3-6.トップアサシンと運営レター
なんなん、なんなんコイツ……
相方は確かに心配になるくらいプライベートへのガードがゆるくて、本名や詳細な住所こそ知られていないけれど、ちょっと調べるとボロボロ色々な情報が出てくる。
だからって今ここでそれ読み出すか!?
あと顔は、まあ、ふ、ふつーだし!ふつーくらいだし!
ってかほんとにそういうんじゃないし!ちがうし!ちがうったらちがうし!
ぜんぜん、年の差だって、大学生からしたら高校生なんてガキだろうし、リアルのID知ってるからって、こっちは、こっちは……
「え、オフ会とかしないんですか?」
「しっ……したこと、ない。あたしは」
「ああそっか、リーダーさんたちは撮影で会ってるはずですもんね」
「それも2、3回くらいだったはず……リーダーは地方勢だから」
「なるほどーニンカさん的には家とか遠い感じですか?あ、これ聞いていいのかな……」
「遠くはないけど、ほら、あたしは……」
「んー……」
こっちは、こんな、だし……
「ニンカさん、年は私よりちょい上くらいですよね?」
「あんたの年知らないけど、高3」
「私高2です。先輩ですね」
まあうん、ソレくらいだろうと思ってた。なんだかんだで匿名希望ちゃんは話のテンポが近い。
「じゃあまあ、多少の遠出くらいはしてみてもいい、んじゃないですかね?足がどうだろうと、一生しないってわけにも行かないじゃないですか」
まあ、当事者じゃないのであまり大きいことは言えないのですが……
と継ぎ足しながら言う。
ソレはその通りなんだけど、何事もはじめの一歩というのはドでかい壁なもので、あたしはその壁を超えられないでいる。
かと言ってネットの知り合いに会うのに親同伴というのもアレなわけで。
仮想世界が発展し、家にいながらお散歩までできるようになってしまったものだから、なおさら遠のいていた。
少し長い沈黙。
沈黙を破ったのは、
ぴろん♪
「あ」
「お」
「きましたね」
「思ったより早く来たな」
運営レター 2周年記念!
昨年よりも少しだけ早く届いた、アップデートのお知らせだった。
「新エリア…あ、低レベル用のエリアも増えるんだ。新職業…あ、とうとう遊び人二次職来ますね!奇術師、細剣士、傀儡師…傀儡師?
150レベルで"覚醒技"を習得。使用にはDPという新しいポイントを使用…
2周年記念パックの販売…うーん、買えなくはない…EXPブースターのブースト率がえぐい…うーん……」
アップデートは次の火曜の定期メンテ時に実施予定で、そのためメンテナンス時間が伸びる旨の告知。
匿名希望ちゃんは悩んでいるようだが、この2周年記念パックは買いだ。200レベルになると超過分の経験値を武器に溜め込んで、武器そのものを覚醒状態にするということをするんだけど、これがとんだ経験値掃除機で、経験値なんてあってもあっても消えていく。
記念パックの販売期間は1ヶ月。EXPブースターの使用期限は2ヶ月、一人用。ところでこの記念パック、購入個数制限がない。何個買えば2ヶ月フルで使い続けられるだろうか。後でちょっと計算しとかなきゃ。
遊び人の二次職はかなり気になるが、詳細は後で確認するとして、ざっと読み進めていく。
覚醒技は…クールタイムのめちゃめちゃ長い特殊技って感じかな?DPの回復は時間経過のみってあるから、一日の使用回数に実質制限がつく感じか。
リアルでのグッズ販売、一周年記念グッズの再販、まあこの辺はいいや。
記念ガチャ…アバター衣装はいらんかな。あーでもこの髪型はちょっとかわいい。ただなぁ、くじ運ゴミなんだよなぁ。
細かいUI調整は見るまでわからんとして。
一番下までスクロールしたところで、大半の人が読まないであろうそこに目と思考が釘付けになった。
「提携企業の追加」
「え?あー、またなんかコラボするんですかね?」
提携企業はコラボやグッズの作成とかでちょこちょこ増えるので、よほど思い入れのある企業でない限り、実際にコラボが発表されるまで誰も気にもとめていない。
「いや、だって、ここは、」
株式会社ベートモビリティシステムズ
私の使っている、電動車椅子の会社だった。
※グライドの顔はゲームでトップ人気の動画チャンネルで顔を出しても大丈夫なくらいの「ふつー」
一旦区切って幕間、4章に入ります!
4章書き切り間に合ったのでこのまま毎日投稿です!
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