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「そんなの、ムリです!」 ~ソロアサシンやってたらトップランカーに誘われました~  作者: 高鳥瑞穂
九章 第四回公式大会

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9-9.本戦 一回戦第十四試合 セリスアネシアVSbookstackボイルドエッグ

 トラキチ戦以降の戦いは、まあ、概ね平和だった。

 いや多分、平和だったと、思う。ちょっと全力で装備を見直しながらだったから多分としか言えない。


「いやむっず……」

「登録、セージにするべきだったか……」

「それは結果論だからなぁ。セージだとトリプルキャスト使えないし」

「PvPならダブルキャストでも十分といえば十分だが……自分で言っておいてなんだが、やめよう。そこはもう変更できない」


 ギルドハウスに引っ込んで、ありとあらゆる装備を引っ張り出す。Wikiも参照し、ファイター+200%の理論最大火力を算出していく。


「奥義は一旦除外するとして、現実的に使ってくるラインがここらへんのスキルで、こっちの装備だったらこれくらいのダメージで……ジャスガはとりあえず前提として……」

「防御アップよりもジャストガード率の方を優先するとどうだ?」

「ウェポンエンチャまで考えるとこっちの構成のほうが」

「あまり使われてないが、この盾なんかは」


 あーでもないこーでもないと相談して、ふと、真剣な顔でとんでもない数の仮想ウィンドウを立ち上げている親友の顔を見る。


「……何だ?」

「いや、懐かしいなと思って」

「まあ、言わんとしていることは分かる」


 あの時も、こうやっていた。

 あの時も、相手はトラキチで、そして俺の相棒はロイドだった。


「あの時よりも参照数が多いんだ、懐かしむ前に手を動かしてくれるか」

「すまんすまん、あーでも、そろそろセリス戦始まるよ」

「ああ、それくらいは見ておくか」



『さあ第十四試合!積み本ことbookstack選手と!』

『本戦唯一のロイヤルガード!ゆで卵ことボイルドエッグ選手だ!』

『ロイヤルガードが守ってる固定砲台ブラマジは強いぞ!相手は誰だ!?』

『匿名希望が匿名になってないぞ!匿名希望アサシンこと、セリス選手!』

『通りすがりの遊び人!今は奇術師になったみたいだ!アネシア選手!』

『絶滅危惧種の毒アサシンと、絶滅危惧種だった純正遊び人のペアだ!』

『予選の魅せプ、あれは卑怯だぞ!もっとやれ!』

『さあ時間です!カウントダウン!』


 カウントダウン!10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 GO!


『イカサマダイス』


 初手からセリスのイカサマダイスが転がる。

 セリスが正面から突っ込み、ゆで卵さんが大盾を構え受け止めようとする。

 ああ、毒アサへの研究が足りてないなぁ。まあ多分、予選で魅せプレイをしまくったこともかなり効いているけど。

 弾き飛ばしたら何が起こるか分からないもんねぇ。怖いよねぇ。


隠し刀(インビジブルエッジ)


 ゆで卵が盾で弾かないことをいいことに、スキルが発動した。

 アサシンが状態異常の付いている武器を持っている場合のみ使用できるスキルだ。

 相手の盾属性の装備を無視してダメージを入れる事ができるスキル、隠し刀。

 しかもこれねー、刺さってる判定になるから連続ダメージなんだよねー。


『インビジブルエッジだー!すごい!ほんとに使ってる人初めて見た!!!』

『盾属性付きの装備を貫通するアサシンの毒ツリー専用スキルだ!ポイズンレインの3つ先くらいで覚えられるぞ!』

『さあゆで卵!慌ててシールドバッシュでセリス選手を弾き飛ばしたぞ!』

『積み本のメテオバレットがセリス選手を追い回す!』


『イカサマダイス 百発百中 貴方に特別な賞品をプライズイズアサプライズ


『プライズイズアサアアアプラアアアアアアイズ!』

『アネシア選手のプレゼント爆弾がシールドバッシュ直後のボイルドエッグにちょおおくげええええき!』

『いや耐えた!耐えたぞさすがロイヤルガード!』

『あああああでも毒入ってるうううう!?』

『毒耐性最大にはできなかったか!』

『アンチポイズンは!?持ってる!?アコライトのスキルだから取れるはとれるぞ!?』

『使ったのは……ヒールⅡ!アンチポイズンは持っていないようです!』

『これどうだ!?耐える?入ってるのは毒Ⅰだし20ぱーせんt……あああ追撃のイリュージョントラ猫が脇腹かすった!』

『イリュージョンさあ!ペア戦で強すぎない!?』

『乱戦でも強かったことをお伝えしておくぜ!』

『セリスさんが一生バレットと追いかけっこしてるんだけどあれどうやって逃げてんの!?』

『あ、積み本バレット捨てた!』

『バレット操作中は他のスキル発動できないからね!なんかチャージ溜まったか!?』


『ポイズンチェーンバインド』

『神出鬼没』


『毒鎖スカしたああああああ』

『アネシア選手上手い!今のはうますぎる!』

『さあしかしアネシア選手の方も不発弾をボコスカ捨てた関係で自爆ダメージがひどい!』


「自爆でしかダメージ入ってないから、実質HP満タンだけどね」

「バレットをもう一つ操作できれば、セリスにかすらせるくらいはできたかもしれないな」

「ムリだから。普通ムリだから」

「できたが……」


 ロイド(おまえ)を基準にするな壊れブラマジめ。


『あああタイムアップううううう!ボイルドエッグ毒で落ちたあああああ!』

『さあ盾が居なくなったbookstack選手にセリス選手が迫る!』

『マジックシールド!マジックシールド!あああだめだ!boockstackダウン!』

『勝者セリス・アネシアペア!』

『ぐっどげええええむ!』

『強いぞ毒アサ!強いぞ奇術師!グッドゲーム!!!』


 GGっと。ああ、メッセでも送っておくか。



 ぴろん♪


「見てくださってたんですね、ありがとうございます!リーダーさんも二回戦頑張ってください。どっちも応援しています、だって」

「素直にニンカ達を応援していてもいいんだがな」

「ま、セリスらしいじゃん」

「そうだな。さて、そろそろ控室に入っておくか」

「そーだね」



 第十五試合の始まったチャンネルを一度閉じると、特殊転送で控室を選択した。


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― 新着の感想 ―
[良い点] ぼけっとぽけっとの2人の解説軽やかで賑やかで楽しくっていいっすね 「匿名希望アサシン」「通りすがりの遊び人」 この紹介待ってましたー! [一言] トーナメント表、何度も見返しつつ読み進め…
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