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【書籍化準備中】「そんなの、ムリです!」 ~ソロアサシンやってたらトップランカーに誘われました~  作者: 高鳥瑞穂
十五章 メインヒーラーの引退

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閑話 ホワイトデーのお返しを

「なー、ロイはどうする?」

「目的語を言ってくれるか?」


 EFOユーザーWikiのアイテム一覧を眺めながら親友に話しかけると、実に全くその通りな質問が返された。


「セリスへのホワイトデー」

「ああ……僕からは適当に消耗品を詰め合わせてパッケージした。そのほうが彼女は気楽だろう」


 ホワイトデーイベントは、花を集めてアバターアイテムやハウジング用アイテムを作成できる。

 もちろん他プレイヤーへプレゼントできるけど、これは超越に利用できないので、大量にもらっても困らせてしまうだろう。

 ニンカが「あたしがあげる!」と宣言したので、他の人は遠慮する運びになった。わざわざ全員にコメントまでつけて送ってくれたのだから何も返さないというのもどうかと思い、ホワイトデーまであと3日という今になって頭を抱えている。

 まぁ確かに、ここで変に凝っても彼女は恐縮しそうだというのはわかる。というか多分、お返しがほしいとすら思っていないだろう。


「他の連中どうするかって聞いてる?」

「サポートメンバー何人かが連名でアルディアナを作っていると言っていた。数人似た感じでアイテムパックを作っているのは知っている」

「アルディアナ予備か。なるほどね」


 武器覚醒の都合、メイン武器の予備は何本有ってもいいからな。

 マデランみたいな雑魚狩り用の武器は1本でいいんだけど。


「まあ、さほど深く考えず無難な消耗品でいいんじゃないか?()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「あー……………………まあ、そうな」


 挨拶のチョコレート。うん、そうなんだけど。どうにも、奥歯に物が詰まる。


「なあ」

「ん?」

「セリスってさ」

「ああ」

「…………………………あー、いや、悪いなんでもない」

「そうか?まあ、何かあったら言ってくれ」

「おう」


 再度アイテム一覧ページに目を戻した。





「セリス、今いい?」

「はい」


 ニンカからもらったらしい花冠アバターをつけたセリスがこちらへ駆け寄った。

 ギルド内は誰かが飾ったホワイトデーフラワーが溢れていて、いつもより雰囲気が華やかだ。


「チョコ、ありがとね」

「あ、ああ、ホワイトデーですよね、皆さん返してくださって、ちょっと申し訳ないです」

「まあバレンタインにあげたらそうなる」

「そういうつもりじゃなかったんですけど……でも受け取らないのも失礼かと思って……プレゼントボックスがすごいことになってます」


 70人のギルドメンバー全員から返礼品をもらっていたら、それは確かにそうだろう。


「ま、俺からも」

「えっと、ありがとうございます」


 フレンド:セリス へ プレゼント を送信します。


「――――え?」

「うん」

「ちょ、ちょちょ、ちょっと!リーダーさん!?」

「――――うん」


 散々考えた挙げ句、結局何も思いつかなかったんだ。


「いただけません!」

「まーもう送っちゃったし、返送はなしで頼むね!」

「いただけませんってば!え、返送、返送ってどうやるんですか!?」

「おつおつ~あ、セリスちゃんバレンタインありがとね、これお返し~」

「えっ、あっ、はい、おもちさんすみませんちょっと待ってください」

「じゃあ俺はこれで!」

「あっ、ちょっと、ちょっと待ってくださいリーダーさん!!!!」

「え?どったの?」


 インしたおもちと場所を変わるように、そそくさとその場を後にした。

 絶対怒られるとは思ったんだ。思いつかなかっただけで。



 □■□■□■□■□■□


「ほんとにどったの?」


 大変に困った顔をしている少女を覗き込む。


「リーダーさんからホワイトデーのお返しが送られてきたのですが」

「うん」

「ホワイトデー特別アイテムパックLで……」

「金で解決しやがったなあいつ」

「ゲームアイテムをお渡ししただけなので、何か適当に消耗品でもくださればそれで良かったんですが……」


 というかお返しとかいらなかったのですが、ともしょもしょとつぶやく。

 お返しなしは流石にアレだけど、本当にそう。しかもLって一番高いやつじゃん。

 こういうのって天秤が過剰に傾くのはあんま良くないんだけどな。


()()()()のお返しにはちと高すぎるな。後で俺からも言っとくよ」

「えっと…………はい………………………」


 彼女が、一瞬何か言い淀んだ。


「――――ふぅん?」


 そういや、リーダーは何のメッセージを受け取ったのか、一度も聞いた記憶がない。


「あ、えっと、すみません、おもちさんも、ありがとうございます。えーと、あ、エリクサーですね」

「うん、結局消耗品が無駄になんなくていいじゃん?」

「ファイターだとかなり使うので、助かります。大事に使わせていただきますね」

「雑に使えw」


 上級エリクサーくらいいくらでも使えって。本当にこの子はもう。


 少しおしゃべりをしていると後からほかのメンバーもホワイトデーを渡しに来たので、場所を譲った。





「悩むなら悩むで、もうちょい気の利いたもの渡せよな。すかぽんたんが」



ニンカ→ホワイトデーフラワーアバター一式(セリスと交換し合ってる)

普通の人→上級エリクサーなどよく使う消耗品

サポメン何人か連名→アルディアナ予備・たまーに使うような特化装備など

グライド→巨人の大剣(ニンカと巨人周回してたら腐るほど出た)

すかぽんたん→ホワイトデー特別アイテムパックL

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― 新着の感想 ―
[一言] なんというぽんこつすかぽんたん…!!!
[一言] はあ!?!?落ち着いてられるか!こんのすかぽんたん渡すもの思い付かなくて金で解決!??アホか!?気持ち込めたものとセリフひとつでいいだろ!なんのためにイケメンしてんだよ!ねえこれPK許される…
[一言] すかぽんたん、モテそうで女の影が今までなく…掛け算の相手しかいなかったしロイドが存在として強すぎた結果恋愛経験的に他のギルメンよりはるかに低いとかばれてそうだから仮にここが両片想い状態でじれ…
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