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第6章「始まりの動き」

玄関先にて、

「それでは。」

(また暇になりそうだな。探索でも進めるか?w)

[魔法の方もまだやる余地はあるだろう。]


「あなた〜?ちょっと来てくれる?」

〈うるさい。女風情が、〉

「空。後でも良いか?」

(『後でも良いか?』って、今やること別にないだろ。)

「無理よ。急いで!」

〈女の分際で急かすとは、何事だ。〉

(まぁまぁまぁ、ここでの親やし、とりあえず落ち着いて。)


「・・・仕方ない。」

幸一が玄関から家に入って行った。


(さて、俺も家に入って探索なり魔法なりやるか。)

【待て。】

(何かあったか?)

【感じるぞ。我が帝国の鼓動が。近々、何かが起こるだろう。】

(まぁ、このライパング国を帝国へと変えることが目的になってるからな。いずれそうなるだろうな。)

[警戒!町の路地裏からこの丘に走って接近中の影あり。]

(把握。リボルバー照準中。)


[さらに敵影確認。先頭は女、後ろに男性多数。恐らく、女を追っていると推測。]

〈つまり、女を撃てば良いということか。〉

(待て待て。いくらなんでも判断が早い。奴らが分断を狙う勢力かもしれない。まずは情報を集める所からだ。)

【それなら我が出るとしよう。】


「【警告する。我が敷地へこのまま不法侵入するようであれば、それは死の選択である。】」

「チッ、話がちげぇなぁ。仕方ない。野郎ども、やれ。」

「了解っす。」

[攻撃の意思を確認。反撃。]

リボルバーで6発撃ち、6人の男をヘッドショットした。


[実戦でも問題なく使えたな。]

(倒れて頭から血が流れてる。)

[この様子ならヘッドショットにプラスで出血多量でも死にそうだな。]

(てか俺の手で初めて人を殺した訳だが、アニメとかなら罪の意識やら罪悪感がどうこう言い出したりするけど、そんなものないな。)

《その程度で狼狽える(うろたえる)など、貧弱。》

(確かにそうだが、いつから俺は狂気じみたのやら、)

【前世の松沢強は終わった。今在るのは、ストロング帝国皇帝なり。】

[それはさておき、キリが悪い理論で残った女も撃って良いか?]

〈悩む余地もない。撃て。〉

[っと、その前にリロードしないとな。]


「軍!」

(銃声に反応してきたか。)

[さっきの6発と少なからず時差あるし、ここで撃つのは少し言い訳がきついか?]

〈チッ、チャンスを逃したか。〉


「何があった!軍!大丈夫か?」

「【我に問題がある訳ないだろう。既に対処した。】」

幸一が、男達の死体と女の方を見る。


「良かった。これは何があったんだ?」

「[男達がそこの女を追いたてて、この丘に向かって来て、男達が何やらこちらを攻撃しようとして来たから反撃した。]」

「うん、そうか。良かった。」


【さて、】

「【もう既に動き始めているようだが、本当に建前のままで行くつもりか?より良い結果を得たければ、我に任せるが良い。】」

【そして、我は皇帝となるのだ。】

「いいや、大丈夫だ。問題ない。」

(ポーカーフェイスが崩れて、ニヤついているようだが、怪しくなってきたな。)

[黒幕説も視野に入れる必要があるかもしれない。]


「とりあえず中に入っていろ。」

「[把握。]」



(さて、何をやろうか。)

[異世界人相手に対する力はある程度獲得できたからな。転生者相手の戦闘手段を得なければな。]

【力を手に入れし我にかかれば、敵など存在しない。】


(転生者の強みは銃の錬金による魔力を使わない超遠距離攻撃。)

[これにはとりあえずの回転式拳銃で対応できるだろう。後は、黄金魔力の自由度の高さ。]

(電気魔法や反錬金魔法が使えたように、向こうも何らかの特殊な魔法を使ってくる可能性がある。)

【我が電気魔法は最強の魔法であって、これに勝つ魔法などない。】

(それはそうだが、それだけに頼るわけにもいかないだろう。何か手はあった方が良い。)


[思い浮かぶ案としては、相手の行動を封じる、魔法を封じる、毒で削る、数で勝つ、、、]

(転生者同士でやりあうなら、陰湿な手段くらいしかないか。)

【向こうの力程度に、我が魔力が劣るわけがなかろう。】

(となると、魔法を封じるか。)


[魔法を封じる。EMPの魔法版って所か?]

(考えられる仕組みは、自分の魔力を広げて、相手の魔法を即座に反錬金するくらいだな。)

[それなら、最初から反錬金魔法で良い気がするな。]

(そもそも、これは相手がいないと確認できなさそうだからな。延期か。)


「空、玄関に来てくれるか?」

【ふむ。何やら不穏な空気が流れているようだな。】

〈俺も感じるぞ。何か失敗をしたような。大和魂人格はどうだ?〉

《感じないな。だが、大和魂はいつ何時であろうと即座に発動できる。》

[この感覚は、強襲の気配じゃないな。策略の気配だ。人狼ゲームの準備をした方が良さそうだ。]

〈策略か。やはりあの女か?撃つ機会を逃したのは痛手だ。〉

(まさか、あれは追われていたのではなく、先導していたのか?)

[なるほど。可能性はあるな。]

〈最初の敵はあの女か。〉

【ふっ、我が力をとくと見るが良い!】


「軍、居間にいるか?」

「[居る。]」


居間に幸一と空。その後に続いて、さっきの女がやってきた。

「色々あってこの子をこれからここに住まわせる事にした。」

〈は?〉

[色々とは、何があったらそうなる。]

(この女の策略か?)

〈生活に溶け込む事による奇襲作戦が考えられるな。〉

[常時臨戦態勢を維持する。]

「[把握。]」


「い、井上 諒子です。よよろしくk、お願いします。」

〈緊張している演技で油断を誘っているのか?だとしたら俺には効かんな。〉

「[源元 軍だ。]」

[見た目的には小学校低学年くらいか。]

(あの記憶を思い出すな。)

〈始まりの敵、渡辺 麻衣か。〉


(俺の全ては奴から始まった。人見知りとコミュ障を足して2で割った状態も、多重人格も、)

[オリジナル人格しか実体験をしていない記憶。]

〈ゆえに、最も再発が危ぶまれる現象。〉

(あの時は、簡単に言えばバカだったんだ。俺よりも他人の方が優秀だとか、他人の方が信用できるだとか、)

【我が力は他の何よりも優秀で信用足り得るというのに、愚かなことだ。】

(もちろんだ。自分ほどよく知っている存在はない。)


「それで、だ。この子は1階の方が良いから、軍は2階の部屋に行ってくれ。」

「[把握。]」

〈1階と2階で物理的距離はあるな。警戒を絞り込めそうだ。〉

「場所は、玄関から見て左にある階段を登って左にある部屋だ。」

「[把握。]」



(階段を登って、左。階段登ってすぐの所にあるのか。)

[そのうち、2階の探索を進めておくとしよう。]


扉を開けて、部屋に入る。

(ここは敷布団じゃなくてベッドなのか。)

[にしても、置き方雑すぎだろ。なんで斜めってるんだ。]

(どうせ寝ないにしても、邪魔だな。とりあえず部屋の隅まで押すか。)

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