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【書籍化準備中】「そんなの、ムリです!」 ~ソロアサシンやってたらトップランカーに誘われました~  作者: 高鳥瑞穂
三十章 二度目のバレンタイン

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30-4.チョコレートを作ろう

 

 チョコレートを刻んで、刻んで、刻んで。

 生クリームにカフェリーヌを混ぜて、雪平で温める。

 温めた生クリームをチョコレートに注いで溶かして、クッキングシートを敷いたバットに流し込んで冷蔵庫へ。


 作るのはカフェオレ風の生チョコレート。色や形のきれいなものは最初から作らない。自分にそういうセンスがないことは誰よりも自分がよく分かっている。

 なんかこう、「丸をきれいに描く」みたいなレベルからしてできないんですよね……。タルトにいちごを並べるというだけの作業ですらなぜか段々とズレてしまう。

 なのでまあ、きれいなものを作りたい時は最初からそういうものは選ばない。


 冷えて固まった生チョコを定規を使って真っ直ぐに切る。文明の利器というにはあまりに原始的だけど、これが一番間違いがない。


 ココアパウダーをまぶして、生チョコ用という小さなプレゼントボックスに、一番形がきれいなものを選んで並べていく。


 残りはパパとママと一緒に食べよう。

 カフェリーヌとかいうもの、初めて買ったんだけど残りどうしようかな……ティラミスにでもすればいいんだろうか?


 ラッピングゴムを付けて、一旦冷蔵庫へ。



 ……さて。


 現在2月9日。これで明日忘れなければ大丈夫だ。


 準備ができた。――――できてしまった。


 明日……明日か…………。

 リーダーさんからの連絡では、明日の14時にこの駅で、という指定が来ている。



 そわそわと落ち着かない気持ちを押し込めるようにぐっと姿勢を正す。


「あいうえお いうえおあ うえおあい えおあいう おあいうえ」


 ボイスレッスン自体は短期に入れた3回の基礎レッスンが終わり、追加レッスンのパンフレットをもらった。滑舌や会話をより滑らかにする個別レッスンや歌のレッスンなど色々書いてあるけれど、今のところ受ける予定はない。

 それはそれとしてボイスレッスンの先生から教えてもらったこの滑舌トレーニングは、なるべく毎日続けましょうと言われて続けている。


 1週間以上続けた成果として頬の筋肉が引きつる感じはしなくなってきたけれど、毎回ま行で詰まるので、苦手な発音というのは確かにあるのだろう。


 滑舌の練習をして、腹式呼吸の練習をして、そうしてやることがなくなると途端にそわそわしてしまう。

 手持ち無沙汰にカーペットをコロコロしてみたりキッチンの五徳を洗ってみたり。連日この調子で、おかげで今家中がピカピカだ。無駄に窓拭きまでしてしまって、いよいよやることがない。


 なんとなくスマホを取り出す。

 つぶやいたーを開く。完全に出演情報しか投稿していない私のアカウントはさておき、フォローしているアカウントの投稿を確認する。


 リーダーさんとロイドさんが直近の予定を出している。ニンカさんは今日はお休みで、グライドさんだけが別のチャンネルにお呼ばれしているらしい。

 ぽつぽつと流れてくる投稿やニュースなんかを眺めて。


 それからふと思い立って、ブラウザを立ち上げた。


 ブックマークから一つのサイトを開いて。



「――――あ」


 大慌てで、カバンを掴んで外へ駆け出した。

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― 新着の感想 ―
作品内の日付と投稿日が一致している⋯!?
昔滑舌の訓練でやったなーと懐かしく まらみりむるめれもろ ぱらぴりぷるぺれぽろ まぱらみぴりむぷるめぺれもぽろ ま行ら行が鍛えられました
これでパパさんが冷蔵庫のチョコレートを食べてしまったとか言ったら戦争が起きるな。
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