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「そんなの、ムリです!」 ~ソロアサシンやってたらトップランカーに誘われました~  作者: 高鳥瑞穂
九章 第四回公式大会

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9-2.予選 Bグループの窓の向こう

「「うーーーーーーーーん」」


 予選Aグループの配信を開いて、二人で同時に声を上げてしまう。


「予定してた動き、だめですねこれは」


 アネシアが難しい顔で言った。


「セージの覚醒効果ってPvPだとフィールド全域なんですね……」

「正直、乱戦の場合は正面敵対のAI判定だと思ってましたね……」

「ね」


 セージの覚醒技の「敵性キャラクターの強化を解除」という効果、勝手に「解除する対象をセージが選択する」あるいは「敵対状態をAI判定」だと思い込んでいた。

 PvPをやったことがないのと、そもそもPvP大会の告知があって検証内容の出し渋りがあったのとで、そのあたりの細かい仕様はよく分からなかったのが大きい。

 とにかく、セージの覚醒技は大規模PvPだとフィールド全域効果になるらしい。困った。

 元々奇術の時間を使用して私が首刈り人間(ヴォーパルヒューマン)になる戦法を予定していたので、作戦がたった今ゴミ箱に捨てられたところだ。


『さあ始まります予選Bグループ。選手の入場です!Bグループは7ブロック898人になります!』

『カウントダウン! 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 GO!』


 二人で開いている公式配信からカウントダウン音声が入り、予選Bグループがスタートした。


 豪華なバフのエフェクトが乱れ飛び、セージのさざなみのような覚醒効果が広がってエフェクトが消え、そしてまたバフエフェクトが乱れ飛ぶ。

 そうこうしている間に前衛組は前衛組でスキルが飛び回り、あっという間にフィールドの人数は半分ほどになった。


 振り分け表を確認する。

 予選の仕様の問題で仕方ないのだけど、全体的にビショップとロイヤルガードは少ない。アコライト系はパラディンが多い。

 奇術師対策なのか、予想していたよりもセージが多く、なんならブラックマジシャンより多いくらいだ。

 アサシンはまあまあいるが、全体数で考えたら少ない気がする。乱戦になると死にやすいからかな……。


 うーんうーんと手持ちスキル一覧を表示し、詳細を開いては閉じ、開いては閉じ。


 できれば予選くらいは突破したい。

 このままじゃ話題にもならず、何もできずに死ぬことになる。


 いくつか目のスキルを開いて、まあこれは前提スキルだから取ってるだけの死にスキルで、と閉じようとして、はたと手を止めた。

 外部ブラウザをもう一つ開き、ユーザーWikiを表示する。

 使ったことのないジョブのスキルツリーを確認し、いくつかのスキル詳細を見る。

 それからいくつかのジョブでおすすめのスキル編成の項目を開き、PvPでのおすすめ装備の項目を見比べて……


 ――――なるほど、私はもしかすると、とんでもない勘違いをしていたのかもしれない。


「シアさん」

「ん、はい、なんですかセリス」

絶対に死ぬな(・・・・・・)と言ったら、可能ですか?」

「予選でですよね?」

「はい」

「えーと、初手事故はどうしてもあります」

「まあそうですよね」

「でもそれ以外だったら、今回の予選ルールで()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 アネシアが紫紺の瞳を向けて、


「奇術師というのはそういう職です。私は現在の奇術師――遊び人の動きなら、誰にも負けないという自信があります」


 なんてったって年季が違いますから、と少しいたずらっぽく笑う。


「OK、シアさん、最悪ダメージはゼロでいいです。()()()()()()()()()()()()

了解しました(・・・・・・)

「ということで、作戦を説明します」


 開いているBグループ予選では、トラキチさんが颯爽と予選通過を決めていた。



Bグループ本選出場者

シード:ななな(ランサー)・ぽいみん(ビショップ)

第1ブロック:恋歌(ソードマン)・緋想(ブラックマジシャン)

第2ブロック:オリオン(モンク)・Icebreaker(セージ)

第3ブロック:ゴースト(ブレイダー)・除霊するぞ☆(レンジャー)

第4ブロック:ユーリン(細剣士)・あんこ大好き(ブラックマジシャン)

第5ブロック:トラキチ(ファイター)・ボンレスハム(ビショップ)

第6ブロック:チーズケーキ(パラディン)・うに(ブラックマジシャン)

第7ブロック:きりんさん(奇術師)・ぞうさん(モンク)

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― 新着の感想 ―
このシアさんのセリフすき過ぎるんだよなぁ笑
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