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化物のすすめ(好きになるあなたへ)  作者: リュウノスケ
23/33

第23話 リベンジマッチ

メンバーも揃い、チームの形もほぼ目途が立って来たということで、リベンジマッチをセッティングしてもらった。

相手チームもメンバーの入れ替えがあったが、主力メンバーがほとんど残っているため、昨年同様、強豪チームだった。


「おはようございます。 よろしくお願いします」


整列して、並んでいる顔ぶれには、あの前衛のディフェンスの二人組がいた。

目が合った時、薄ら笑いを浮かべた表情で、僕を見ているようだった。


僕たちは、準備してきたのだ。

今回は、前回のように簡単にはやられない。

実質、9名で戦う方法をコーチと何度も話し合い、決めてきた。

今日は、その答え合わせだ。


前回同様、2階のギャラリーには、女バスのかすみとれいか、おやじとおふくろが来てくれていた。

恥ずかしいところは見せられない。


試合のメンバー構成として、ベストメンバーの5名は、以下の通りだ。

SG(シューティングガード)背番号4番キャプテンの伊藤 明くん、

SF(スモールフォワード)背番号5番の坂本 哲郎くん、

PF(パワーフォワード)背番号6番の前田 浩介くん、ここまでが6年生だ。

C(センター)背番号7番、同級生の池尻 清人きよひとくん、あだ名はキート、

そして、僕が、背番号18番、PG(ポイントガード)司令塔を任されていた。

あとの5名を混ぜて、第1クォーターと第2クォーターで、メンバーの総入れ替えを行い、残りの第3・第4クォーターをベストメンバーで戦う作戦としていた。


本当は、8番の背番号を貰えるハズなのだが、ユニホームのサイズの関係で、5年生になっても背番号は、18番のままだった。

背が大きくならないことは、過去のループで実証済みで理解してはいるのだが、やはり一桁の背番号への憧れがあり、体が小さいことで、おやじに恨み言を言っていた。


「父さんの身長って、150cmなんだっけ?」

「どうして、そんなに小さいの?」

「僕が大きくなれないのは、父さんも母さんも小さいからだよね」

「もっと、大きい家に生まれたかったなぁ~」


恐らく、おやじの身長は150cmないくらいで、鯖を読んで150cmと言い張っているようだった。

僕が高校生でちょうど150cmになった時に、背比べを拒否られていたから、間違いないハズだ。

ちなみに、おふくろは、さらに小さく138cmくらいだった。


ビーッ


そんなくだらない身長問題を考えているうちに、第一クォーターの始まりの笛が鳴った。

僕は、ベンチスタートで、スターティングメンバーを見守っていた。


背番号4番キャプテンの伊藤くん、

背番号6番の前田くん、

背番号9番、同級生の工藤 卓也くん、あだ名はタク、

背番号10番の同じく5年生の児玉 秀樹くん、あだ名はダック、

最後が、背番号11番4年生の田中 元気くんだ。


試合開始時は、お互い様子を見ながらと言った感じで、ハーフコートのマンツーマンディフェンスを行っていた。

お互い、点が動かず、6対8の2点差のビハインドで終了していた。


いよいよ、出番が回ってきた。

第2クォーターは、全員入れ替えた。


背番号5番の坂本くん、

背番号7番の池尻くん、

背番号8番、同じく5年生の鈴木 達也くん、あだ名はタップロ、

背番号17番、2年生の長友 大志くん、

最後が背番号18番の僕という構成だ。


チビッ子コンビの17番、18番が出ているということで、相手チームはこのクォーターで勝負を決めようと、スタートから、すぐオールコートの2-2-1プレスを開始した。

大志くんは、まだ戦力にならないため、ケガをしないように、守備側ハーフコートの隅でのじっとしているようにお願いした。


相手ボールでスタートし、1本目のシュートはリングをはずみ、清人が、リング下でリバウンドをキャッチする。


