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第八話 羊の少女

夜が明け、部屋を出るとセンリがいた。


「なぜお前がここにいる?」


「私達仲間でしょ?だから宿もこっちに移したの」


「仲間?いつ仲間になったんだ?」


「知り合ったんだからそれはもう仲間でしょ!」


「お前には知り合いはいないのか」


「いるよ!その子も私の仲間」


「じゃあその子と旅をしろ」


「ねぇ!同じ邪眼持ちじゃん!」


「うるせぇな、俺は仲間が欲しい訳じゃないんだ」


「後ろの二人はなに?」


「あの二人は別だ、第一俺は人間ではない」


「知ってるよ?」


「は?」


「私の目は誤魔化せないよ!なんたって邪眼持ちだからね!無理矢理にでもついていくから」


「はぁ…俺達は魔物の集まりだか、いいのか?」


「私の友達も魔物だし」


ふむ…前知り合いに羊使いがいる的な事を話してたな。


「その友達は冒険者なのか?」


「うん、そうだよ」


その羊使いとやらはよくこんな奴と友達になったな。


「何か失礼な事考えてない?」


「いや、そんな事はない」


「ふ〜ん」


「そんな事はどうでもいい、飯を食べにいくぞ」


その後、食堂へ行き朝飯を食べた俺達はギルドへ行き依頼を受けた。

今日は悔しいがセンリがいてAランクの討伐依頼を受ける事ができた。


討伐魔物はバジリスク、蛇系統の魔物の最上位種で毒霧攻撃が一番厄介な魔物だ。

俺は早速攻撃しようとしたのだが、バジリスクの下で倒れている少女を見つけた。


「おい、あそこに誰か倒れてるぞ」


「あっ!あの子よ!あの子が私の友達!」


「かなりまずいな」


俺はまずは少女を助けるべく、飛び出した。

ファルとシンが魔法でバジリスクの注意を引いてくれていた為、すんなり救助する事ができた。


少女をセンリに任せ、俺はバジリスクを倒す為戦場に戻る。

バジリスクは俺達に取っては虫けら同然。


俺が行く前にファルとシンの魔法で絶命していた。

ファルとシンをギルドに報告に行かせ、俺とセンリは少女を連れて宿に戻って来ていた。


俺は少女に解毒魔法と回復魔法を施し、少女は目を覚ました。

バジリスクを倒した後、少女の様子が変わっていなかったので解毒魔法と回復魔法を使わないのか聞いたところセンリは攻撃魔法しか使えないらしい。


「ん…ここは…?」


「ロココ!」


「…センリ…?」


「無事で良かった…心配したんだからね!」


「ごめん…」


「なぜあんな所で倒れていた?」


「羊達のご飯をとりに行ってたらバジリスクと遭遇してしまって…」


「そうか、俺の名前はガイアだ。お前は?」


「ロココです…助けていただきありがとうございます」


ロココは幻影魔法で側頭部に生えている羊のツノを隠しているが俺には見えていた。

羊の魔物か…初めて聞いたな。


「ロココ、お前は魔物らしいな」


「……なぜそれを…?」


「そんなに警戒するな。俺も魔物だ」


「本当ですか…?私には人間にしか見えないんですけど…」


「それは進化した姿だからだ。元はスケルトンだ」


「え!?スケルトンだったの!?」


「センリ、お前は黙ってろ」


「そう…ですか。一応信じます、でも完璧には信用できません」


「別に信用してもらおうとは思っていない。そもそも知り合ってすぐ信用など皆無だからな」


その後ロココはもう一度俺にお礼を言ってから帰っていった。

その後、ロココも仲間にしようとか言ってくるセンリを黙らせるのに苦労した。


「はぁ…信用がない奴など仲間にできるか」


「へぇ…私は信用してるんだ?」


「お前は揚げ足取ることしか考えてないのか…」


「別にいいでしょ」


「まぁいい、もう部屋に戻れ」


センリを部屋から追い出し、帰ってきたファルとシンから報酬を受け取り、センリにも私に行ったが、「私は何もしてないから」と受け取らなかった。


「こう言うところはしっかりしてるんだな…」


俺の中でセンリに対する評価が上がった…気がした。







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