢いで迫る角ウサギの攻撃をリディは難なく真っ向から杖で受けていた。


 次から次へと角ウサギを杖で吹っ飛ばしたり足で蹴り上げたり平手打ちではたき落としたりしていたように見えた。


「凄いぞリディ! やっぱり角ウサギなんてふごぉおっ!?」


 リディを避けて来た角ウサギが俺の顔面を踏んづけて行きやがった。

 わざとか? わざとなのか?

 ならば許さんぞ角ウサギ!

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