「はい」


右サイドにポジショニングしながら、右手を上げボールを要求した。

清人からのパスを受けた僕は、ゲームを組み立てるべく一呼吸ついた。


前回同様、2名のディフェンスが僕に襲いかかってきた。

すかさず、ドリブルを開始し、二人との距離を取るべく後ろに2~3歩、後退しながら、ディフェンスとの距離をキープした。


まず、左方向に加速をつけ大きく移動する、左側のディフェンスが抜かれないようにコースをふさぎに、正面に回り込んで来た。

もう一人の右のディフェンスも左側のディフェンスとの距離感を保つように左方向に寄せてきていた。

この右側のディフェンスの移動に合わせて、右足を思いっきり踏ん張って、体を沈め急ブレーキをかける。

その場で、左右の足の位置を入れ替えるようにステップしながら、左手のドリブルから、フロントチェンジにて、右手のドリブルに切り替える。


左方向に移動していた二人のディフェンスも止まろうとするが、反応が一瞬遅れる。

ここで、一気に右方向に加速してドリブルを開始し、ダッシュする。

右側ディフェンスの外側を抜き去り、ボールをフロントコートまで、一気に運ぶ。


4か月の個人練習の成果が実り、二人のディフェンスを突破した瞬間だった。

この時点で、二人のディフェンスを後方に置き去りにして来ているため、数的優位が発生している。

ディフェンスのいない所へラストパスを入れる。


キート(清人)


左方向からリング下に入ってきたセンターの清人に、バウンズパスを通した。


ダン バシィッ ダ~ン 


バウンドしたボールを両足ステップでキャッチし、清人は思いっきりジャンプする。


高く飛び上がった手の先から、ボールが放たれ、バックボードをクッションにしてゴールリングにボールが吸い込まれていく。


「ナイッシュ~ キート」


同点のゴールに合わせて、会場が沸いた。

イケる、そう確信した瞬間だった。


今度は僕たちの番だ。

相手チームのリバウンドを清人が取り、サイドに開いた僕にパスを出しながら、清人は走り出す。


リターンパスの要領で、走りこむその先に、バウンズパスを出しつつ、僕も走り出す。

パスを受けた清人は、無人のゴールに向かって、円盤投げの構えで思いっきりボールを高く投げ上げる。


ダーン


放物線を描くボールに合わせて、全力で走る僕の前方でボールがワンバウンド、落下点に走りこむ


パシッ タン タン


ボールをキャッチし、2ステップ、片手で高くボールを掲げ、空中を滑空する。


右手を離れたボールは、軽い放物線を描き、ゴールリングへ。


カシュッ


リングに触れないボールがゴールネットを揺らす。


「ナイッシュ~ かなた」


逆転のゴールを決めた僕は、ディフェンスに戻りながら、清人にハイタッチを決めた。


ここからは、ほぼワンサイドゲームで、試合が進んだ。


ビ~ッ


48対20で試合は、終了した。


試合後の挨拶を済ませて、ベンチに戻る時、あの二人が、話しかけてきた。


「やられたよ 僕は、高木 で、こいつが、本田」


「何年生? 名前は?」


「5年 岸 ひなたです」


「5年!? ひなたくん、次は、負けないからな」

「じゃ~ また」


簡単に短い言葉を交わして、ベンチに戻った。

コーチが、良い笑顔で片手を顔の横に上げて待っていた。


バシッ


つづくベンチメンバーにも順番にハイタッチをしながら、勝利の喜びをかみしめた。

その後、2階のギャラリーで応援していれていたかすみ達に向かって整列をした。


「ありがとうございました」


沢山の拍手と、かすみの笑顔をもらった。


この前の借りは、返せた。

ダブルスコアでの完勝。

答え合わせが、正解した瞬間。

左手の九つの宝珠全てが、順番に光り、少しずつ光が蓄積された。

九つ全部の宝珠が光る、初めての瞬間だった。

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