なんかやる枠 - サザンクロスチャンネル
「おはようございますカッコキョウベン!サザンクロスのリーダーでーす」
「こんばんは、サザンクロスのロイドだ」
『おはキョウー』
『おはようございます(強弁)』
『おはきょう』
『今日なにすんのー?』
「リーダーが準備すると言っていたので俺は何も聞いていない。何をするんだ?」
「お、聞いてないんだね。びっくり箱には伝えたんだけど」
「変な企画は勘弁してくれると嬉しいんだが」
「大丈夫大丈夫、普通に雑魚狩り。――――ロイドがサポメンの素材集めに同行して無限素材狩りします」
「は?」
『え?』
『え、まじ?』
『ロイドタンクできんの?』
「ちょ、ちょっと待ってくれるか?俺は魔法職しかできないぞ?なんでそんな事になっているんだ?」
「俺言ったよな?」
「何を」
「首謀者捕まえてサポメンの素材集めに突っ込むって、言ったよな?」
『おや?』
『おや?wwwww』
『どうしたリーダーw』
『リーダーちょっと目が据わってるw』
「ちょっと悪質なドッキリをされてな?内容がアレなんで動画にもできねーんだけど。首謀者捕まえて突っ込むかって話はしたんだ」
「……した」
『ロイドなにしたのwwww』
『wwww』
「グライドは大人しく捕まったぞ?」
「いや……あの……」
「返事は?」
「…………はい」
『wwwwwwwww』
『はいwwwwww』
『何やったんだよほんとにwwwwwwww』
「まあ流石にロイドだけで行くのもアレだろうと思ってな」
「まあ、はい……さすがに」
「もう一人呼んでるんだ」
「グライドか?」
「この短期にグライド二回目はだめだろ」
「……まあ」
『誰だろ』
『だれ〜?』
『前衛?ぽんすけとか?』
『セリスちゃんに一票』
「まってまってまってまって聞いてないちょっと待ってってばセリス!ねえ待って!」
『お?』
『ニンカ?』
『セリスちゃんだ!タンクやるの!?」
『ノーマルセリスちゃんじゃ素材採取タンクきつくね?』
「おはようございますかっこきょうべん、セリスです。いや私は来ただけなんですけど」
「まってってば!え、ちょ、セリス!?」
「大丈夫ですよ、普通の二時間コースですから」
「二時間か……」
「ねえ待って!ホント無理だって!無理って言ってるじゃん!!」
『ニンカなら2時間余裕だろ』
『どうしたニンカwww』
「タンクなしは無理だよ!!!!!」
『お?』
『え?タンクなし?』
「大丈夫ですよ」
「なんでセリス一緒じゃないの!?」
「え?先日ニンカさんに連戦時間についてお話し合いを受けたからですけど?」
『wwwwww』
『琥珀の窓のほうであったねwwwwww』
「そうだけどそうじゃないじゃんこれそういう話じゃないじゃんちょっとまってってば!」
「大丈夫ですよ。今回は、後ろは全員ビショップですから」
『え?』
『アサシン+ブラマジ+ビショップ?』
『流石に傀儡師じゃね?』
「サブでビショップ持ってる人も全員ビショップで来てもらっているので、大丈夫ですよ。簡単には死ねません」
「それ死んでも復活するってだけじゃん!!!!!ねえええ閉じ込めたのはごめんってばああああ」
『(閉じ込めたのか)』
『リーダーとセリスちゃんね、なるほど?』
『仲直りはしたかー?』
「別に閉じ込められたことは怒ってないですよ?」
「じゃあなんでこんなに怒ってんの!?」
「閉じ込められたことも、無理やり話し合いになったことも、怒ってないです。それを撮影して見ていたことがどうかと思っているだけで」
『wwwwwww』
『あきらめろニンカ』
『頑張れニンカちゃーんwwww』
「あと、本当に喧嘩はしていません。なので仲直りという表現はちょっと微妙です」
「まーそういうわけで、今日の撮影はびっくり箱〜」
「あいよ〜」
「それからビショップさぽめーん」
「「「「「「「いえーい!」」」」」」」
『いえーい!!』
『テンションの差wwwww』
「ビショップの方は適宜入れ替えだね。サブで持ってる人結構いたな」
「復活が強いかんなー。サポメンだけで素材集めんならアタッカー4人にビショップ2人とかで、死んだら復活させんのが収支ええねん」
「そうなんですね」
「ほな行くでふたりとも!だいじょーぶだいじょーぶ。死なせないことに関しては俺らは中々のもんやで!」
「いっそ死なせろ……」
「やーーーーだーーーーーー!!!」
「いってらっしゃーい」
「いってらっしゃい」
『いってらっしゃーい』
『がんばれ〜』
・・
・・・
「さすがにアーカイブ非公開か」
「ロイドだけなら公開して良かったんだけど、ニンカ巻き込んだからな」
配信を終えてワークスペースに入る。
今回の配信はアーカイブ非公開。これは最初から決めていた。
「グライドは何か言っていなかったか?」
「え、今回の発案グライドだし」
「……そうなのか」
「グライドひっ捕まえた時に真っ先に逃げたからな」
グライドが今度あいつも無限組手に突っ込む、とやや光をなくした目で言っていた。
あそこでグライド見捨てずに二人で行ってりゃこんな事にならなかったのに。
「流石に疲れた。今日は落ちる」
「あいよ」
だろうね、2時間ずっとスキルチャージしてるのってそれだけでも結構疲れるからな。こいつがそれで疲れるのかは知らないけど。
「あー、その」
ロイが何かを言い淀む。
「ん」
「必要だとは言え、少々強引だったとは思っている。すまなかった」
それなー。
「必要だったって自覚は俺の方もあんだけどさ」
「ああ」
「あれ撮影してたのはだめだろ」
ドッキリじゃなくてガチの話し合いするって場面で、わざわざ会議室でサシの状態作って、それ撮影してましたはだめだろ。
話す内容がどうこうではなくて、信用の問題としてさ。
「……すまなかった」
「これっきりにしてくれ、ホントに」
「ああ」
「セリスがいいって言ったから、これでもういいよ。さっさと休め」
「そうする。おつかれ」
「おつかれー」
ロイはそう言って、ワークスペースを出ていった。
ソファにぐでりと体を預けて天井を見る。
「……心配かけちまってんな〜」
ロイはそこは間違えない。なのにやったってことはつまり、俺が話し合いから逃げるんじゃないかと思われてたわけで。
まあちょっと、だいぶ、メンタル落ちてたしな。
特になにか特別なことはしていないけれど、精神面はだいぶ落ち着いた。
BAN祭りの影響も思ったよりは出ていない。――チャンネル登録者数については一旦見ないことにしている。
はー、と息を吐く。
「なーんにも考えずに、面白いことだけして生きていたいんだけどなー」
こぼれた言葉が、ワークスペースに溶けて消えた。




