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【書籍化準備中】「そんなの、ムリです!」 ~ソロアサシンやってたらトップランカーに誘われました~  作者: 高鳥瑞穂
間章・3

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【切り抜き】ロイドって楽器できるの?

『そういや、リーダーはピアノ弾いてたけどロイドって楽器できるの?』


「ぎt」

「できない」

「……」

「…………」


『ぎ?』

『リーダー何言おうとした?』

『ぎ?』

『ぎ?』

『wwwww』

『ww』

『ぎたー?』

『ぎ?www』

『ギターか?』


「リーダー?」

「ごめん、今のはまじでごめん」


『草』

『リーダー君やらかしポイント+1』

『これは単発100Ptの高得点ですねえ』


「今のはマジやらかした。ほんとにごめん」

「まあ……一応アコースティックギターを触ったことはある。弾けるという程は弾けない。きちんと習ったわけでもないしな」


『おおお!』

『え、めっちゃ聞きたい』

『ひいてひいて!』


「配信で弾けるような腕ではない」

「……これ、ちょろっとワンフレーズ弾いといたほうがマシじゃないか?」

「無茶を言うな」

「いや……その、下手にアンケトップとか取るとちゃんと企画にしないとダメだから……今弾いちゃってそれで終わりにしたほうがマシかなって」

「誰のせいだ」

「俺です」


『リーダーのせいですねw』

『今弾かないとアンケに書くぞ!(謎の脅し)』

『ひこーひこー!』


「……(はぁ)」

「ごめん」

「ちょっと待っていてくれ」


『お!』

『部屋にあるん?』


「あー。これ、今日ちらっと弾いたらそれで勘弁してくれな。アンケ書いても集計に入れないから」


『しゃーないなあ』

『おー、アコギ』

『かっこよ』


「(♪)音が滅茶苦茶だな。チューニングするから待ってくれ。配信の音消すか?」

「もういいだろそのままで」


『イケメンはギター持ってるだけでイケメンやな』

『超絵になる』


「………(♪)(♪)(♪)こんなものか?」

「Gがちょいずれてんな」

「(♪)…本当だ。よく分かるな。(♪)(♪)――ん、これで良い気がする」

「だな」


『わくわく』

『わっくわっく』


「あーまず、リスナーのみんなが知っているような曲は弾けない。大して上手くもない。あと、季節外れだ。弾ける曲がクリスマスソングだけでな」


『むしろクリスマスソング弾けるの?』

『意外』

『クリスマスソングで聞いたことない曲ってなんぞ?』


「クリスマスソングと言うか…もしかすると賛美歌かもしれない。そこもあまり詳しくない。弾いていく。(♪)――――Det lyser i stille grender…」


『!?』

『!?!?』

『お、英語?』

『英語じゃない気がする』

『普通にうま』


「…………Som barn i ein vesal stall ――――お耳汚ししました」

「おー、久々に聞いたわ」


『8888888』

『かっけー』

『普通に上手いやん』

『888888』

『8888』

『これ何語?』


「ノルウェー語のはずなんだが……実は中身は殆ど知らないまま歌っている。ギターは母に教わったのだが、歌詞の意味自体はざっくりとしか教わらなかった。一応歌詞を調べたこともあるんだが、きちんとした和訳歌詞は存在しなかったので結局詳細は知らないし、発音も自信がない」


『お母様ノルウェーの方なんですか?』


「北欧二国の混血だ。母も父親――俺から見ると祖父だな、からギターを習ったらしく、祖父の第一言語がノルウェー語だ」


『ほー』

『何気に初出情報では?』


「家を出てからしばらくして、忘れてしまうのも惜しい気がしてギターを購入した。一応コードはすべて押さえられるけれど、普通の曲は練習したこともないし譜面を見ても上手く弾けない。このギターだって、忘れない程度に弾ければ良いと思って買ったから初心者向けの安いやつだ」

「今度習ってみる?」

「いや……別にいい。母に教わった曲だけ弾ければ」


『エモい』

『それも麗しい』

『えもえも』

『うるっときた』


「もういいだろうか」

「おう、ありがと」


『ありがと~』

『気が向いたら弾いてね~』


「……片してくる」


☆☆☆ サザンクロスチャンネル ☆☆☆

Det lyser i stille grender

Jakob Sandeが書いた詩。詩に対して複数人がメロディーを作成している。

ロイドが歌ったのは二番まで。曲自体は五番まである。

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ちょっといいギターをお詫びに贈ろうぜリーダーw
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