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「そんなの、ムリです!」 ~ソロアサシンやってたらトップランカーに誘われました~  作者: 高鳥瑞穂
三章 トップアサシンと人魚の足

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幕間 VRゲームニューズ エリシオンファンタジーオンラインが車椅子会社と提携!?驚きの発表の真意とは

 10月26日、人気VRMMORPG「エリシオンファンタジーオンライン」(以下EFO)が2周年記念イベントを発表した。

 新規エリア開放、不遇職と名高い「遊び人」に待望の二次職の追加、覚醒技という新しいスキルの追加に、記念アイテムパックの販売。

 他にも内容が盛り沢山の二周年だ。

 詳細な内容は別途 ARAHISA 記者がまとめているので、ぜひ読んでいただきたい。

 →エリシオンファンタジーオンライン二周年記念情報徹底解析


 さて、筆者が注目したのはなんといっても一番下に小さく書かれたこの項目だ。


 提携企業の追加

 株式会社ベートモビリティシステムズ


 多くのユーザーが完全に気にもとめていない提携企業追加の定型文言だ。

 なぜこの会社の追加が注目なのか。解説していく。



【そもそも株式会社ベートモビリティシステムズとは】

 株式会社ベートモビリティシステムズ(以下BMS)は、電動車椅子を開発・販売する会社である。

 その中でも国内で最初に「思念操作による車椅子」を開発した、車椅子の第一線会社だ。

 一般車椅子シェアは実に国内電動車椅子販売の60%と発表されている。


 旧来型のコントローラーで操作する車椅子から一線を画す「思念操作」は、VR環境下での身体操作とほぼ同様のしくみで動く、ハンズフリー車椅子である。

 完全に両手を空けて操作可能な思念操作は、今まで片手がコントローラー操作で塞がってしまう、もっと言うならば手にも麻痺等がある場合には車椅子の操作が困難である、という問題を見事に解決した画期的な発明だった。



【EFOとどのように提携していくのか】

 これについては既に二周年アップデート情報で答えが出ている。

 すなわち、遊び人の二次職業「傀儡師」だ。


 EFO公式チャンネルで新職業紹介PVが公開されているのでぜひ見ていただきたい。

 →【祝!二周年】新職業を一挙紹介!【遊び人二次職】


 傀儡師の抜粋画像を掲載する。

[画像1][画像2][画像3]


「遊び人」にもともとあったイリュージョンに関する進化職業であると言えるだろう。

 一定時間カードから炎をまとったライオンや、水をまとったイルカなどを召喚し戦わせることができるイリュージョンだが、召喚できる対象がランダムであり博打要素の強い技だった。

 二次職になり召喚対象を選択できるようになったようだ。


 注目してほしいのは画像3枚目、覚醒技の紹介だ。

 キャラクターが、戦車に乗っている。タロットカードのチャリオットから天井を取ったような外見だ。

 覚醒効果はこの戦車にHPが設定されており、戦車内にいる間無敵状態になるというもの。

 PVを見る限り戦車のHPはそれほど高くなさそうだが、身代わりチャームの完全上位互換で十分に強そうだ。


 さて、戦車の操作だ。

 EFOはVRMMORPG、攻撃に武器を使用する都合、ハンドルやコントローラー操作ではなく、もちろん思念操作(・・・・)のはずだ。

 このタイミングでの提携企業にBMSの追加である。

 ベースには現実の車椅子思念操作システムが使用されていることは想像に難くない。



【実は車椅子ユーザー待望の、車椅子キャラクター】

 EFOは歩行補助システムの導入により、「歩行困難者が歩くことができる」非常に貴重なゲームだ。

 そのためプレイヤーの中に車椅子ユーザーが非常に多くいる。


 ゲーム開始当初は「初めて歩ける」「数十年ぶりに自分の足で立つことができた」など界隈が大いに盛り上がったが、

 1年もすると別の問題に突き当たっていた。

 歩行補助システムの思念キャッチには若干のラグがある。そのためレベルが上がり、ボスが強くなり、要求されるプレイヤースキルが上がると、プレイが困難になるのである。

 上級や超上級と呼ばれるボス戦では戦うことが難しい。

 もちろん適応できるプレイヤーもいるのだが、大半の車椅子ユーザーにとって、上級の壁は高く分厚かった。


 車椅子と同様にキャラクターを操作できるようになれば、この壁はぐっと低く、薄くなることに違いない。



「すべての人に、ゲームを」



 EFO発表時に打ち出されたこの文言に偽りがないことを、EFO開発は常に示し続けている。



【現実ではどのような変化が起こるのか】


 これから車椅子に乗るユーザーにとっても素晴らしい変化であると言える。

 なにせEFOを利用すれば、自分自身は移動せず、スペースも必要とせず、場合によってはトレーナーすら必要なく、車椅子操作を習得できるのだから。

 ゲームプレイと現実の操作はやはり異なるので(なにせ現実では車椅子でジャンプはしないので)、専用の訓練VRの登場が待ち遠しいところだ。


 さらにEFOの歩行補助システムそのものがBMSに提供されれば、現実世界でも歩行が可能な歩行補助外殻の開発がなされるのではないか。


 今後の発表に目が離せない。



文責:HIROKAWA

HIROKAWA フリーライター。自身も車椅子ユーザーであり、EFOプレイヤーでもある。

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