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「そんなの、ムリです!」 ~ソロアサシンやってたらトップランカーに誘われました~  作者: 高鳥瑞穂
八章 サブリーダーの太陽

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8-7.【EFO】 - サザンクロスチャンネル

「遅い」

「いや、急になんでEFO?」


 急にリーダーが予備VRヘッドギアを引っ張り出してセットしたかと思うと、ギルドハウス集合、とだけ言って目の前でダイヴを始めた。

 本当に最低限の準備だけして再度VRポッドに戻ったというのに、たいそうに不機嫌な彼が目の前でジト目でこちらを見ている。


「キリキリ吐け。残りはどこだ」

「え、いや、君を巻き込む気はないんだけど」

「寝ぼけたこと言ってんじゃねえ。さっさと吐け」

「……大津波と、花畑、それからボクサーと、あとは雛鳥」

「全部魔法職一人で行くとこじゃねえだろが。準備しろ、最初は大津波だ」

「いや、え、意味が分からないんだが」

「一緒に行くって言ってんだよ!全部倒せばいいんだろ倒せば!!!」


『お、おはきょう?』

『これなに枠?』


「リーダー、配信ついてる!」

「つけたんだよお前が言い逃れできねえようにな!!!」


『え?喧嘩?喧嘩枠?』

『ロイドさんだ!体調大丈夫?』


「グダグダ言ってんじゃねえよ。準備はできたか」

「ま、まあ、できてはいる」

「っし、行くぞ」


『なにごと……?』

『PvPでもすんの?』

『いや怖い怖い、何この枠』




『なんで大津波?』


「いや本当に……なんでだろうな……」

「行くぞ」


『リーダーがここまでキレてるのも珍しい』

『ロイドなにしたの?』


「俺が守ってお前が倒す。質問は?」

「あるといえば山程あるが、まあ、ない」


 迫りくる魚群の大津波


 群体型のボスが、目の前に展開した。


 ――――ダブルキャスト サンダーバレット メテオバレット 


 雷と隕石の球が、群体に直撃した。





 勝負はあっけないほど簡単についた。

 元々ダメージ蓄積のノックバックや挙動停止が存在しない群体型だから倒せなかっただけで、別段大津波自体は強いボスではない。いや実装当時はもちろん強かったが、その後レベルキャップ開放や新武器実装などがあってプレイヤーが強くなった、という方が正しい。

 単純にソロで挑むボスではない、というだけだ。


「次、花畑」

「まて、装備を変えさせろ、あと流石に説明」


『このボスなにやらかしてこんなひどい目にあってるの?』

『ほんとになんで今さら大津波?特に美味しい素材とかなくない?』


「半分くらいリスナーのせいだから黙って付き合え」

「半分も視聴者のせいにするのか」


『なんこのリーダー、中身トラだったりする?』

『一周回って新鮮でたのしくなってきた』


「残りは俺とお前だからな」

「いやこれは()の問題で、()には関係が――」


『ぼく』

『……キミ?』


 っ。――――落ち着け、配信中だ。


「これは俺の問題で、お前には関係ないだろう」


『テイク2』

『え、ロイドさんリアルはそういう感じ?』


「口調、ムリに俺に合わせなくていいんだぞ」

「いや……少なくとも配信では、こちらのほうがしっくり来る」

「さよか。っしゃ、行くぞ花畑。終わるまで寝かさねえから覚悟しろ」


『いやんリーダー、寝かさないなんて大胆』

『ちょっと素が出てる貴重なロイドさんおいしい』





 花畑の蜂の巣を豪炎装備でサクッと蹂躙する。

 耐打撃装備に変更して、今度はボクサーと対面し――耐打撃装備必要なかったな。リーダーがすべて完璧に受けきった。


『花畑、ボクサー、最初大津波だっけ?じゃあ次不死鳥?』


「お、気付いたリスナーがいるね。古参かな?」

「不死鳥は既に終わっている。動画にはしなかったが」


『じゃーえっと、強欲?爆弾坂はソロやってたよね?』


「おしいね、実は強欲の魔人もこいつソロやってる。次は雛鳥」


『どういうこと?』

『ロイドが倒せてないボス回ってる』

『花畑の初回攻略アナウンス、ロイドいたじゃん』

『途中で死んでんのよ』


「ま、そんなとこ。雛鳥行こうか」


『ってかリーダーおちついちゃったーキレキレなの好きだったのに』


「ちょっとそこは忘れといて!」





 雛鳥は防衛戦だ。

 大嵐の中襲い来るラッシュを、雛が孵るまで守り続ける。

 リーダーが守って、()が倒す。

 最後のボスに初級奥義を全弾被弾させ。


「終わったな」

「んーおつかれ!さあラストいこうか」

「いや何言って……もうこれで全部だが」

「いいから付き合え。――あ、一旦配信閉じるね。10分くらいですぐ再開するから」



===== 配信は終了しました =====





ジャンル別年間ランキング(連載中)90位に入りました!

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― 新着の感想 ―
[一言] 双方向に重い関係性、とても好き。
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