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ひとりよがり  作者: いそじん
死んでも
9/44

9. 突飛

前の話いじるのはご愛嬌

「さすがに自分の葬式を見れば死んだ自覚が出るってもんで、葬式から戻ってきた魂はよく乾いてるよ」

「なるほど」

「お前の葬式は多分、明日明後日でちゃちゃっとやるだろう。大した準備もいらないし、霊安室に置いといてもな」


あまり腹が立たなかったので、自分の肉体に愛着はなかったのだと虹太は気づいた。


「せっかくの幽霊デビューなのに、あまり盛り上がらないのは残念です。いたずらとかできないんですか?」

「出来ないことはないが、おすすめしないな。魂が無くなっちまうよ」

「無くなると、どうなるんですか?」

「さあな、経験が無いから分からん。ただ・・・」


鶴橋は視線を落とした。ぼやけた地面に誰かを思い描いているのか。


「現世に未練があって幽霊のまま残り続けようとするやつは、どんどん魂がぼやけてくる。

それに合わせて、生きてる連中は死んだそいつのことを忘れていくんだ。

魂が消えるころには、綺麗さっぱり忘れられるのかもしれない」

「報われませんね」

「結局のところ、あの世の沙汰は()()()次第ってことさ。

この世の連中がどう"想って"いるかで、死んだやつの魂の色んなことが決まってくる。

報われないというか、死んで初めて報いを受けてるんだろう」


虹太は自分の手を見た。今も自分を想っている人は、現世にどれくらいいるのだろうか。


「とりあえず葬式ですね。いつ始まるんだろう」

「現世を見てみようか。スマホを想像しろ」


流石に笑うところだと、虹太は思った。

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